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大胆解説・東芝不正会計

2015-05-23 16:27:33 | ニュース
誤解を恐れず今話題のニュースの背景を大胆かつ無責任に解き明かしてみる。

東芝の不正会計問題がほぼ全事業の範囲にわたるもので、落着先の見えない深刻な構造問題化している可能性がある不吉な予感がする。今朝は経済専門紙ばかりか一般紙まで大きく取り上げて報じられている。報じられたところによると、発端は大震災出福島第一原発事故後に予算達成基準が急に厳しくなり、「工事進行基準」を操作して過剰な利益を計上したという。

ところが、最新ニュースによるとこの不正会計はインフラ関連に留まらず、テレビやパソコンから主力の半導体事業にまで及ぶ恐れもあるらしい。今のところ何ら根拠が示されていないが、半導体事業にも不正会計が及んでいたとすれば会社の大事にまで発展する恐れがある。まさかあの大東芝が、という感じだ。経験ではインフラ関連とテレビやパソコンとでは不正会計の手口は全く異なる。

詳細記事を読むまでこの世界で素人の私は「工事進行基準」なるコンセプト自体を知らず、読んで初めて長期にわたる事業を単年度に切って会計する手法を知った。素人ながらテレビやパソコンでは部品や製品の購入から在庫までの価値の評価、開発費や売り上げ等の計上のタイミング、計上すべき費目の改変等々細則はあるがちょっと操作するだけで損益計算結果が左右されるのは知っていた。

事業形態とあるべき会計基準によって損益計算は随分変わるという認識はあった。その程度の知識でも、インフラ事業だけなら社内一部門の会計の問題だが、全く形態の違う複数の部門に不正経理があったのなら、会社ぐるみの不正ということになり東芝は絶体絶命の危機に襲われる事位は分かった。最初にニュースを聞いて会社ぐるみの不正の可能性を感じて、これは大事になるぞと思った。今のところ事態はそのように進んでいる。今日の日経は東証から監理銘柄に指定される恐れがあると報じていた。

会社ぐるみと言えば、ITバブル崩壊後に米エンロンやワールドコムのトップがコンサルタントを巻き込んで史上最大の会計不正を働いたのを思い出した。この時は会計責任者の副社長が内部告発をし、タイム誌は彼女をその年の人に選んだ。この巨大企業は不正を暴かれ崩壊、トップは獄に繋がれることになったした。果して東芝の場合はどうなるのか、どこまで責任追求されるか、内部告発がなされるか、監査法人の責任はどうなるのだろうか。不正がどこまで遡るかによっては更に影響が広がる可能性もありだ。

今迄の報道では詳細は殆ど明らかになっていない。詳細が分かるにつれて、私のレベルでも身に覚えのある様な状況が出て来ると予想している。私が工場の責任者時代に品質問題を起こし在庫が半端なく急増、本社の監査を受ける事態になった時がある。この時腹心の部下が経理操作して監査を凌ぐことも出来ると提案を受けたが、私はそんな手が後ろに回るようなことはするな、責任は全て私がとると即答したことがある。随分格好つけたものだ。お蔭で彼も私も一時凌ぎの為に不正を働かずに済んだ。実は不正会計は身近な所にあるのだ。

これも推測だが、東芝のような超大企業では経理スタッフは本社経理の下にコントロールされ、その配下のスタッフが夫々の事業(或いは子会社)の経理部に配属される組織になっていると推測する。官僚のシステムと同じはずだ。つまり、スタッフの上司は本社経理と事業部門経理の二人いて、事業部門が採用した経理スタッフと一緒に働いているはずだ。これに事業責任者に業績達成の圧力がかかった時、どういう力学で何が起こったのか、或いは闇に葬られるか。昔なら誰かキーマンの口が封じられた可能性もある怖い話だ。■
コメント (2)
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