梅雨明け直後から気温が急上昇した。各地で熱中症が報じられ、子供とともに一人暮らしの高齢者は注意するようテレビやラジオは伝えている。とは言っても、1週間に一度のジョギングは私の田舎暮らしのルーチンになっており、暑くなったからと言ってこの習慣を止めたくなかった。
しかし、熱中症は怖い。夕方6時頃まで待っていつものコースを走り始めた。急ぎ歩きの方が速い位ゆっくり走った。山の端に近づいているのに夕日の陽射しが熱く感じた。いつもすれ違う犬を連れて散歩する人達が殆どいなくなった。5km先にある肱川沿いの小学校のもう少し先の涼み小屋まで来るともう走れなかった。水を全身に被り小屋のへりに座り込んだ。
帰りは歩きと走りを繰り返しながらやっとこさ実家に戻った。もう薄暗くなっていた。直ぐにシャワーを浴びたが、その後何をやるのもかったるかった。しかし、誰もいない。自分で食事を作るしかない。冷凍してあるご飯、冷奴、サラダ、味噌汁、チキンソテーなどをノロノロと作って食べた。皿洗いは先送りした。何年か後の自分の姿をシミュレーションしているような気分だった。
深夜になっても気温が下がらず、今迄ずっと我慢していたエアコンをつけて寝た。28度に設定して11時過ぎに4時間タイマーセット、扇風機と併用して寝た。最近は寝つきを良くする為に寝酒を復活したが余り効き目が無かった。しかし、エアコンのお蔭で前日まで寝苦しかったのが嘘みたいによく眠れた。
だが今日はもっと暑かった。天気予報がいう午後の暑さを見越し、11時過ぎに食料の買い出しに出かけた。往復5-6kmの距離を歩いた。麦わら帽子にショートパンツという格好だが、暑さを我慢できず途中の理髪店に入って髪を短くして貰った。予定外の出費でその後スーパーのレジに並ぶと現金が足りなかった。レジのオバサンは「良くあることよ、大丈夫」といってレジを打直してくれた。実は何度も恥ずかしい経験をして、私は恥ずかしいとも何とも感じなくなった。
実家に戻ると直ぐにシャワーを浴び、下着を全て着替えた。買って来た惣菜で簡単に食事を済ませたが、その間にも汗が止まらず着替えた下着が濡れた。2階の書斎に上がると台所よりも熱気がこもっていた。扇風機に当たりながら買って来たハイサワーを飲んでテレビを見ながらベッドにひっくり返った。こんなだらしない過ごし方はしたくなかったが暑くてどうにもならない。
夕方洗濯物を取り入れていると、犬を散歩させてきた近所の知人が通り掛かり、今日は今年一番の暑さで37度あったといった。その後ニュースを見ると全国で最も暑かったのは39度、愛媛県内ではここ大洲市が36.7度だったそうだ。独居老人の夏は続く。■