オバマ大統領は米キニピアック大学世論調査研究所が実施した世論調査で、「戦後最悪の大統領」に選ばれたと2日前のワシントンポスト紙(WP)は報じた。各種世論調査で大統領の支持率が40%前後に低迷していたが、ついに戦後最悪になってしまった。私は「オバマ温泉」と酷いことを言ってきたが、私の印象と同様に米国世論でも最低の大統領になってしまった。
オバマの不人気はブッシュ前大統領を救った。ブッシュ大統領の決定で根拠が曖昧なまま米国をイラク戦争に導き多くの兵士の命が失われた、これまでブッシュが戦後最悪の大統領だったのは当然の結果だった。オバマはそれより酷い大統領になった。何がそんなにまずかったのか。そんな酷いミスはしてないはずなのだが。オバマケアや政府機関一部閉鎖、シリア・ウクライナ情勢等一連の危機対応で大統領としてのリーダーシップ欠如、資質の問題が理由なのか。
いずれにしろ世論では米国は16年間戦後最悪の大統領に率いられることになる。何と不幸な事か。オバマが大統領になって、雇用は失業率6.1%になりリーマンショック前まで回復し、株式はダウ平均17,000ドル台と史上最高値を更新した。だが、経済の回復はFRBの成果であって、オバマ大統領の成果とはみなされず戦後最悪になった。世論は厳しい。
ブッシュ以前は戦後最悪といえばニクソンだった。ウォーターゲートビルの盗聴事件をディープスロートから内部情報を得てWPのBウッドワード氏が核心に迫り、大統領の関与まで暴き辞任に追い込まれた。私は初めニクソンを最低と評価したが、権力にしがみつくニクソンに人間臭さを感じ親近感を持ち、それはそれとしニクソン時代の業績を正当に評価すべきと考えるようになった。今回彼が3位になったのは、人々の記憶が薄れてきた証左だと思った。そういうものだろう。
私はこの世論調査がどれほど信頼性があるのかネットで調べた。過去の調査の中には80%の米国人は日本への原爆投下が妥当だったと思っているという結果がある。だが、必ずしも調査結果に傾向(偏向)があるか分からない。他の独立世論調査研究所もオバマの支持率が低いという結果は共通している。私が見る限りこの結果に対して反論が聞かれない。
話題は脱線するが世論調査に関して、私は日本に第三者の信頼できる世論調査機関が是非とも必要だと思う。集団的自衛権の是非についてメディアによって異なる世論調査結果が報じられた。私はテレビや新聞が報じる世論調査結果に深い疑いを持つ。
自社の主張に都合のいい結果を誘導する設問で世論調査しているのは明らかだ。メディアは自ら報道の信頼性を傷つける世論調査を報じることにならないか、私は疑問を感じる。国論が割れるような問題については複数の信頼できる独立の世論調査機関が是非とも必要だ。■