かぶれの世界(新)

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プロの矜持

2014-03-18 19:03:34 | ニュース

 行方不明となっているマレーシア航空の北京行きフライト370の捜索が混沌としている。捜索のリーダーであるべきマレーシア政府が毎日のように情報を小出しにして説明を変える事態に、一部で非難が上がっていると報じられている。

 だが調査範囲がオーストラリアからカザフスタンまでに広がり、調査に必要なハイテック機器が無く米国などからの情報に頼らざる得ない状況には同情する。更にパイロットが反政府を主導する野党指導者の支持者という新たな政治背景が浮かび上がり、調査は迷走気味と感じる。

 ウクライナ情勢とマレーシア航空機の失踪はいま最も世界的を賑わせているニュースだが、日本メディアのカバレージは情けないほどに限られている。テレビが伝える内容といえばニュースソースはCNNやBBC、それを限られた日本人専門家の意見を聞く程度のことしかできない。しかもそれが驚くばかりにレベルが低いのだ。

 予防介護の教室に参加から戻り、テレビのチャネルを切り替えながら最新ニュースを探して昼食を食べていると捜索の最新状況を伝えるテレ朝に注目した。マレーシア政府の情報隠ぺいの疑いとパイロットの政治的背景を紹介した後、番組キャスターは元パイロットの専門家にどう思いますかと聞いた。そこで私のスイッチが入った、何て馬鹿な質問をするんだと。

 この専門家は「その類の政治的な情報も入っているが今は何も言える状況にない、言うべきではない」と答えた。私にはこのさえない風貌の老人が一気に輝いたように感じた。言外に「私は航空機関連の専門家であり、不確かな情報に基づいて専門外のコメントしてプロとしての信頼を失う積りはない、といっている様に感じた。聞くべき質問じゃないだろうと。私は「プロの矜持」を感じた。

キャスターはいつものように何気なく聞いたのだろう。最近のニュース(バラエティ)番組にはタレントを出演させ感想を言わせるのを見かける。アマチュアにもっともらしい意見を言わせる、それに何の意味があるのかわからない。もっと問題なのは、意見を聞くキャスターの方もジャーナリストとして訓練を受けたこともない芸人やタレントだ。つまり素人が素人に意見を聞いて報じている。

NHKやケーブルテレビが紹介するCNNやABC、BBCなどのニュース番組を見た人なら、そんなど素人がニュースを伝え、専門家の意見を聞くなんてまずないことに気が付くと思う。そんなことをしたら専門家は怒るだろうし、視聴者を馬鹿にすることになる。視聴者のレベルに合わせるという言い訳はテレビメディアの驕りだ。日本は世界トトップクラスの経済大国だがテレビは三流だ。国民を馬鹿にしている。■

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