かぶれの世界(新)

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都会のオーラ

2012-10-23 22:06:48 | 日記・エッセイ・コラム

2ヶ月ぶりに義弟が顔を出した。大阪で新しいプリメイン・アンプを2セット仕込んできて、書斎にセットしてくれた。今度は手ごろな国産の中級品と英国製の高級品で、8月に持ってきてくれたものよりグレードが高くなったような気がする。良いものを見つけてくれたと思った。

接続・音質・操作法を確認し、新しく持ってきてくれたCDの薀蓄を聞いた。その中でエドゥアルド・ファルーのフォルクローレ・ギターを先ず聞いた。エルコンドラパッソの最初の小節で即、琴線が鳴った。底の浅い私ならそうなるだろうと狙った通りの反応だというだという。言うことが憎らしい。

黙っていられない。40数年前渋谷の東急会館辺りにあったリトルプレイハウスで最初に聞いたのが荘村清のコンサート、やっぱ生は違ったと切り替えした(そういえば彼と結婚した妹と一緒だった)。白状すると、実は前列に座ったせいか指を滑らす音が気になって仕方がなかったのだが。

時計を見ると11時前。9時過ぎに家に来てから二人は色んな音楽を聴き、その間ノンストップで喋りっぱなしだった。午後から国土調査の立会いの予定が入っていたので早めに食事に出掛けた。狭い町だから出掛ける前に行き先を決めないと町を通り抜けてしまう。回転すし提案に即答で乗った。

国道沿いの店に入り案内してくれた店員が赤出汁を勧めてくれた。私はスシと一緒に頭から赤出汁を飲む習慣はないが、義弟の勧めでやってみることにした。悪くは無いが、お茶のほうがスシの味が変わらなくて美味しく頂ける気がする。同じチェーン店でも田舎の方が東京より美味しく感じる。港から店に出るまでの時間のせいだろう。今日は平凡だがハマチやアジが美味しかった。

お腹いっぱいになって合図すると、先ほど案内してくれた店員がお皿を数えにきた。気がつかなかったが彼女は小柄で可愛いではないか。しかも、お皿の数を少なく間違えた。楽しく会話する機会を与えてくれた、と思った。例によって軽口を叩いてからかいながら間違いを指摘した。

これで警戒を解いた彼女は大胆にも私に軽口を返し始めた。お客さんは都会の方ですか、顔をみりゃ分かるだろう、どう見たって田舎の爺さんだぜ、でも言葉が田舎とは違うし、言葉は違っても田舎者だよ・・・てな具合。ツンツルテンの作業着で見かけも冴えないはずなのだが。私は会話を繋ぐ為の減らず口連発。そこで彼女は今日一番の台詞を吐いた。お客さんには「都会のオーラが出てる!」

それを聞いて私は大笑いして礼を言って店を出た。無駄話に付き合えないと先に車に戻っていた義弟に早速報告した。聞いてくれ、僕には都会のオーラが出てるらしいぞ。嬉しそうな顔で言うと、義弟は予想通り大笑いして今度はそれをネタに私をからかい始めた。

お陰でその後行った山の上の喫茶店でコーヒーを飲んでる間も話題に困る事はなかった。今日は国調の立会いがあるので雑談はお開き。もう一度一人で回転すしを食べに行こう。■

コメント
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