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かぶれの世界(新)

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週刊朝日は朝日新聞の「飛ばし」

2012-10-20 16:55:29 | ニュース

週刊朝日の連載記事「ハシシタ 奴の本性」が、橋下大阪市長の抗議を受けて謝罪し連載中止をすると報じられた。私は佐野眞一氏の著作を何冊か読んだが、そこからは予想も出来ない内容のようだ。橋下氏は政策を批判されるならともかく、出身を理由に人格を否定がするがごとき報道を許せないと声を上げた。

私は記事を読んで無いが報じられた概要が本当なら抗議は当然だと思う。この記事に関らず週刊誌の中吊り広告の見出しを見るだけで内容の酷さを推測でき、電車の中で汚物を見るようで気分が悪くなる。電車や新聞に週刊誌の広告を載せる見識を疑いたくなることが何度もある。良くこんな内容が許されると思う記事を何度か見たが、橋下氏のように抗議の声を上げたのは珍しい。

今回の事件で私が注目したのは、橋下氏が週刊誌の親会社の朝日新聞に抗議し取材拒否をしたことだ。朝日新聞社は子会社であっても編集権は独立しているというのは無責任な言い逃れだ。この言訳は直接言うと非難されるのを避ける為、別会社を使って言わせているように聞える。

この手法はビジネスの世界で繰り返し行われてきた典型的で卑劣な手段だ。会社経営で損を隠して見掛けを良くし、株価を上げ融資を受ける手法だ。バブルが弾けた時、金融機関やゾンビ企業は不良資産を別会社に移して(飛ばして)決算書から損失を隠した。日本経済を麻痺させ最終的に税金で穴埋めをし、失われた10年の原因となった。日本だけじゃない。

焦げ付いた住宅ローンは証券化され特別目的会社(SPC)に移して簿外にした(飛ばした)が、次第に資金繰りに苦しみ耐え切れなくなった金融機関の巨額な不良資産が表に出て、リーマンショックが勃発した。この世界金融危機に例えていうと、朝日新聞は連載記事という不良資産を飛ばしたが経営責任を追及されたというわけだ。

新聞・テレビ等のメディアは、子会社が不祥事を起こすと親会社の責任を厳しく追及するのが常だ。私が思い出すのは、東芝機械事件だ。東芝の子会社が当時ココムで禁止されていた工作機械をソ連に売った事件で、50%出資の親会社東芝の会長社長が辞任した。東芝に関係する売り上げはたった10%だった。皮肉にもこの時のきっかけは朝日新聞のスクープからであった。

今回問題となった記事は差別など基本的人権に関る重要な問題を孕む。いわばジャーナリズムの基本に関る重大で深刻な問題である。だとすれば、このような問題を起こした経営者の責任は重く、社長の責任が問われてもおかしくない。週刊朝日は100%子会社というから、経営責任は免れない。

メディアは外に対しては責任を厳しく問うが、元来身内には甘い体質がある。いわゆる自浄能力がない。それで何かあれば政治責任を問うのだから、考えてみればチャンチャラおかしい。ジャーナリストとして身を立てたいなら、こういう時こそ体質改善に立ち上がるべきだ。朝日新聞の記者は編集権が別というなら、子会社を監督すべき朝日新聞の経営責任を徹底して追及すべきだ。■

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