かぶれの世界(新)

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07参院選の争点

2007-07-14 21:34:02 | 国際・政治

議院選挙の争点は何か、何を判断基準にして投票すべきだろうか。メディアは年金選挙だという。しかし、猫も杓子も年金、年金と連呼されると天邪鬼の虫がまたぞろ蠢き出した。最早年金問題をきちんと片付けるのは当たり前、自民・民社どっち共に最優先でやるだろう。

年金問題に限らず、繰り返し起こる談合や隠金などの不祥事を辿っていくと志の無い官僚の堕落がある。この国の政治は表面的な問題の対応に追われ、根本治療を避け問題先送りしてきた。官僚は省益と老後の生活を優先し、我が国の競争力を殺ぐ仕掛けを温存させた。

これはメディアに迎合するポピュリズム政治に誘導された結果でもある。官僚が操ったかどうか定かではないが、不思議なタイミングで新たな事実が注目を集め、改革が頓挫したことは何度もある。今回でも、安倍首相が任命した大臣・委員長の辞任の中には何故今かと思われるものもあった。

安倍政権は小泉改革の高い支持率の政権をそっくり継承したはずだったが、「骨太の方針」で数値目標の設定出来なかった例に限らず、殆ど全ての領域で官僚らに押し戻され、小泉改革以前の状況に逆戻りしている。改革続行内閣の看板は下ろしたも同然となった。

一方、地道に年金問題を掘り下げ問題提起した小沢民主党も、そのマニュフェストは前回より後退したと見られている。前回提起した消費税アップを撤回しての国民皆年金の提案は、財源が曖昧として非難されている。消費税隠しと自民を非難しても「目くそ鼻くそ」の印象は拭えない。

政治と金の問題は重要だが、赤城農相の事務所経費の議論は田中角栄が手にした何億円もの賄賂ではないし、官僚が天下りを維持する為の談合や公団で無駄使いした数百億円から数千億円ともまるで次元が違う。

問われるべきは「大きい政府」か「小さい政府」かの選択

日本が最優先で明確にすべきことは「税金をどれだけ集め、何に優先順位を与えて、如何に効率的に使うか」について問うことだ。その考える目的と基準は持続的な経済成長か、国の借金を次の世代にどう伝えるべきか、つまり「大きい政府」か「小さい政府」かの選択に帰着される。

これを明確にしない限り結局は官僚に合成の誤謬を続けさせ、世界から取り残させることになる。報道によれば、今回各党のマニュフェストを検証した結果、どの党も優先順位が不明確、総花的で具体性にかけ一昔前に後退したようだという。

今回も田舎で参院選の反応を探ってみたが、郵政選挙とは違う反応が返ってきた。安倍首相の評判がよくない、選挙の為に色々主張しているが本当のところ何をしたいのか良く分からないという。一方、民主党に対しても同じく分からないという。小泉氏のシンプルなメッセージが出てこない。

私は諸悪の根源になっていた官僚システムを、どちらの党が変えられるかという観点に立って考え投票することを勧めたい。小泉改革は突然変異であり、今後政権交代しか官僚制度を根本治療出来そうも無いなら、今回民主党が良くないという積極的な理由は無い。

今や行き場を失ったと言われている小泉改革に期待した票は、上記の視点から投票するかもしくは棄権するのではないかと私は思う。多分それは年齢別投票率である程度分かるだろう。従来過激な改革支持が主流だったネチズンは、今回安倍支持ではないという調査をどう読むべきか。

即ち、安倍氏は改革の旗手としての評価を最早失ったのだろうか。更に今回、地方選での選挙疲れで投票率が下がると見られている。ネチズンの絶対数は着実に増えているが、今回選挙結果にどう影響を与えるか私は注目している。■

コメント
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