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さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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村杉岳 (2008.5.3.~5.)

2008年05月12日 | 登山
村杉岳は、田子倉ダムに半島のように突き出た「村杉半島」と呼ばれる山塊の最高峰です。奥只見ダムから大鳥ダムへ通じる電源開発道路が、西山麓を通じていますが、雪の季節には、雪崩と急斜面のトラバースの危険性があるため、容易に人を寄せ付けません。

地形図より読み取った安全なルートとして、只見丸山スキー場から上大鳥橋へ下降するオリジナルコースの可能性を話し合っていたのですが、この五月連休にようやくチャレンジすることになりました。

三日目には、日向倉山経由で銀山平に抜ける予定で、石抱橋の駐車場に車をデポして只見丸山スキー場に向かいました。

只見丸山スキー場に到着して驚かされたことは、スキーヤーで満員で、駐車はダム下の駐車場になってしまいました。幸い、無料のシャトルバスが運行されていましたので、助かりました。



ゲレンデ登りの途中、村杉岳方面の谷間をうかがうと、雪融けがすっかり進んでいました。電源開発道路もそう問題なく歩けそうにも見え、また、山裾の雪はなくなっており、ヤブコギもかなり大変そうに思えました。計画を見直すことにして、一日目は1125mピークまでとしてテントを張り、二日目は軽装で村杉岳を往復することにしました。



ゲレンデから分かれて、ひと登りで1125mピークに到着です。



幅広尾根にテントを設営。ゲレンデからも遠くない距離ですが、この方面に足を踏み入れる者はいません。



落ち着いたところで、周囲を偵察。西の谷向かいには、未丈ヶ岳を眺めることができました。



残雪の世界ですが、タムシバの花が咲いておりました。



雪融けで現れた薮の中には、イワウチワの花。



翌朝は、4時半発。1070.9mピークより、村杉岳の偵察。ここから車道までは、標高差500m程の下りになります。



雪原を一気に駆け下りましたが、最後の標高差100m程は、完全なヤブコギになりました。また、最後は切り通しで、木の枝を掴んでなんとか降りました。ここまでは、1時間で到着。

ここを重荷を背負って登り返すのは、無理そうで、軽装でのアタックは正解のように思えました。



青く塗られた鉄橋の上大鳥橋のたもとで、釣りグループと出会いました。車道の様子を聞くと、切り落ちているところはあるものの、ステップが切られており、そう難しくはなかったとのことです。



小さな沢で水を汲み、朝食をとりました。白滝沢の右岸尾根に取り付きましたが、段丘から尾根に取り付くと、本格的なヤブコギになりました。なんとか雪原に出ると、ブナの原生林が広がっていました。



1395mピークから南に落ちる枝尾根に出ると、その先は気持ちの良い幅広尾根が通続していました。



振り返ると、奥只見ダムの向こうに、燧ヶ岳や平ヶ岳といった尾瀬の山の眺めが広がっていました。



1395mピークへの登り。ここまでくれば、村杉岳の登頂もほぼ確実なものになりました。



振り返ると、只見丸山スキー場越しに平ヶ岳。その左に、至仏山が山頂をのぞかせていました。



日向倉山越しに見る荒沢岳。



越後駒ヶ岳と中の岳。



懐かしき秘峰会津丸山岳。



青く水を湛えた奥只見ダム。



毛猛岳もすぐ近くに。昨年の苦闘が思い出されました。



1395mピークの下り口に立つと、村杉岳の山頂がようやく目には入ってきました。最後は、それなりの急斜面のようですが、雪もほどほどに柔らかく、キックステップで問題なく登れそうです。



村杉岳の山頂は台地状で、現れた薮の中に三角点を見つけることができ、群大ワンゲルのものと思われる金属プレートも置かれていました。



周囲は、360度の展望が広がっていました。1395mピークとは少し違ってきていますので、ひと通りを出すことにします。

未丈ヶ岳越しに見る越後駒ヶ岳(右)と中ノ岳(左)。



日向倉山越しに見る荒沢岳。



1395mピークを振り返る。



谷間にはブナの原生林が広がっていました。



会津丸山岳(左)と梵天岳(右)



北には、大倉猿倉山。その左には、鬼ヶ面山と浅草岳。



雪が落ちて黒々とした岩壁を見せる大倉猿倉山。



鬼ヶ面山と浅草岳。



会津朝日岳。



燧ヶ岳



平ヶ岳



会津駒ヶ岳(右)から坪入山(左)にかけての稜線。

帰りの時間も気にかかるため、去りがたい山頂を後にしました。

一期一会の山で、このような展望が得られたのは、幸運以外のなにものでもありません。



途中のブナ林は、新緑に輝いていました。



下りの足を止めて、しばし散策。



上大鳥橋からの登り返しは、体力の限界まで追い込まれました。結局、村杉岳往復には、12時間かかりました。

翌朝、東の稜線は、真っ赤な朝焼けに染まり、天気の崩れが予感されました。日向倉山に向かって歩き出したところ、スキー場のパトロールと出会い、昼過ぎから雨という天気予報を聞き、縦走は諦めて一旦山を下ることにしました。

ヤブコギも待ち構えているようで、体力の限界も感じていたため、中止のきっかけを待ち構えていたところもあります。

今回の村杉岳へのコースは、雪の状態によっては、安全のために選択するべき候補の一つですので、村杉岳を目指す人は参考まで。
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