さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 ムツヘタ その3

2016年08月22日 | 海外旅行
スヴェティ・ツホヴェリ大聖堂の中に入りましょう。

入口の上に飾られた聖母子像。



入口の上に置かれた木のレリーフですが、左は聖ニノの奇跡の「生きている柱」を現しています。



スヴェティ・ツホヴェリ大聖堂は、高い天井を持ち、正面に大きなキリスト像が飾られていました。



キリスト像のアップ。



堂内に置かれた小塔の下には、キリストの上着の一部が埋められているという言い伝えがあります。



スヴェティ・ツホヴェリ大聖堂の名は、「命を与える柱」という意味ですが、その言い伝えを、堂内にあったイコンによって説明していきましょう。

これは、聖ニノのイコン。絵の正面に灯明が吊るされていて邪魔になるので、脇から撮影しています。

ジュヴァリ聖堂の項で述べましたが、聖ニノは、トルコ・カッパドキアの女性で、4世紀初頭にイベリア(現在のグルジア)にやってきて、キリスト教の伝道を行いました。



これと同じ構図の絵は、ジュヴァリ聖堂にもありましたが、スヴェティ・ツホヴェリ大聖堂の名にまつわる言い伝えを現しています。



その拡大です。

キリストが磔になった時、エルサレムに居合わせたエリアスという男がそれを持ち帰り、妹のスィドニアに渡すと、彼女は喜びのあまりそれを握りしめたまま死んでしまった。

下に横たわっているのがスィドニアでしょう。

上着と一緒に埋められた彼女の墓に杉の木が育った。聖ニノがこの地に教会を立てるために木は切られたが、そのまま宙に浮きあがり、聖ニノの祈りによってやっと地に下りたという。この時、病を癒す樹液が柱から流れ出たことからスヴェティ・ツホヴェリ(命を与える柱)という教会の名前が付けられた。

切株の上で柱が宙に浮いており、天使が支えています。右手にいるのが聖ニノ。両脇で祈っているのは、キリスト教を国教と定めたイベリア王ミリアン3世と王妃ナナでしょうか。



小塔の周りにもイコンが飾られていました。



小塔を振り返ったところ。



聖堂の正面には、正教会であることからイコノスタシスが設けられています。



イコノスタシスの上にはシャンデリアが吊るされ、キリスト像が見下ろしています。



イコノスタシスの中央左手には、聖母子像。



中央右手にはキリスト像が飾られていますが、これは決まった配置です。



中央のドア上部の絵は、キリストと十二使徒の絵のようです。全員が、聖者を現す光輪を付けているので、ユダの代わりにパウロが入っているのでしょう。キリストの左右にいるのが、ペテロとハウロなのでしょうね。



イコノスタシスの前周辺の床には、歴代の王の墓が埋められています。



人の墓を踏んで良いのかと、日本人は躊躇してしまいます。キリスト教の教会では普通のことですが。



壁にも多くのフレスコ画が描かれています。損傷が進んでいるのが残念です。



王と王妃の絵。





聖堂の中に、小さなお堂が設けられていました。



スヴェティ・ツホヴェリ大聖堂の見学を終えたところで自由時間となり、お土産屋をのぞくことになりました。

ムツエタは、かつての王国の首都であったということですが、現在は大聖堂の門前町として、参拝者と観光客に対する商売で生活しているようです。



チュルチヘラというお菓子。

糸で一列につないだナッツ類を小麦粉を入れて煮た葡萄などの果汁に浸し、天日で乾燥させて作られます。

日本まで持ち帰って食べましたが、それほど美味しいとは思えませんでした。現地で立ち食いするものですね。



牛の角で造ったワイングラス。北欧神話で良く出てくる気がします。



写真を撮り忘れましたが、ここでの土産として、グルジア・ワインを買いました。

今回の全行程中、ここが一番観光客向けの土産物屋が充実していました。
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