初夏に湿原を彩るリンドウである。群落となって花を開いているが、小さいため、あまり目立たない。せいぜい、緑の草の中に、白っぽい花があるなといった感じであろうか。
1999年6月12日に尾瀬沼から黒岩岳を経て孫兵衛山への縦走を行った時、歩き始めの大江湿原でこの花が一面い咲いていたことを覚えている。大勢のハイカーがいたが、この花に注目していた者は、ほとんどいなかったようである。というのは、花が小さいた . . . 本文を読む
サワランは、湿原に咲く、ラン科の花である。濃いピンク色をしている。
トキソウと同じようなところに咲いているが、花の色で容易に区別できる。
湿原の楽しみは、そこに咲く花である。花がなければ、じめじめした、ただの原っぱといってもよい。
しかし、湿原の花の撮影には、もどかしい思いをすることも多い。小さな花が多いことから、木道の上からでは、花に接近できないことも多い。 . . . 本文を読む
トキソウは、湿原で、薄ピンク色の花を咲かせるランの一種である。トキの色から名前が付けられている。
この花は、色々な湿原で、一輪か二輪咲いているのを見ることができた。しかし、守門岳の背後を通る八十里越えの中間地点である田代平では、群落となって咲くのに出会うことができた。2003年7月13日のことだったので、その時期に、この花を目当てに再度訪れてみたいとも思う。
ほとんど知られていない湿原であるが . . . 本文を読む
春に咲く竜胆なので、ハルリンドウ。名前のいわれは判りやすい。
五月の連休明け、苗場山の山懐にいだかれた赤湯に、温泉ハイクに出かけた。一週前に、三国スキー場から白砂山、佐武流山への残雪(ヤブコギの方が多かった)縦走で、赤湯へ下山したが、雨が降る中、林道歩きの先も長いことから温泉は断念するしかなかった。そのリベンジとして、再び赤湯へ向かったものである。
温泉ハイクといっても、高低差もあり、汗を流さ . . . 本文を読む
シラネアオイは、初夏の頃、大型の淡紅色の花を付ける高山植物である。沢筋の斜面や草原状の稜線で良く見かける。
花の名前は、日光白根山に多いことに由来しているが、本家のシラネアオイは、シカに食べられて、壊滅状態とのこと。
花の色は、紫の濃いものから、薄いピンクまで変化に富むが、白花となるとまれである。
ある年、飯豊の杁差岳に花を見に登った。大石山の稜線近くで、白花のシラネアオイを見つけ、大喜びで . . . 本文を読む
サイゴクミツバツツジは、新潟では、5月の連休頃から咲くようである。
残雪に、木々の緑と赤紫の花が美しい配色を示す。
関東方面の袈裟丸山や西上州あたりでは、アカヤシオなどのツツジ見物が目当てで、登山者が多く入山するようである。しかし、新潟では、ツツジが目当てとはあまり聞かない。ミツバツツジは、どこにでもあるが、大群落は作らないためなのかもしれない。あるいは、山の残雪期とも重なっているため、登山道の . . . 本文を読む
これがヒトリシズカ。フタリシズカと同じく、初夏に薄暗い林床に咲く花である。
一本立った茎の周りに、糸状の白い花を付ける。名前ほど、フタリシズカとは似ていない。花の名前は、静御前の枚姿から取られている。ヒトリシズカはソロの踊りで、フタリシズカなら、パ・ド・ドュってことになるのかな。 . . . 本文を読む
フタリシズカは、初夏の頃、林床に群落を作る花である。二本の柄の先に白い米粒のような小さな花を連続的に付ける。
この名前は、静御前とその亡霊がからみあって舞う姿にたとえたものという。群落を撮った写真をよく見ると、一本だけの花もかなり多い。といっても、ヒトリシズカという花もあるが、この両者は、似ていない。 . . . 本文を読む
白いミズバショウが黒くなったのが、ザゼンソウ。そう単純なものではないが。達磨太子が座禅をしている姿から名前が取られている。
悪臭を放つというが、あいにくと、近寄りがたい湿原の中に生えているのに出会うばかりで、鼻を近づけることができないでいる。
この写真では、湿原でミズバショウとザゼンソウが並んでいるが、ザゼンソウは乾燥した所にも生育する。関東方面には、いくつかの知られたザゼンソウの群落地がある . . . 本文を読む
チゴユリは、カタクリも終わって、木々の緑が濃くなる頃、新潟周辺の山で、林床を埋めるように咲く花である。花のひとつずつは小さく、下を向いているため、写真を撮るのも苦労する。
漢字では、「稚児百合」と書き、小さな百合ということである。
(では、良い週末を) . . . 本文を読む
ハクサンイチゲは、チングルマと並んで、高山帯で大群落を作る花である。
これは、飯豊の大石山近くの稜線で撮影したものである。残雪とハクサンイチゲに彩られたこの風景は、飯豊を紹介する写真として、雑誌にもしばしば取り上げられている。
撮影日は、2004年6月5日であるが、この一週間後に訪れた仲間の話では、お花畑は終わっていたという。花をねらうには、6月初旬から中旬の頃であるが、雪解けとの関係で、いつ . . . 本文を読む
新潟では、雪割草が、今を盛りと咲いており、雪割草見物に県外からも多くの登山者が訪れています。
雪割草は、一部では超人気の花ではありますが、一般的な知名度は高いとはいえず、またその種類などについては、あまり知られていいようです。
そこで、この雪割草について参考になるのが、NHK趣味の園芸「よくわかる栽培12か月 雪割草」の本です。950円の本なので、見かけたら買うのもよいでしょうし、図書館にシリーズ . . . 本文を読む
夏もちかづいた6月頃、白い十文字の花を咲かせるみずき科の落葉樹である。
結構高い木で、花は上を向いている。山を下っていく時に木全体が白い花に覆われているのを見かけ、カメラ片手に近寄っていくと、花は図上に遠ざかって残念ということも多い。
インターネットで検索をすると、花の名前よりも、喫茶店やペンション、介護施設などの名前の方が多くヒットする。やまぼうしの花自体は、それほど有名ではないと思うのだが . . . 本文を読む
シダに似た葉を持ち、米粒のような白い花を付ける花である。オオシラビソのような針葉樹林帯の林床に群生する。
一般に見かける花ではないが、会津の田代・帝釈山一帯には、群生地が広がっている。6月下旬には、薄暗い林床を白い花が埋め尽くして壮観である。檜枝岐から馬坂峠へ林道が延び、帝釈山や台倉高山にも短時間で登ることができるようになった。オサバグサの花の時期に合わせて登るのも良いが、登山道を残雪が隠してい . . . 本文を読む
シュンランは、カタクリの季節に咲く山野草である。名前からして、春を連想させる。園芸種としても人気が高いようである。
山で出会うシュンランは、うまく花が開いた姿を撮るのが難しい。
問題は、山菜として食用でもあることである。おひたしや、酢漬けにして日本料理の付け合わせにするという。花を見て喜んでいると、全部つんでいってしまったという話も聞いたことがある。山菜採りもほどほどにして欲しい。
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