イイデリンドウは、ミヤマリンドウの変種であり、飯豊の固有種である。
ミヤマリンドウとの違いは、副弁がなく、5枚の花びらを持つことである。
飯豊では、イイデリンドウとミヤマリンドウの両者が咲いているため、登山者がイイデリンドウだと騒いでいる花を脇から見ると、ミヤマリンドウであるということも多い。
イイデリンドウは、飯豊本山から大日岳、あるいは頼母木山あたりの限られた地域でしか見られないため、この . . . 本文を読む
ミヤマリンドウは、高山の草地に、鮮やかなブルーの花を付けるリンドウの一種である。
花冠は5つに裂け、各裂片の間に小さな副裂片が1つずつつく。
この花は、太陽の光に敏感で、雨降りは論外で、曇り空でもなかなか花を開いてくれない。また、夕暮れ時には、これで店じまいというかのように、早々と花を閉じてしまう。
ミヤマリンドウは、夏の太陽のもとで見る花である。 . . . 本文を読む
エゾノリュウキンカは、本州で見られるリュウキンカの北海道飯であり、同じように水の流れの辺に、黄色い花を群落となって付ける。
エゾノリュウキンカは、花はおおぶりで、葉もみずみずしく大きい。食用で、おひたしなどにするという。この花は、大節山で見たもので、もちろん採って食べることはできない。万が一、遭難時した時のために、エゾノリュウキンカを食べることができるということを覚えとくと良いかな。 . . . 本文を読む
雪解け水の流れる沢の辺や湿原に、黄色い花を群落となって咲かせるキンポウゲ科の花である。
カタカナの名前は、呪文のように思えるが、「立金花」と書けば、立った茎の先に黄金色の花を付ける植物ということで、なんとなく納得がいく。
湿原などで見かけることも多いが、春の尾瀬ヶ原では、ミズバショウと並ぶ主役の花になっている。 . . . 本文を読む
コイワカガミは、糸のように先が裂けた房状の形や、印象的なピンクの色から、人気の高い高山植物である。
日本海側の山地に多いオオイワカガミに比べれば、その小ささは一目瞭然である。オオイワカガミは、花も大味といった感じであまり好きでもないが、コイワカガミを見ると、夏山に登ってきたのだなという気分が高揚する。 . . . 本文を読む
「銀竜草」と書く、全体が透明から白色をした植物である。幽霊が立っているような姿のため、ユウレイタケとも呼ばれる。落ち葉の上に生えて養分を吸い取る腐生植物である。
初夏に咲く花であり、飯豊あたりの登山道で出会うことになる。日差しを避けて、木立ちの下に潜り込んで休んでいると、ギンリョウソウが、物言わず佇んでいる。ちょっと不気味な感じもする。 . . . 本文を読む
「金光花」と書かれることもある、黄色の花を付けるユリ科の花である。
湿原や湿った草地で群落をつくり、高層湿原で群落となって見かける花である。この花を最初に見たのは、やはり遠い昔の尾瀬であろうか。 . . . 本文を読む
イワイチョウは、名前によって連想される岩場の花ではなく。湿原に咲く花で、イチョウに似た葉を一面に広げる。
柄の上に白い花を数個咲かせる。花の縁は、ギザギザに縮れている。花よりも葉の方が印象的である。 . . . 本文を読む
高山帯に黄色い花を咲かせる、キク科の植物である。
花の名前は、茎の根元に生える二本の葉を兎の耳になぞらえてのことのようである。兎の好物だからというわけではないようである。大型の花は、回りを見る余裕がないときでも目立って目に飛び込んでくる。 . . . 本文を読む
ニッコウキスゲは、盛夏に草原で大群落を作る花である。数本でも良いというなら、夏山では、必ず見かける花である。
ニッコウキスゲの思い出は、やはり尾瀬と結びついている。尾瀬ヶ原を埋めるニッコウキスゲも見事であるが、尾瀬沼の辺の大江湿原の群落が、記憶に強く残っている。私が小学生の頃、今から40年近くの昔のことである。尾瀬沼には、連絡船が運航しており、手こぎの貸しボートもあった。まだ、沼山峠ルートは、道 . . . 本文を読む
シャガの小型のものがヒメシャガで、白っぽく見えるシャガに対し、全体が紫がかった色の花を広げる。
二つを見比べれば、違いは明かであるが、山中で見かけると、はてなんだろうということになる。 . . . 本文を読む
ミヤマクロユリは、高山に咲く黒いユリである。
伝説の多い花である。クロユリを誰にも知られずに好きな人の近くにそっと置いておき、送り主が誰かわからないままに相手がその花を手にすると、二人はかならず結ばれる、という。
一方、厳冬の立山のザラ峠越えで有名な戦国大名、佐々成政が愛した側室・早百合は、いわれのない姦通罪で成政に殺された。そのとき早百合は「立山に黒百合咲かば、佐々の家は滅しよう」と言い残し . . . 本文を読む
高山帯のやや湿った草地で、お花畑を作る花である。ピンク色の花は、良く引き立って美しい。
名前は、加賀の白山に由来するフウロということである。
いろいろの種類のフウロがあるようだが、白山で撮影したものなので、ハクサンフウロで間違ってはおるまい。
美しい花なんだけど、茎が細くて風にゆれやすく、失敗写真の方が多いですね。 . . . 本文を読む
コマクサは、高山植物の女王とも呼ばれる人気の高い花である。
名前の由来は、花の形が馬面に似ていることによるという。そういわれると、ちょっと興ざめである。
この花が、一種のあこがれとなっているのは、樹林限界を超えた砂礫地帯に咲き、北アルプスのような高山に登らないと見られないため、山と花の憧れが一体になっているためと思われる。
コマクサの群生地は、結構多いが、登山者の多いところ、たとえば、白馬岳の . . . 本文を読む