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MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

火星を見つめ直す

2011-08-09 17:39:00 | 科学

日本でも報道されていた
『火星に水の可能性』のニュース。
日本のメディアからは
詳細を知ることができなかったので
Washington Post 紙からの記事を紹介する。

8月5日付 Washington Post 電子版

Water on Mars? Scientists find strongest evidence yet in reappearing streaks 火星に水?科学者らは出没する筋(すじ)に最強の証拠を発見

Wateronmars_3

火星表面に認められる暗色で指状の筋が季節の寒暖とともに出たり消えたりする。それは恐らく塩水の存在する証拠と考えられている。

By Marc Kaufman,
 数十年間、宇宙科学者らは、生命体に必須と一般に考えられている液体、すなわち水が存在する形跡を火星で探してきた。
 火星の南半球のあちこちに、これまで発見されていなかった暗色の筋が季節ごとに出たり消えたりするいくつもの傾斜地が発見されたことを木曜日に科学者たちは発表した。そこではこの惑星の温度が上がるとき、この筋が現れ低い方に広がってゆく。気温が下がるとこの筋は消失する。

Wateronmars2

季節性に認められる火星上の暗色の小さな筋は、火星の夏の間、傾斜地を流れ落ちる解けた塩水かもしれないと科学者らは言う。Newton クレーターからの5枚の連続した画像と Horowitz クレーターからの1枚の画像には、黒い線が斜面の頂点付近に現れ、それから多数の筋状の影に伸びてゆく状況が示され、それらは寒い気候が戻ってきて消滅するまで数ヶ月間持続する。これらの画像は火星を撮影するために周回している NASA の Mars Reconnaissance Orbiter(マース・リコネサンス・オービター)に搭載された HiRISE カメラによって5年以上にわたって撮影されたものだ。

 それらについて行われてきた最適な説明は、それらの暗色の指状の筋は火星表面上、あるいはそのすぐ下を流れる一種の塩水であるというものだ。特定の地域、すなわち Newton クレーターでは、斜面を流れ盆地に流れ込んでいる流水と考えられる箇所は1,000を数える。
 もしこの事実が確かめられたなら、火星の理解を根本的に変え、この惑星がかつて、今よりはるかに湿潤で、温暖だったという広く信じられている学説を強く支持することになる発見である。そして、水の発見によって地球以外の生命体の発見の可能性にも格好のターゲットが与えられることになると科学者らは言う。
 「私たちには、今見ているものを水の存在なしに説明するよい手立てはないのです」と、University of Arizona の Lunar and Planetary Laboratory の Alfred Mc-Ewan 氏は言う。McEwan 氏はこの発見について Science 誌に発表した論文の筆頭著者である。
 「そしてもしそれが塩水であることが確認されれば、火星上に現存する生命体を見つけようとするために向かうべき方向について最善策を手にしたことになります。
 問題の暗色の筋は最初、Mars Reconnaissance Orbiter(MRO)から送り返された画像の中で学生によって発見された。ピクセルで構成された画像は2007年まで遡って撮られたものだが、宇宙ミッションから入ってくるデータが大変多いことからそれらは調査されずにいた。McEwan 氏は、地球物理学3年生の Lujendra Ojha さんに筋の位置について入念に調べるよう指導したところ Ojha さんはこの筋が季節によって劇的に変化することを発見したのである。
 「これらの画像それ自体は特別際だったものではありません」と、McEwan 氏は言う。「しかしそれらをまとめ合わせ、時間ごとに起こっていることを見ると、何か重要なことが起こっていることを明確に確認できるのです」
 そうこうするうちに、研究者チームはこれらの変化が温度の上昇や減少と関連して生じていることを発見した。彼らはその他にも類似した反復箇所を見つけるために MRO の画像を調べ、これまでのところ確認できた7ヶ所と、さらに可能性のある32ヶ所を見つけ出した。それらすべての場所で流れは岩などの障害物を乗り越えるのではなく迂回しているように見え、しばしばそれらは平地にたどりつくまでに消滅していた。一般にそれらは2フィート(61cm)から15フィート(4.6m)の幅で、火星の夏に生じている。ちなみに火星の夏の温度は華氏-10℃から80℃である(摂氏で-23℃~27℃)。
 木曜日の NASA の記者会見で、McEwan 氏や MRO、火星科学および宇宙生物学の関係者らは今回の発見を大きな転機となる可能性があるとして称賛した。Arizona State University の地球物理学者 Philip R Christensen 氏は、火星表面に水が存在する可能性の最高の証拠になるものであると述べた。Indiana University の生物地球科学者・宇宙生物学者 Lisa Pratt 氏もまた、現在火星の生命体があるとすれば最も有望な生息環境を示すものであるとし、その状況は生命体の存在するシベリアの永久凍土層に類似している可能性があると考えている。しかし、これらの発言者はすべて、今回の発見は現時点では状況的なものであって証明されたものではないとしている。
 火星上に水が存在する可能性のある形跡はこれまでに報告されているが、後になってその信用性は失われている。例えば2006年、いくつかのクレーターの峡谷に見られる重大な変化と見られるものが科学者らによって報告され、起こっていることの説明として、おそらく『鉄砲水』の形で地下から噴き出てくる水ではないかと考えられた。
 その後の研究でその説明に重大な疑問が投げかけられたのだが、その理由は、特に、温度があまりにも低く水が液体で存在できない火星の冬の間にそれが起こっていたと考えられたためである。現在の見解は、凍った二酸化炭素があふれているものだったのではないかということになっている。
 それにもかかわらず、火星上には様々な形で水が存在している、あるいは存在していたという考えが広く受け入れられている。2008年、NASA の Phoenix 着陸機は火星表面の直下に凍った水を発見しているし、着陸後に同機の脚上に液体の水滴が撮影されていたと主張するものもいる。その他にも、火星上の多くの乾いた峡谷や三角州は、かつて水が火星表面を流れていたことを多くの宇宙科学者に確信させてきた。
 件の筋の性状がいまだ確認されていないことから、この研究者らはそれらを水流と呼ばず、むしろ『繰り返し発生する傾斜線』などと呼んでいる。彼らはそれらの筋が落石であるとか、強風やその他の火星大気の力による結果であるなど他の説明も挙げているが、なんらかの形で水が関与している可能性が最も高いと結論づけた。
 この軌道船にあるスペクトロメータが収集した分子データには水の存在が示されなかったという事実を反映した警告も存在する。McEwan 氏は、この流れが非常に小さいのでスペクトロメータが捕捉できなかった可能性があると指摘し、将来の機器ならそれが水であるかどうかを決定できることを確信していると述べた。
 もしこの筋が水を含有しているとしたら、それらは塩分で強く飽和しているに違いない。塩分は水が凍る温度を下げるからである。Phoenix のミッションでは火星上に強い過塩素酸塩複合体が発見されている。この塩は特別に水の凝固点を下げる強い効果を有している。火星の氷を時々融解させるのに必要な塩分濃度は地球の海洋における塩分とほぼ同じであると、この論文は報告している。
 火星における次のミッションが Curiosity と呼ばれる探査車を配し一年後に着陸が予定されている Gale クレーターへの到達であることを先月 NASA が発表した。McEwan 氏によると、彼のチームはその地点には水流の可能性がある場所を発見していないと言う。

火星にかつて水があったというのは
これまでも容認されていた事実のようだが、
液体の形で水が火星上に
現存している可能性があるとすれば
それは画期的な発見ということらしい。
しかしたとえ水が存在したとしても
大気圧は地球の1%以下、
二酸化炭素が大気の95%、
酸素は0.13%。
平均気温も摂氏マイナス43℃という世界。
とてもまともな生物は存在していそうにない。
それでも水があるということは
将来的に環境を変えることが
可能となるのだろうか?
移住先(旅行先)としては
強くご遠慮申し上げたい場所のように
思うのである。

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前例のない治療

2011-08-02 18:11:59 | 健康・病気

遅くなりましたが
メディカル・ミステリーのコーナーです。

7月26日付 Washington Post 電子版

Risky Business 危険な賭け

Riskybusiness

ニューヨーク州 Clyde の自宅にて Jamie Arliss さん。Arliss さんは少しずつ良くなり仕事に復帰している。「まだ非常に疲れてしまう日があります。こんな状態は是非とも終わってほしいものです」と、彼女は言う。
   
By Sandra G. Boodman,
 そのインターベンション心臓専門医は目にしていることが半ば信じられず、愕然として見守っていたが、すぐにそれが意味していることを理解した。
 Christopher Cove 氏は32才の看護師の心臓内に存在する大きな腫瘤への血流を遮断しようとする手技を終えたところだった。彼がコイル塞栓術を終えた数秒後、この腫瘤は、映画 “エイリアン” に出てくるモンスターのように新しい血管を構築していて、腫瘤を兵糧攻めにしようとした Cove 氏の努力は水の泡と化した。
「私は大変落胆しました」ニューヨークにある University of Rochester Medical Center の心臓カテーテル研究部門の副部長である Cove 氏は思い起こす。「それが有効となることを100%確信していたわけではありませんが、そんな事態になるとは予期していませんでした」Cove 氏は次のように患者 Jamie Arliss さんに話したことを覚えている。「『もしそれが失敗したら、何か別の方法を試しましょう』もちろんその時、私にはそれが何かわかっていませんでした」
 2年間、Arliss さんをどのように治療するか専門家チームは早急に見出そうとしていた。Arliss さんのようなケースはこれまで彼らが見たどんなケースとも異なっていたのである。最初の挑戦は彼女の腫瘤の種類を明らかにすることだったが、これには数ヶ月を要した。二つ目は増大してゴルフボールのサイズとなっていた腫瘤に対して何を行うべきかということだった。その腫瘤を取り除こうとすると彼女が死亡する恐れがあると医師たちは考えた。
 これまでの症例は参考にならなかった:Arliss の腫瘤はきわめて稀であり、医学文献ではわずかの例しか報告がなく、そのほとんどが剖検例だった。有効と思われる唯一の治療、すなわち心臓移植は何とか避けたいと彼女は思っていた。さらに、提供心臓が間に合う保証はなかった。
 失敗に終わった昨年10月の塞栓術から数週間後、Cove 氏は一人の神経外科医と思いがけなく出会い、ニューヨークの専門家によるとこれまでに報告されたことのない、危険を伴う最終手段を講じることになった。
 「リスクについて説明するいかなる手を尽くしても提示しきれないほどでした」Cove 氏は、彼と Babak Jahromi 氏が12月に行った手術についてそう述べる。「しかし Jamie さんはそれを行うことを希望しました」残された時間は確かに少なかったのである。

Cardiac cancer?  心臓腫瘍?

 20才代半ばから4、5年間 Arliss さんはわけもなく疲れを感じていたことを思い出す。彼女によると、医師は明らかな異常を見つけることなく、不安症であるとして軽視されていたという。准看護師として多くの超過勤務をし、夫と幼い娘の世話をしていた結果だと Arliss さんは考えていた。
 2008年の夏、公認看護師の資格を取るために学校に戻ってまもなく、Arliss さんは、Rochester 地区のナーシングホームの職場を離れ、ある医師のクリニックの職場に移った。オリエンテーションの一環として従業員が彼女に、心臓の電気的活動を記録する心電図の機械の使い方を示し、彼らはお互いで記録をとる練習をした。
 「私の心電図が最も異常だったのです」Arliss さんは思い起こす。彼女は勤務先の医師に記録を見せたところ、その医師は恐らく電極の貼り間違いによる結果だろうと考えた。しかし心配症を自認する Arliss さんはかかりつけ医を受診し、もう一度心電図を行った。そこでも同じような異常が認められたため、彼女は超音波を用いて心臓を調べる心エコー検査に回された。この検査で巨大な腫瘤が発見され、きわめてまれだが心臓の腫瘍、あるいは身体の別の場所の悪性腫瘍からの転移が考えられると告げられた。
 Arliss さんは “ビビってしまった” ことを覚えており、こう言い足した。「彼らの言う通りにするしかないという感じでした」全身CTと骨の検査で問題なかったため、がんの可能性は低いと考えられると医師らは Arliss さんに告げたが依然として彼女の腫瘤がどんな種類のものかはわからなかった。2009年2月、University of Rochester’s Strong Memorial Hospital での精密検査で腫瘤が血管を多く含む血管性のようであり、3.5×3.1cmの大きさ、つまり1インチの高さと1インチの幅を持っていることが明らかになった。割と簡単に切除できるよく見られる心臓腫瘍であることを心臓外科医は期待していた。
 一ヶ月後に行われた生検で驚くべき結果が明らかになった。この腫瘤はありふれたものとはかけ離れたもので、その大きさや場所から手術は不可能だった。Arliss さんは動静脈奇形(afteriovenous malformation, AVM)で、血管の異常な絡み合いによって生じたものだった。この腫瘤は心臓の豊富な血液供給によって増大していたのである。ほとんどのAVMは脳あるいは肺に発生する。心臓のAVMはほとんど知られておらず、認められたとしても通常 Arliss さんの腫瘤にくらべるとはるかに小さいものである。Arliss さんの腫瘤は、心臓の最も重要なポンプ機能を持つ部屋である彼女の左心室を巻き込んでいた。
 「生検術を施行した心臓外科医はそれは拍動する血管でできたネズミの大きな巣のようだったと表現しました」と、Cove 氏は言う。
 National Institutes of Health によると、生下時に存在するAVM の原因はわかっていないという。多くはCTスキャンや他の画像検査で偶然に発見され、大抵は40才以下の若い人に見られる。
 Arliss さんの腫瘤の正体が判明してから、医師たちは最適な治療法を見つけるために医学文献を徹底的に調べた。しかし、よい結果は得られなかった:報告された治療はなく、示された一握りの症例のほとんどが剖検例だったのである。

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‘A light went off’  『光は消えた』

 Arliss さんは心臓移植外科に紹介されたが、一方で、医師たちは彼女を観察し、彼女の病状がさらにひどくなる前により低い侵襲性の選択肢を見つけ出したいと考えていた。2009年11月、実施できる治療法について他の医師から手がかかりが得られる可能性を期待して、外科医らは Journal of  the American College of Cardiology にこの稀な腫瘍の画像を発表した。
 2010年の夏には Arliss の病状は悪化しており、息切れが強いため休まなければ3ブロック以上歩くことができなくなっていた。腫瘤は増大し、心臓の外側に広がっている可能性を外科医らは危惧したが、その懸念はその後MRIで確認された。彼女はコイル塞栓術の可能性にかけて Cove 氏の元に紹介された。
 1990年代に脳動脈瘤の治療法として開発されたコイル塞栓術はそけい部の動脈から目標部位まで小さなコイルを進める方法である。そこでコイルが切り離され、血流が遮断されるよう所定の場所に留置され血栓を形成させる。血栓が生じた後の瘢痕によって、永久的な閉塞が期待される。
 この方法が有効かどうか Cove 氏には確信がなかったが試してみる価値はあると考えた。「私は文献の検索を行い、国中の医師と話をしました。そして主要な血流を遮断すれば腫瘤をつぶせるという意見で一致した。彼によるとArliss さんは『顔色が悪く、慢性的に体調のすぐれない様子』で、効果が期待されることならなんでも試す心構えができていると、彼に話していた。
 塞栓術が失敗に終わった頃、Cove 氏は、改築の間、心臓内科の部屋で一時的に働いていた神経外科のスタッフである Jahromi 氏に出会い、二人はこの症例について討論した。
 Jahromi 氏が Onyx(オニキス)と呼ばれる新しい薬を使っていたことを Cove 氏は知った。これは脳の AVM を治療する液体塞栓用製剤の一つで、医学用強力接着剤と呼ばれる物質である。「光はほとんど消えかけており、私はこう言いました。『きっとOnyx を腫瘤に注入できると思う』」Cove 氏はそう思い起こす。Jahromi 氏もこれに同意見であり、二人は恐らくこれまで前例のない実験的治療をArliss さんに提案した。
 「『この薬物は心臓で用いられたことはありません』と、私は言いました」、Arliss さんに話したときのことを Cove 氏は思い出す。「彼女は何らかの治療を強く希望していたため、逆に私たちに強く働きかけてきたのです」
 「私の体内の時限爆弾」を処理する計画があることでいくらかほっとした気持ちになったのを Arliss さんは覚えている。「ものがそこにあるのに医師はそれに対して何もすることができないことを伝えられるのはたいへんもどかしくつらいものでした」
 12月9日、強い鎮静剤が使われたものの意識はある状態で、この厳しい治療のために Arliss さんは心臓カテーテル室に運びこまれた。Cove 氏によれば、彼の目的は、液体の Onyx で『ネズミの巣全体を埋め尽くす』ことであり、それによってこの腫瘤から血液供給を奪い、願わくばそれが新たな血管を生ずる前に死滅させるのである。「それはエイリアンのようなものです。もしわずかでも一部が残っていれば再生してしまうのです」と、Cove 氏は言う。
 その後この腫瘤も薬剤も徐々に吸収されるだろうというのがこの治療の考え方である。望まれるのは、この治療によってArliss さんの心臓に障害が及ぶことなく、また、重大な心臓発作が誘発され彼女が死に至ることがないことだった。
 心臓超音波で状況を見守りながら Cove と Jahromi の両氏は、どの動脈や静脈が腫瘤と関係しているかを決定したあと、腫瘤の中心への最善のアクセスポイントを見つける必要があった。以前のコイル塞栓術が一本の主要な血管をつぶしていたことを確認し、「そのため Onyx は他に行き場所がなかったのです」と、Cove 氏は言う。「もしそうでなかったら Onyx は一方から入って他方に抜けていたでしょう」
 ゆっくりと注入する必要があった Onyx は同病院の供給分すべてを用い、Arliss の状況を見守るために彼らは心配しながら待ち続けた。彼女のバイタルサインは安定しており、彼女の心機能は障害を受けなかったが、この治療が果たして有効であったのかどうか、また合併症が生じていないかどうかを見極めるためには数週間を要した。
 最初の3日間は医師たちにとっては心配だらけだった、と Cove 氏は言う。Arliss さんは多くを覚えていない:Cove 氏によると、彼女にはかなりの痛みがあったが、おそらくそれは腫瘤の壊死によるものであったという。6週間後、心臓超音波検査で、Onyx が詰められた場所に陰影が認められた。その後腫瘤は確実に縮小し、3分の1まで小さくなっており、徐々に状態は良くなっていると Arliss さんは言い、復職を果たしている。
 「まだ非常に疲れてしまう日があります。そんな状態は是非とも終わってほしいものです」と、彼女は言う。
 医師の立場からこの治療の効果を十分に評価し腫瘤が完全に消えるかどうかを見極めるにはあと一年はかかると Cove 氏は考えているという。彼と Jahromi 氏は最近の学会で本症例を報告したが、彼らの新しい今回の治療についての論文を共同執筆中である。
 「実のところ私はきわめて楽観的です」数週間前彼はこう述べたが、その日フォローアップの診察で Arliss さんを診察し、彼女の外観も活力レベルも改善していたことでさらにその自信が深まったと言う。「医学においてすべてはしっかりと位置付けされ記載されているものです。今回のような治療を行ったのは初めてのことです」

心臓にもAVMがあるとは初めて知った。
相当めずらしい症例であると思われる。
記事中に出てくる Onyxは比較的新しい
液体塞栓物質である(2009年日本でも認可)。
血管やカテーテルとの接着性が低い利点がある
(接着性の高い従来の液体塞栓物質、
N-Butyl-2-Cyanoacrylate [NBCA]では
カテーテルが抜けなくなる恐れがあった)。
また再発率も低く有用性が期待される
塞栓物質である。
ただ、注入時間をゆっくりする必要が
あるため術者には忍耐が求められそうだ。
それにしても、カテーテルを用いた
血管内治療の進歩には目を見張るものがある。

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