オバマ政権の新閣僚メンバーが発表され、
予備選のライバル、ヒラリー・クリントン氏を国務長官に指名。
予備選挙中は「恥を知れっ!オバマ」と絶叫し、
オバマ氏の外交政策を真っ向から非難していたクリントン氏、
記者会見場ではさすがにぎこちなさそうだったが、
殊勝にオバマ氏への全面的サポートを誓っていた。
政権内に入ったクリントン氏が、
予想される諸問題にこれからどう折り合いをつけていくのか。
今後の動向が注目される。
Watching Clinton's Transition at State
国務省での Clinton 氏の移行に注目a
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Hillary Clinton 氏が国務長官に任命された。次期大統領 Barack Obama 氏のかつての民主党のライバルは、二ヶ月も経たないうちに就任する職務への準備にとりかかることになる。
年明け早々に予想される上院による指名承認を経て就任に至るまでの移行期間中、彼女に判断を委ねられる項目がいくつかある。
国防長官の Bob Gates 氏や次期国家安全保障担当補佐官の Jim Jones 氏とどのようにうまく歩調を合わせるか?
移行期間中、サポート役として誰を側近に選ぶか?
南アジアや中東における現在の危機における彼女の役割は何か?
そして、彼女が示してきた選挙公約の項目のうち、どれを政権内部で推し進めようとするのか?今週、Clinton 氏はこれまでの国務長官のうち存命中の人物全員との会合を計画しており、それぞれの見解や職務上の助言を求める予定だ。
さらに政権につきつけられている主要な外交政策について Obama 氏、Gates 氏、そして Jones 氏と選択協議を始めることになっている。
いかに迅速にイラクからアフガニスタンに軸足を移してゆくか?
イランの核兵器開発を抑止するために新たな外交のイニシアティブを発揮するかどうか?
来年政権がスタートする時に、中断されている北朝鮮との会談についてどのように対処するか?
南アジアの様々な危機にどのような姿勢で取り組むか?
そして、中東の和平交渉をいつ、いかなる方法で再開するか?また Clinton 氏は今週、Obama 政権移行チームを引き継ぐため、彼女自身の代理検証チームを任命すると目されている。
Clinton 氏のグループは国務省当局からの報告書を編成したり、連携して差し迫った決定事項に対処したりするほか、Condoleezza Rice 氏からの権限の移譲を監視することになる。
そのような検証を行うものは誰であれ、ひとたびクリントン氏が就任すれば上層部の座を確保するに有利な体勢を得、Foggy Bottom(米国務省)で彼女がめざすであろうイデオロギーの方向を指し示してゆくことになると思われる。現在の Obama 氏の国務省の検証チームは、かつての Clinton 氏の政策顧問であった Wendy Sherman 氏を長としている。
Sherman 氏は Madeleine Albright 国務長官時代の同省の古強者で、もし Clinton 氏が彼女を留任させるとすれば、国務省において、かつて Albright 氏が行おうとした姿勢への回帰を示すことになろう。
それは、(コソボやボスニアへの Albright 氏の姿勢に見られるように)海外において現実主義路線よりむしろ活動家、それでいてかなりの中道主義者、である。
もし Sherman が留任しなければ、予想される後継者の幅は、慎重なリベラルから、いくぶん穏健な共和党寄りにまで広がりそうだ。
長の選択が誰になろうとも、Clinton 氏はおそらく上院から何人かの側近を連れてくるだろう。
彼女の個人的側近である Huma Abedin 氏、上院での外交政策スタッフ Andrew Shapiro 氏、彼女の昔からの報道関連の側近 Philippe Reines 氏らである。この移行で監視を行う鍵となる人物は Richard Holbrooke 氏である。彼は予備選の時から Clinton 氏に最も近い外交政策顧問の一人であり、Clinton 氏が国務省に突き進んでいる今、Obama 氏の外交的片腕として見込まれる第一人者である。
Holdbrooke 氏はキャリア組の外交官で、頭が切れ能力があるだけでなく、人の意見に左右されず、率直にものを言う人物として知られており、そういった性格ゆえ、彼は同党の上院議員から必ずしも好意的に思われてきていない。
以前の民主党政権時代、国務省の上層部で働いており、1990 年のボスニア戦争を終結させた交渉に際して彼が行ったように、彼の職域で政策を牛耳ることになりそうだ。
Holdbrooke 氏は、中東や南アジアへの特使など紛争調停の作業の件で既に話題に上っている。Clinton 氏はまた、外遊日程の計画にとりかかるだろう。
側近は、アメリカを支持する国際社会に安心感を与えるため就任後かなり早い時期に海外へ出向いてもらいたいと考えている。
彼女の外遊先としてはヨーロッパ、極東、および中東の同盟国が最初に選ばれそうである。
彼女はまた、南アジアにも早期に訪れるかもしれない、というのは、ムンバイでのテロ攻撃をきっかけにパキスタンとインドの間で緊張が高まっているからである。
「彼女はパキスタン大統領(原文では首相)Asif Ali Zardari 氏と前々からつながりがあります」と、ある外交政策の側近が言う。
「また彼女はインドを何度も訪問しており、当地での評判も良い。そのような関係を用いて状況の改善を図る外交手腕が望まれます」Clinton 氏がめざしていると考えられるのは、アフガニスタンとパキスタンの国境付近の統治のゆきとどいていない広大な民族地域における治安維持と協調の改善に一役買う両国間の大統領特使としての地域的イニシアティブであろう。
Clinton 氏はこのイニシアティブを予備選挙の時にも押し進めたが、彼女の夫も一時期、これを責務として考えていたことがある。
もう一つの予備選挙中の、Clinton 氏の優先的なイニシアティブは、拡大する世界の教育に対する資金提供の計画だ。
しかし、金融危機の発生もあって、米国による海外援助を2倍にするという Obama 氏の選挙公約の実行は難しいだろうと氏の外交政策顧問は述べている。Clinton 氏には、新しいアメリカ政府の代表として歓迎される時期には、海外において猶予期間が与えられると予想される。
従って、Hillary Clinton 氏がどのような国務長官になるか、その真価が問われのはその後になりそうだ。
「ハネムーン期間が終わった後も、毎日こつこつと働き続けなければならない。そして、アメリカに最善の国益をもたらすよう合意を得る努力を続けてゆかなければならないでしょう」と、その外交政策顧問は言う。
オバマ氏としては、顔として国務長官にクリントン氏を起用、
有能な側近で周りを固めようという作戦か?
プライドがめっぽう高く、なにかとこうるさそうな61才のオバさんを
若干47才の新大統領がどう制御するか?
外交政策で衝突し、オバさんの迷走がないことを祈るのみである。
お久しぶりです。
風邪引いて寝込んでましたBlack Nurseです(^^;)。
ついにアメリカは民主党政権となり、ヒラリー・クリントンがどうやら国務長官に決まりましたね。
思い返せば、クリントン政権時代、かの国に特使を送ったり(それでカーター元大統領はノーベル平和賞を貰った)、日本を飛越えてもうひとつのかの国に、時のオルブライト国務大臣を派遣したりと、民主党政権下で日本がないがしろにされ続けてきた悪夢がよみがえりそうです。
歴代の民主党政権って、ろくな政権がでていないと思うのは自分だけなのでしょうか?たとえばカーター政権時代は一方的にデタントを打ち出して、その結果がソビエトのアフガン侵攻を生み出したり、その前ジョンソン政権下ではベトナムに本格的に介入したりしてましたし・・・
ケネディだってキューバ危機をまねいていましたし・・・
べつにブッシュに肩入れするつもりは無いのですが、ケニアのアメリカ大使館が爆破されたときに、時のクリントン政権がテロに対してしっかりとした態度を示せば、今現在の「テロとの戦い」ももう少し違った展開になっていたと思います。
まっ、今後のオバマ政権(特にクリントン国務長官)が日本に対しどのような態度に出るか、来年が見ものですね
そうそうオバマ大統領も、マンガに興味があると何かの記事で読みましたが、ここはひとつ麻生さんとマンガ外交なんていかがでしょうか
お身体は大丈夫でしょうか?大変でしたね。長いこと寝込んでおられたのですか?
さて、Black Nurse さんは、米国の政権にずいぶんお詳しいですね。ワタクシは恥ずかしながら、時の大統領が共和党なのか民主党なのか、全く考えていませんでした。
確かに民主党は日本など眼中にないようですね。その方がいいのか悪いのか…Black Nurse さんの予想されるとおり、オバマ-クリントンも恐らくその路線でしょう。日本とはあまりいい関係にならないと思われます。
しかし、今の米国のひどい状況を招いたブッシュ政権の責任は重いと思います。日本のコイズミもひどいですが…