今回、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で
拘束した船長釈放の(恐らく政治的な)決断には
与野党から批判の声が上がっている。
確かに今後の同海域の領有権問題や
中国との外交に大きな影響を及ぼしかねない。
また識者の間では、他国からの世間体を
気にしている向きもある。
しかしながら、今の中国の反応は
相当異常であるというのが米国の見方のようなのだ。
China Butts Heads With Japan 中国、日本にいちゃもん
by Andrew Bast & Melinda Liu
東アジアはかつてない経済成長に沸き返っているのかもしれないが、古くからの領土問題は悪化しつづけている。それを印象付ける最近のできごとが先週国連で見られた。中国の温家宝首相は、もし日本が中国漁船の船長を“迅速かつ無条件に”釈放しなければ日本は不測の“事態”を招くことになると暗に警告した。この船長と乗組員たちは、争点となっている無人の列島の沖合で日本の巡視艇に船を衝突させたとのことで9月7日に拘束されているのだ。
周囲を大いに安堵させたことに、金曜日、日本はこの中国人船長を釈放すると発表した。しかし、東シナ海のこのトラブルは、中国で後継が確実視されている習近平氏を頭とする新しい世代の最高指導者らが2012年に権力を握るようになれば目にすることになるであろう事態の一端に過ぎない。最近の決着は従来のパターンに従っているが、これは次期グループが自身の権威を主張する中、現政権が旧来からの伝統を固めようとしているのである。両グループとも中国国民の国家主義的声に応えなければならないのだ。日本は本土にまつわる辛辣な歴史ゆえに最も軟弱な(そして安全な)ターゲットとなりがちだ。しかし、こうした移行が進めば、中国政府は通貨の切り上げや領土問題など、様々な問題で国際的な圧力にたじろぐことになると予測される。問題は中国政府がどこまで強気な態度をとるかということになる。
タイトルを『いちゃもんをつける』なんて
訳しちゃいけないのかもしれないが…
つまりは中国の政権内で強硬路線をとる
次期世代の最高指導者たちの
横暴が始まりつつあるという見方である。
というわけで、今回の問題を粛々と?引っ張っていても
そういう輩を相手にしていたのでは解決の余地は
いつまでも見出し得なかっただろう。
第3国的には中国の対応を異常と見ているのである。
船長釈放の判断は間違っていなかったにしても、
今回の決定が政治的判断であることを明確にし、
その上で尖閣諸島の領有権を厳格に
主張すべきだったのではないだろうか?
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