YouTube に投稿された
脳腫瘍で死を目前にした16才の少女の歌が
話題になっているという(投稿動画は後掲してます)。
そしてその少女が今週、穏やかにこの世を去った…
Teen who covered Katy Perry's 'Roar' dies Katy Perry(ケイティ・ペリー)の “Roar” をカバーした少女が死去
By Alan Duke, CNN
手術不能の脳腫瘍によって精神までむしばまれることを拒んだ十代の少女 Olivia Wise が月曜日(11月25日)に死去した。
Olivia が9月にトロントのスタジオで録音した Katy Perry の歌がネット上でバイラル・ヒットとなり、彼女は 16年の人生の最後の数週間に一躍有名になった。
『彼女は、家族のこの上ない愛情に包まれて自宅で穏やかに死去しました』CNN に寄せられた家族のメッセージでそう伝えられた。
自分の葬儀では人に泣いてもらいたくない、きっと自分の人生を称えてくれるはず、とこの少女が語っていたと、CNN への手紙に母親が綴っていた。
もはや有効な治療がないことを知り、今年 9月に彼女が録音した Perry のヒット曲“Roar”の彼女版は10月に YouTube で発表されると Perry の目に留まった。
『あなたの歌声はすばらしい響きよ。とっても感動したわ』YouTube に投稿されたビデオで Perry は彼女にそう語っている。『愛しているわ。多くの人たちがあなたを愛しているし、だからこそあなたのビデオは私に伝わった。これを見た誰もが感動させられたの』
そして Perry は次のように締めくくっている:“Keep roaring!(吠え続けて!)”
世界的注目によって百万人以上の閲覧者が Olivia の歌にひき寄せられ、脳腫瘍研究の支援のために彼女の名前で始まった Liv Wise Fund に77,000ドルの寄付が集まった。
このビデオではスタジオの真ん中に座る Olivia が映っていて、最初は静かに歌うが時折苦しそうな呼吸をする。
『Cause I am a champion, and you’re gonna hear me roar.(だって私はチャンピオンだから、私は吠えるわよ)』
彼女のエネルギーは高まり、そひて微笑みながら歌う『I got the eye of a tiger, a fighter, dancing through the fire.(私は虎の目をもっている、炎の中踊るファイター)』
『Olivia はファイターであり、炎の中をくぐり抜けてきたわ』彼女のいとこは YouTube のビデオ投稿の下にある投稿メッセージに書いている。『事実、この歌を録音している間も炎の中をくぐっていたけどそのことはみんな知らないでしょう。なぜなら彼女はそこをうまく踊っていたからよ』
Olivia の死のわずか数日前、彼女の家族は YouTube に別の歌のビデオを投稿した。“Simple Girl”という曲、これは彼女がどのように人生を送りたかったかについて自身が書いた歌だが、それは彼女が11才の時だった。彼女が歌ったのはまさに9月6日、“Roar”を録音した同じセッションだった。
『色々な意味で Olivia は、短いけれども充実した人生を送りました』母親は CNN への手紙にそう書いている。
Olivia は2012年1月、けいれん発作を起こしきわめて悪性の脳腫瘍と診断された。
母親によると彼女は深刻な予後についてめったに泣き言をいわなかったという。『毎日、彼女は治ることを願っており、マイナスな考えに屈することはほとんどありませんでした。』
『実のところ、彼女の診断が彼女の人格を変えることはありませんでした』と母親は言う。『むしろそれを高めたのです。彼女はその情報を、適正で成熟した責任あるやり方で受け止めていました。最も困難な時であっても、彼女のことを心配するすべての人たちに笑顔と親しみをもたらそうとしていたのです』
実にかわいらしい少女である…
先ごろ死去した島倉千代子さんもそうだが、
辛い身体に鞭打って死の直前まで
歌で伝えようとするものは何だろうか。
そのような苛酷な状況で歌うからこそ
伝えられるものがあるのかもしれない。
その根底にあるのは、おそらく“魂”だろう。
この少女の生き様には、
彼女よりはるかに年上である私たちにも
大いに教えられるところがあると思うのである。