イケヤの知人のピーノさんが
いつも私を含めたご友人の方に送られているメルマガのお裾分けシリーズ。
『ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】』です。
海外滞在が長く、外国語にもご堪能な方です(日本人です)が、
一週間程度の感覚で物凄い量のものを見る、読む、聴く。とにかく私もビックリ。
ピーノさん、日比谷の野音で同じコンサートを見ていたんですね。
いや、気づかなかったな。
分かっていれば一生懸命がしたんですが。
でも、あのコンサートは幸福だった。
清志郎さんと作った細野さんの「幸せハッピー」。
心に深く響きました。
読者の皆様、感想等ございましたら、
私が責任を持って転送しますので
ぜひコメント欄にお願いします。
では、レッツゴー。
今週は、GW後の「拡大版」です。
◇スペイン語で「como agua de mayo」(5月の雨のように)という表現が
あって、何か待ち望んだ“良いことが起きる”という意味なんです。多分、
豊穣の女神“Maia”から由来して、日本語だと田植えなどの“恵みの雨”
のニュアンスに近いかもしれません。 でも、この時期、“雨の降らない”
野外コンサートに行って、缶ビール/チューハイを飲みながら、じっくりと
音楽を聴いて「かけがえのないひとときを過ごす」のも最高の贅沢です。
◇明治時代から続く洋菓子店「近江屋」(神田淡路町)。昔ながらの味
がするイチゴたっぷりのケーキを注文。ドリンクバー(525円)は、100%
ジュース飲み放題+「ボルシチ」食べ放題・・・となる“お得な”システム。
この辺は神保町:岩波ホール、古本屋街、三省堂と続き、神田小川町:
シンコーミュージックを過ぎると神田淡路町で、JR神田駅方面に向かう
と老舗のそば屋さんがあるという、読書+食い道楽の散策コースです。
近江屋のこだわりブログ ⇒ http://www.ohmiyayougashiten.co.jp/
◇JR東京駅中央口、新丸の内ビル 6階にある「Barbacoa Classico」。
ブラジルの本格的なサラダバーと肉料理が楽しめるレストランで、本店
はサンパウロにあり、「青山店」は中南米各国の大使館関係者や家族
がよく行く店として知られています。以前、スペイン人の元同僚が日本
出張で東京に滞在中連れて行ったところ、「肉好き」の彼はすごく満足
してました。「シュラスコ・ランチ」(焼肉食べ放題)は質・量ともオススメ。
URL ⇒ http://www.barbacoa.jp/marunouchi/about/index.html
【ステージ、コンサート】
■PASION FLAMENCA (Café Bar ZAPATA、10/04/30 ★★★)
浜松 Spain Barでのフラメンコ・ライブ。店外も含めて30名くらいの観客。
「Baile(踊り):太田有香」「Cante(歌):小杉栄里」「Guitarra:久保守」
に「Cajón(打楽器)」奏者が加わり 4人で二部構成の舞台。“Bulerias”
“Sevillanas”といったアンダルシア地方に伝わる曲が中心で、久しぶり
に目の前で見る踊りと歌と演奏は迫力がありました。(笑)
■「Springfield '10~東京場所」(日比谷野音、10/05/03 ★★★☆)
原田知世、キセル、星野源(Sake Rock)、大貫妙子、細野晴臣による
5組の出演。 自作の「ファム・ファタール~妖婦」を原田知世とデュエット
した細野さんは嬉しそうで(笑)、大貫妙子が同曲を小倉博和(ギター)
と沼澤尚(ドラム)の演奏で歌い、「いつも通り」や「突然の贈り物」など
'70年代の楽曲が素晴らしく、最後に細野さんによるアンコールは昨年
同様、5/2に亡くなった清志郎に哀悼を示した『幸せハッピー』で合唱。
ご参考URL ⇒ http://www.springfields.jp/tokyo/
【落語】
■柳家花緑独演会 (かめありリリオホール、10/05/02 ★★★★)
先月11日(仏滅)、渋谷区役所に婚姻届けを提出した際のエピソードを
話のまくらにしてしまう花緑(38歳、小さんの孫)の独演会。昨春「江戸
の青空」に俳優として出演した際に感じた演劇と落語の違いや、高座に
おける客席への“顔の向き”で変わる「上下関係」などを説明した上で、
上方落語の「二階ぞめき」と江戸の「三軒長屋」の二席を熱演、ウマイ!
ご参考URL ⇒ http://www.me-her.co.jp/karoku/shutsuen.html
【演劇】
■福田転球×平田敦子 二人芝居(駅前劇場、10/05/01 ★★★☆)
作・演出が上田誠(ヨーロッパ企画)。 「ミッション女プロジェクト男」の
タイトルで、テーマは“SF+笑い”。宇宙船内でのミッションをことごとく
ぶち壊して、ミッションをひとつも遂行しません(笑) 存在感そのもので
笑いをとる平田と、熱演でセリフも“忘れてしまう”福田との二人芝居は、
汗が飛び散る「暑苦しいドタバタ喜劇」、まるで短距離走のような舞台。
ご参考URL ⇒ http://design-bp.com/futarishibai/
■青年団 「革命日記」(こまばアゴラ劇場、10/05/02 ★★★★)
作・演出:平田オリザ。10数年前に書いた脚本を2008年に舞台化して
再演にあたり、マンションから一戸建ての室内に変更。空港の管制塔
と大使館襲撃を計画する過激派の家に、隣の主婦、自治会の副会長、
過激派のシンパ(商社マン)、子どもを預かる妹夫妻などが訪問して、
仮の生活に日常が入り込み襲撃プラン(革命)が一向に進まぬ状況。
ご参考URL ⇒ http://www.seinendan.org/jpn/info/index.html
【映画】
■プレシャス <原題 Precious>(★★★★)
1987年N.Y.C.ハーレムに住む16歳の黒人女性の過酷な人生を描いた
内容。D.V.に妊娠、無学文盲と徹底的に悲劇的なヒロインを扱いつつ、
「はじめて意図的に作られた男性嫌悪映画」(内田樹ブログ 4/29)です。
当時、アメリカの生活保護と教育機関(受け皿)は“太っ腹でいい加減”
という印象と、周囲の人々(クラスメート・教師、看護士、失業保険窓口)
の暖かい助けを受け、前向きに子どもたちと向き合う主人公に希望が。
ご参考(音声注意)URL ⇒ http://precious-movie.net/
■ウルフマン <原題 The Wolfman>(★★★☆)
19世紀末、英国での狼男の話。舞台俳優である主人公(B.Del Toro)と
父親(A.Hopkins)との確執と葛藤がテーマ。狼男に変身するCGは迫力
満点ですが、最初から結末が予測できてしまうという点(サプライズなし)
は大きなマイナス。 もう少し脚本を書き替えるなり意外性が欲しかった。
ご参考(音声注意)URL ⇒ http://wolfman-movie.jp/
■コロンブス 永遠の海 <原題 Cristóvão Colombo, o Enigma>
(★★★★) 現在、101歳で映画を撮り続けるマノエル・デ・オリヴェイラ
監督が98歳のとき撮影。「コロンブスが実はポルトガル人だった」仮説を
証明しようとした医師を追ったドキュメンタリー的内容。アメリカ大陸発見、
大航海時代の“saudade”(郷愁)を感じつつ、47年後に“自由の女神”と
ポルト・サント島を訪問する老夫婦役をオリヴェイラ監督夫妻自らが出演。
ご参考URL ⇒ http://www.alcine-terran.com/umi/
【Book】
■神野直彦 「「分かち合い」の経済学」(岩波新書、10/04/20 ★★★★)
スウェーデン語の言葉、「オムソーリ omsorg」(悲しみの分かち合い)を
キーワードに、新自由主義(小さな政府)は、経済的活力を重視し「失業
と飢餓の恐怖」を復活させるものとして徹底的に批判。 中国もインドも
第二次大戦後の「自然資源多消費型」の産業構造を“一周遅れ”で走ら
せてるだけで、競争ではなく相互の「協力原理」と「共同責任の原則」の
必要性を説明。 「社会(society)」の語源はラテン語の「仲間(socius)」。
URL ⇒ http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/
■竹内一郎 「ツキの波」(新潮新書、10/04/20 ★★★☆)
ひとりの人間が持ってる「ツキ」の絶対量は同じじゃないかという命題を、
「麻雀放浪記」の阿佐田哲也(“朝だ!徹夜”のもじり)が残した文章から
人生の「運」や「ツキ」を考察。「人生はゴールが見えないほど長い」ので、
「自分のフォームを身に付けよ」、「一人一流」=「自分の戦術は自分で
考えるほかない。他人はフォームを作ってくれない」が著者の結論です。
URL ⇒
http://www.shinchosha.co.jp/book/610363/
■川上弘美 「パスタマシーンの幽霊」(マガジンハウス、10/04/20
★★★★) 雑誌【クウネル】に連載された22の短編集。前作「ざらざら」
(2006)から続いて、杏子(あんこ)とおかまの修三の話や、一人暮らし、
料理(「おむすび」「パスタ」他)と食材の話が多く、微笑ましくてほろ苦い、
ユーモアにエスプリを重ねた、「ストレート・ティー」みたいな短編小説群。
川上弘美という作家のセンスが詰まった文章で懐かしさを感じさせます。
ご参考URL ⇒ http://magazineworld.jp/books/2100/
【オマケ、今週の気になった言葉】
■自分は「こういう選手になろう」と思ってここまで来た選手じゃない。
こうやるしか思いつかなかった。それが「ユーティリティープレーヤー」、
「何でも屋」で、それでもこの世界で食っていける。
(by 木村拓也 <読売ジャイアンツ内野守備走塁コーチ>)
公式戦開幕直後(4/2)、試合前の練習中にクモ膜下出血で亡くなった
巨人の木村コーチ(享年37歳)が新人研修で行った講義内容のコメント。
1991年、「ドラフト外」で日本ハムに入団してからの野球人生が語られ、
なかでも、ハワイのウインターリーグで「イチロー」と4ヶ月間同じ部屋で
過ごした話が印象的です。 「スイッチヒッター」になって気がついたこと、
ジャイアンツで優勝して分かったことなどなど、貴重な言葉です。 合掌
ご参考URL ⇒ http://www.giants.jp/G/gnews/news_392604.html
では。