ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

劔岳へ・・・:難所

2011年06月30日 21時20分19秒 | Weblog
想像の世界でしかない劔岳。
ルートマップで等高線の間隔を見ても、PCで何百枚という画像を見ても所詮は頭の中の世界でしかない。

今登攀している男体山の難所でさえも、おそらくは比較にならないほどレベルは低いのではないだろうか。
そう思えばここの岩場も大したことはない・・・のかな。



この岩場を越えれば、地図によると傾斜が楽になる・・・はず。
息切れはあるのだが、心臓はとっくにペースをつかみ苦にはならない。
強いて言えば「時間とのたたかい」だ。
予定していた3時間30分どころか、4時間程度になってしまうだろう。
だが焦りたくはなかった。
それはそれで参考となる時間だし、次に登るときのための目安となってくれるはずだ。

今は汗が心地よい。

劔岳へ・・・:記録更新

2011年06月28日 20時47分39秒 | Weblog


この画像は、おそらくは7合目あたりだったろうか。
高度計を見て、確認をし声をかけた。
「TOTOさんやったね! 記録更新だよ。おそらくは2000メートルを越えたよ。おめでとう!」
あの時の嬉しそうな顔ははっきりと覚えている。

自分の時もそうだった。
いつかは3000メートルを越えたくて疼いていたあの頃。
初めて北穂高岳に登頂したときの感動はこの歳になっても忘れられない。
高度計など持ち合わせていなかっただけに、とにかくピークに立ち、「俺は間違いなく3000メートルを越えたんだ」という事実だけが嬉しかった。



ここからは中禅寺湖のほぼ全容が見える。
去年の11月以来の2000メートル越えに自分も嬉しい。
問題は時間だ。
一般的な所要時間として、あとどれ程かかるのだろうか。
現時点で、おそらくは3時間30分では到達できないだろうということは予測できた。
焦ってはいたが、できるだけ休憩回数と時間を少なくしてやってみよう。

今振り返って、この地点で一つだけ覚えていることがある。
7合目から8合目までがやたらと長く感じたことだ。
小さな鳥居があり、「おっ、やっと8合目か。」と喜んだのはぬか喜びで、本当の8合目はもう少し先。急勾配の岩場を登攀しなければならなかった。
メンタル的にもちょっとバテていた。
一番きつかったかなぁ。

劔岳へ・・・:男体山表ルート

2011年06月27日 21時58分12秒 | Weblog
初めてこの山を目指したのが去年の11月初旬。
裏ルートからの登攀は、思っていたよりも楽だった。

今回初めての表ルートは、見上げるような急勾配の連続で、TOTOさんも驚いていた。
本格的な登山で、これだけの急勾配はTOTOさんにとって初めてではないだろうか。
「いやぁ、けっこうきついっすね。」
「8合目まで頑張れば、少し緩やかになってくるから、そこまではカンバだね。」
そんな会話をしながらも天候に恵まれたことに感謝し、振り返れば見える絶景に感動していた。

樹林帯の中ではあったが、岩場が多く目立ってきた。
汗もしたたり落ちる。
この急勾配のせいか、お互い口数も少なくなってきた。
更には、左膝に違和感が・・・。
「ちょっとやばいかな。なんとかたのむぜ。」そう願いながらの登攀だったが、今になってザックの重量を重くしたことを後悔した。
「くっそぉ~。なんで俺はこんなバカなことをしたんだ。やっぱり今の主流はUL(ウルトラライト)だよなぁ・・・あぁ重い。」
口にこそ出さなかったが、後悔先に立たずだ。

標高2000メートルを越えれば、TOTOさんにとって自己記録の更新となる。
ピークに立てば一気に500㍍近くの更新だ。
「これでビビリにでかい顔はさせませんよ!わっはっは!」
そう、その意気!(笑)
今はつらいけれど、この先に待っているのはでっかい感動。
時間は気にせず頑張ろう。(でもちょっとは気になる)

劔岳へ・・・:アイスバーン

2011年06月26日 23時44分26秒 | Weblog
六合目を越え、樹林帯に入ったあたりだったと思う。
道幅が極めて狭く、岩と岩の間に残雪が見え始めた。
そしてアイスバーン状になった残雪も・・・。

5月半ば、標高2000㍍手前。
「そっか、このあたりに来れば残雪じゃなく、氷なんだ。」
そんな当たり前のことが不思議、と言うより自然界の厳しさを少しだけ垣間見たような気がした。
「そうだよなぁ、初めての登山の時だってそうだった。真夏の8月だってのに白馬岳の大雪渓に感動しながらもちょっとビビッったっけ。」

大袈裟な考えかも知れないが、大自然に向かって何らかの形で挑むとき、人は事前に大自然を調べ、それに対応(適応)できる術と、装備を持って挑む。
失敗を糧とし、改良を重ね幾たびと繰り返し挑む。
それでも大自然の力はあまりにも偉大で、驚異で、為す術なく敗れ去る。
自然を相手にすることがいかに困難であるか、その困難を「楽しみ(レジャー)」として形を変えたのが「登山」なのだと思う。

大自然の美しさは、厳しさの中にあり、厳しさの中から生まれる。
たった一箇所のアイスバーンを見ただけなのだが、映画「劔岳」の台詞を思い出した。

ルートはいよいよもって急登攀となってきた。
残雪、アイスバーン、そして岩場。
こうでなきゃ事前の訓練にはならない。
な~んてカッコイイこと言ってる余裕はあまりないのが現実。
もう少しペースを上げなければ、制限時間内の登頂は難しい。

劔岳へ・・・:順調かな・・・

2011年06月25日 21時17分31秒 | Weblog

四合目で「中禅寺湖」を見下ろすことができた。
天候がいいと心も晴れる。
TOTOさんも絶好調で、気分爽快。
で、自分はというと、快調に登攀してはいるのだが、3時間30分という時間内で果たしてどうか・・・。
でもって、「劔岳へ向けての全予定ルートって、実際にどの程度の急登攀なんだろう。
地図や写真だけじゃわからないしなぁ。」
「確か、雷鳥坂ってのがやっかいだったと思うけど、ここ(男体山)と比べてどうなんだろうか。」
ずっとそんなことを考えての登攀だった。

男体山の標高は「2486㍍」。それに対して、劔岳へのスタート地点である室堂がそもそも2400㍍。
つまりは出発がほぼ男体山頂上ということ。
スケールの違いが手に取るようにわかるというものだ。



劔岳へ・・・:先ずはMOC!

2011年06月24日 21時40分28秒 | Weblog
4月、半月山から見下ろした中禅寺湖。
そしてその対岸には2486㍍の独立峰「男体山」が屹立していた。
「いつかは・・・」という思いは常にあったが、半月山からわずか2週間後の5月14日に登頂を目指した。

職場の山仲間であるTOTOさんを誘ってみたところ「いいっすね。 登りますか!」とOKの返事をもらい、いざアタック。
独立峰であり、唯唯直登するだけのそれなりに厳しい山であることは知ってはいた。
また、6月の「モンベルおやまゆうえん店」主催による「MOC」に向けて、更には夏の劔岳へのワンステップとしてはもってこいの山だ。

目標登攀時間は3時間30分と決めていた。
それはMOCに参加する上での最低条件と言っても良い。
「この時間でクリアできなかったらMOCに参加する資格はないよなぁ・・・」
「俺一人のために、参加者全員に迷惑をかけることにもなりなねない。」
「MOC本番は、店長のKさんがインストラクターだから、しっかりした事前準備と体を作っておかなきゃやばいよなぁ。」
そんな緊張感をもちながらのClimb Onとなった。

制限時間を設けておきながら、何故かザックは40リットルもの大きさ。そして重さは15㎏。
「この程度でなけりゃ、事前の訓練にはならないよなぁ。」
無駄なギアと水を詰め込み、意気込みだけは良かったのだが・・・。

スタートからとりあえず三合目まで登ろうと決めていたが、自分のペースがつかめなかった。
「ちょっとゆっくり過ぎじゃないか。いや、これでいい。」
迷いながらの登攀が続き、三合目まで約40分を要した。


「どう?TOTOさん、きつい?」
「ええ、登り初めはやっぱ(心臓に)きますね。」
当然だろう。自分もそれなりにバクバクだった。

天候は今のところ快晴と言って良い。
いたって爽やかな汗をかいている。
さぁて、ここからどうなるか。傾斜が厳しくなるのはこれからだ。

残雪の半月山:時間配分の難しさ

2011年06月22日 20時46分10秒 | Weblog
一路「中禅寺湖」湖畔に向けて下山を開始した。
いたるところに残雪があり、注意が必要だ。

本来であれば登攀と下山のみの時間は4時間30分。
残雪で多少時間がかかったとしても5時間。更に初心者ということで5時間30分。
そして途中の休憩と昼食時間を含め、最大でも7時間あれば戻ってこれると計算をしてのスタートだった。

中禅寺湖湖畔まで要した時間は約7時間30分。
ここから駐車場まで約1時間かかる。
つまりはトータルで8時間30分のトレッキングとなる。



湖畔沿いを歩くのはいたって楽のはず・・・なのだが、どうにも気が重かった。
複数の参加者で山を歩くことの難しさを改めて感じた。
痛切なまでに感じた。
「俺の計算が甘かったのかなぁ。もっと早く下山していれば帰宅時間を気にせずに済んだのに・・・。」
「みんなの顔を見ていると、やっぱり強くは言えなかったなぁ。だから俺はダメなんだと分かっていても言えなかったなぁ。」
「出発前のミーティングの時に、時間配分や休憩時間のことをはっきりと伝えておくべきなんだろうなぁ。」

ずっとそんなことばかりを考えながら歩いた。

全ては自分の責任にある。


残雪の半月山:レインギア

2011年06月21日 22時30分50秒 | Weblog
小雨が降ったり止んだりの天候で、レインウェアを着るべきか否か迷う。
・・・が、これ以上体を冷やさないためには着用すべきだと判断し、ストームクルーザーをザックから取り出した。
みんなも持参したレインウェアを着始めた・・・のだが、笑ってはいけないとわかっていても、堪えきれず笑ってしまったことがある(失礼)。

山は初心者のKさん。
出発の数日前に打ち合わせをし、登山用雨具の代用として「自転車用のカッパでもOKだよ」と伝えた。
そう、確かに自分が伝えたのだが、いざ、現物を見たら、なんと言えばよいのか、可愛いと言うか、「えっ、本当に持ってきたんだ」という思いが(笑)。

いや、笑ってはいけない。「絶対に必要なギアだからね」と言ったのは自分なのだから。
そうは分かっていても・・・(笑)。
やっぱりなんか可愛い♪

登山用のクロージングやギアというものは専門的なものであり、極めて高度な技術に裏打ちされた一品。それなりに値段は張る物が多い。
事実を言えば「ピンからキリまで」なのだが、身の安全を確実にしたいのであれば、やはり良い物は値が張る。
ただ、日帰りなどであれば代用が利く物もあって、初めから無理に購入することはない。
経験を重ね、失敗を繰り返して、その必要性を感じたのなら購入すればよいのだ。

ちなみに宣伝ではないが、我が愛用の「mont・bell ストームクルーザー」。
防水透湿性は言うまでもなく抜群! 寒風のときは何度もこの一着に助けられた。
絶対に手放せないクロージングなのだ。

追伸
Kさん、似合ってますよ♪
是非、次回も持ってきてくださいね。

MOC:いざ本番!

2011年06月19日 12時08分40秒 | Weblog
二ヶ月にまたがってはいるが、一ヶ月(30日)の間に三度男体山に登攀したことになる。
膝の爆弾も落ち着き、特に足腰は「山」に対してできあがりつつある状態だ。

昨日は、恐る恐る参加の意を表明したモンベルおやまゆうえん店主催の「MOC」本番当日だった。
あいにくの悪天候だったが、雨に濡れた岩場やガレ場、ザレ場を経験するにはもってこいの状況となった。
そしてその経験は「劔岳」へと直結する。

一緒に参加したのは、富士山登頂を目指す男性一人と、いつかはマッターホルンに登りたいという女性が一人。
ちょっと待ってくれ!
かたや「富士山とマッターホルン」。 で、俺は「劔岳」。
目指すレベルが違いすぎ!
やっぱり俺がみんなの足を引っ張ってしまうのか・・・不安な思いの登攀だった。

店長のKさんに先導され、いざClimb On!
・・・が、ペースが速いのなんのって! 登攀開始早々だというのに、汗が滝のように流れ出した。驚いたことに、二合目あたりでその汗が帽子の「つば」からポトリポトリと落ちてくるではないか。
ちょっと気分が悪くなり、なんとなく吐きそうにもなってきのだが、「やっぱり俺が面倒をかけることになってしまうのかなぁ」と思うと、ここは頑張りどころという思いが辛うじてまさってくれた。
でも吐きそう(笑)。

我が師匠、おやまゆうえん店店長のKさん、どうかおじさんのレベルに合わせて登攀してください。 m(_ _)m

詳細は後日ブログでアップしたい。



残雪の半月山:絵はがき?

2011年06月13日 22時32分15秒 | Weblog
奥日光を紹介する観光ポスターや絵はがきによく使われるショットがある。
事前に調べた半月山ルートによれば、ここがその撮影場所らしい。
残念ながら曇り空ではあったが、確かに何度もこの景色には見覚えがあった。
「なるほど、ここがそうかぁ。」
この時期、奥日光はまだ早春と呼んでもよいだろう。
もし、紅葉の季節であれば、視界一面別世界となっていることは容易に想像できる。
「でも、混むんだろうなぁ・・・」
それも容易に想像できる(笑)。

対岸に見える「男体山」は、将に独立峰の勇姿を見せつけていた。
「いつか真正面から登ってやる」
そう思いながら下山の準備にとりかかった。

さてビビリ君。
どうやら昼食を食べ過ぎたようでかなり腹が苦しそう(笑)。
ちなみにミネストローネはお代わり3杯だった!

後半の歩きを考えれば、腹一杯は決して良いとは言えない・・・のだが、そのアドバイスをするのを忘れてしまった。(ゴメンね)
雨もポツリポツリと降ってきたし、さて、下山だ!