10月とは言え、今日のような好天に恵まれれば樹林帯の中は暑い。
夏山のような・・・とまでは行かないまでも、汗はしたたり落ちてくる。
登り始めて1時間もせずにこの暑苦しい樹林帯を抜け出ることができた。
期待しているのは振り返って見た時の尾瀬湿原だ。
もちろんこの先、更に標高を稼げばより見晴らしが利くのは分かっているが、早く広大な湿原を一望したい。
「宗ちゃん、見えてきたぞ!」
「おぉ~すっげぇー! 上に登ればもっとよく見えるんでしょうね。」
心地よい風が肌をなでてくれている。
実に気持ちの良い秋の山だ。
至仏山は標高は2200mをわずかに越える程度。
お手頃登山にはもってこいの山だ。
自分の家からでも十分に日帰りができる。
そしてこの紅葉。
(「癒されるなぁ・・・」)
心の中でそう何度も呟いた。
少し標高が上がればそれだけ湿原が見えてくる。
燧ガ岳もバッチリだ。
宗次郎君、御満悦かな。
これだけの晴天と紅葉と見晴らしに恵まれていながら、一つだけ気にかかることがあった。
登山道に点在する岩だ。
ルートの途中に至仏山に関する情報が掲示されており、それを読むとこの岩は「蛇紋岩」というらしい。
自分にとっては聞き慣れない名称なのだが、この蛇紋岩、とにかくよく滑る。
登山靴のソールなど一切無視されてしまっているかのようにスリップするのだ。
「ふ~ん、蛇紋岩かぁ・・・」
「知っているんですか?」と聞かれたが、初耳だった。
恥をさらせば、高山における樹木や花などでさえ、見てすぐに名前が言えるものなど十数種類しかない。
ましてや鉱物ともなれば「???」で、せいぜい花崗岩程度しか知らない。
この蛇紋岩のために、今日は何度危険な目に遭ってしまっているか。
一歩一歩を慎重に踏みしめてはいても、思わず「ツルッ!」と行ってしまう。
そんないやらしい岩だ。
それでもこの青空と紅葉に癒されながら登る山のなんと清々しいことか。
まぁ相変わらず嫌いな階段は出てくるのだが・・・。
と思っていると、今度はスラブのような蛇紋岩が現れた。
「いやぁーこれはきついですね」
「宗ちゃん、まぁゆっくり登ろうや。」
幸い鎖が設置されてはいるが、凹凸の少ないスラブと言っても良いだろう。
よっ! 宗ちゃん。カッコイイよ!
夏山のような・・・とまでは行かないまでも、汗はしたたり落ちてくる。
登り始めて1時間もせずにこの暑苦しい樹林帯を抜け出ることができた。
期待しているのは振り返って見た時の尾瀬湿原だ。
もちろんこの先、更に標高を稼げばより見晴らしが利くのは分かっているが、早く広大な湿原を一望したい。
「宗ちゃん、見えてきたぞ!」
「おぉ~すっげぇー! 上に登ればもっとよく見えるんでしょうね。」
心地よい風が肌をなでてくれている。
実に気持ちの良い秋の山だ。
至仏山は標高は2200mをわずかに越える程度。
お手頃登山にはもってこいの山だ。
自分の家からでも十分に日帰りができる。
そしてこの紅葉。
(「癒されるなぁ・・・」)
心の中でそう何度も呟いた。
少し標高が上がればそれだけ湿原が見えてくる。
燧ガ岳もバッチリだ。
宗次郎君、御満悦かな。
これだけの晴天と紅葉と見晴らしに恵まれていながら、一つだけ気にかかることがあった。
登山道に点在する岩だ。
ルートの途中に至仏山に関する情報が掲示されており、それを読むとこの岩は「蛇紋岩」というらしい。
自分にとっては聞き慣れない名称なのだが、この蛇紋岩、とにかくよく滑る。
登山靴のソールなど一切無視されてしまっているかのようにスリップするのだ。
「ふ~ん、蛇紋岩かぁ・・・」
「知っているんですか?」と聞かれたが、初耳だった。
恥をさらせば、高山における樹木や花などでさえ、見てすぐに名前が言えるものなど十数種類しかない。
ましてや鉱物ともなれば「???」で、せいぜい花崗岩程度しか知らない。
この蛇紋岩のために、今日は何度危険な目に遭ってしまっているか。
一歩一歩を慎重に踏みしめてはいても、思わず「ツルッ!」と行ってしまう。
そんないやらしい岩だ。
それでもこの青空と紅葉に癒されながら登る山のなんと清々しいことか。
まぁ相変わらず嫌いな階段は出てくるのだが・・・。
と思っていると、今度はスラブのような蛇紋岩が現れた。
「いやぁーこれはきついですね」
「宗ちゃん、まぁゆっくり登ろうや。」
幸い鎖が設置されてはいるが、凹凸の少ないスラブと言っても良いだろう。
よっ! 宗ちゃん。カッコイイよ!