ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

コミック漫画に学ぶ

2012年05月30日 21時38分58秒 | Weblog
隔週だが毎回楽しみにしているコミック漫画がある。
「ビックコミックオリジナル」に掲載されている「岳ーガクー みんなの山」だ。

掲載が始まって既に7~8年は過ぎているだろうか。
単行本は現在16巻。
一応すべて揃っている。

マイホームは北アルプス山麓にテント住まい。
山岳救助ボランティアをしているという設定で、現実には少々無理はあるが、内容はかなりリアルで面白い。
その「岳」が今週号でいよいよ最終回となる。否、なってしまう・・・。

単独で登攀したエベレストで命を懸けて救助にあたり、危機的状況。
果たしてラストはどうなるのか。
「こうあってほしい」という勝手な願いはあるのだが、何となくではあるが「明日のジョー」のラストシーンを思い出してしまった。
そう、生きているのか、それとも燃え尽きて死んでしまっているのか。
その解釈はあくまでも読者次第ってところだ。
そんな気がしてならない。

何度読み返しただろうか。
ずいぶんと勉強になった漫画だ。
確かに誇張された部分や実際にはあり得ないと思える部分もあるが、そこは漫画の世界で許せる。
専門的知識や技術だけでなく、メンタル的な部分でも実際に役立っている。
そして何よりも読み終える度に「あぁ、山に登りたい」とせつに願う自分がいるのだ。
未だ未踏峰の「槍ヶ岳」と「燕岳」。
この二つの山への憧憬も「岳」の影響となるところが大きい。
「槍ヶ岳」は、今夏にリベンジとして登る予定だが、自身のリベンジとしてだけでなく、嘗て主人公「島崎三歩」と同じ台詞(言葉)を言われたことを思い出したからに他ならない。

「また、山においでよ」
助かった救助者に彼が言う言葉だ。
25年前の夏、高山病と落石事故で憔悴しきっていた自分に、手当をしながら槍ヶ岳山荘のスタッフの方が言ってくれたあの言葉。
「趣味ならば、また来年来ればいいじゃないですか。またここに来てくださいよ。」

かなり遅くなってしまいましたが、必ず行きますね!

私を山に連れてって♪ 「初めてのPEAK」

2012年05月30日 21時19分54秒 | Weblog

典型的なロン毛の山ガールスタイルの娘だったが、PEAKに立てばそれなりの山女にも見えてくる(笑)。
最後は少しきつかったようだが、「よく頑張った」と言ってあげたい。


娘とのツーショットはそうめったにあるはずもなく、ましてや手をつないでの記念写真は何年ぶりのことだろうか。
幼い頃は当たり前のように手をつなぎ、抱っこしてのポーズだった。
大人になるにつれ、スキンシップは当然減って行く。
この時は自然と手をつないで撮ったが、嫌がられなかっただけ嬉しい(笑)。


さてこの二人だが、ちょっと見ると兄弟の様にも見える(笑)。
もちろん年齢が近いこともある。
初めての筑波山からの眺めはいかがかな、りょうちん。


やはり登山は晴れに限る。
天候に恵まれること、それ即ち小さな幸せなのだ。

いつもながらK島さんには感謝している。
何だかんだといって、頼ってしまっている部分があり申し訳ない。
安全に登攀できたのも、K島さんの存在が大きい。

さぁ、予定より少し遅れてしまったが昼飯じゃぁ~♪


私を山に連れてって♪ 「emergency gear」

2012年05月27日 22時03分15秒 | Weblog

3月末の筑波山とはいえ、それなりに気温が低くなるだろうということは予測できた。
が、今日に限って言えばかなり汗ばむほどの気温に襲われた。

オーバーかな・・・とも思ったが、念のためアルパインジャケットを着用してきた自分が恥ずかしい(笑)。
登攀中はハーフスリーブシャツでも十分な程だ。

今日はいつもと違うミドルレイヤーでのいでたちだ。
以前からどうしても欲しかった「ホグロフス」というメーカーの「インテンスシリーズ」のシャツを着てみた。
このホグロフス。
スウェーデンのアウトドアメーカーで、日本でもかなり知名度と人気は高い。
もちろんそれだけではなく、クライミング業界でも信頼性のある屈指のメーカーだ。
自分にとって何が気に入っているかと言えば、一言で言えば「見た目のシンプルさ」であろうか。
ギヤもクロージングも派手な柄物は殆ど無く、いたってシンプルさを表面に出している。
チャラチャラした連中には似合わない・・・と言うより、彼等(彼女等)にしてみれば物足りなさを感じるだろう。

2月に東京にある日本で唯一のホグロフス専門店まで行き、やっと購入してきた今日のシャツ。
着心地は当然GOOD♪
吸汗速乾性、伸縮性、通気性、保温性共に言うことなしだ。
(でも一番のお気に入りは、やはりmont・bellかな)


初めて筑波山に登るりょうちんにしてみれば、いろんな感動があったようだ。
いよいよ「奇岩」達がお出迎えだ。
「へぇ~」「うぉ~」という歓声が聞こえてくる。


「ここまでくればPEAKはもうすぐだよ」
娘も少し安心したようだ。
なにせここまでかなり飛ばしてきただけに、ややバテ気味。
「だから言っただろう」とは言わなかったが、自分のペースなど分かるはずもなく、致し方のないところだろうか。

PEAKはもう見えている。
「はやく飯にありつきたい」が本音だ。


だが、PEAKの直前の登りでちょっとしたアクシデントと遭遇した。
とは言っても自分たちではない。

突然「どなたかガムテープを持っている人はいませんか?」
登ってきている人達に向かって、何度も繰り返し聞いている人がいた。
先頭を登っている自分にも尋ねてきた。
「どうしましたか?」
「実は靴底が剥がれてしまったんですよ。」
「ガムテープは持ってきてませんが、ちょっと見てみましょう。何とかなるかも知れないです。」

本当にPEAK直前であり、みんなで一緒に感動を味わうことは後回しとなったが、ここで見て見ぬふりをしたらクライマーの名が廃る(ちょっと大袈裟)。

家族で来ていたグループのようだった。
どうやら父親のスニーカーのソールが剥がれてしまったようだ。
みごとに前半分だけがパックリと口を開けていた。
「ああ、これなら何とかなりますよ。」
そう言ってザックからエマージェンシーギアを取り出した。
まずは土やドロを落とし、幅広のテーピングテープを何周か巻いた。
次に「細引きロープ」を用いて縛る。
仕上げはもう一度テーピングテープをぐるぐる巻き。

「あくまでも応急処置ですから、無理はしない方がいいと思います。できれば下山はロープウェイかケーブルカーを利用した方がいいですね。」
そういって、余ったテーピングテープを渡した。
「剥がれそうになったらこれで巻き直してください」

何度も御礼を言われたが、とても気分が良かった。
「いいことをした」とか「人助けをした」とかではない。
自分自身のことなどではなく、ギアが役に立ったことがことのほか嬉しかったのだ。
「万が一の時のために・・・」そう思い常備してきたが、使用することは無かった。
エマージェンシーギアが無駄に終わること。
それは最高の結果であるのだが、実際に役立ったことが嬉しかった。

「備えあれば憂いなし」
「転ばぬ先の杖」
それは山であれば尚のこと言えることだと改めて感じた出来事だった。





私を山に連れてって♪ 「NEW FACE」

2012年05月22日 21時28分00秒 | Weblog
女房と二人で山に登った時とは少し違う思いだった。
はっきり言って嬉しくて仕方がない(笑)。

娘にせがまれ登った筑波山は、「お気軽日帰りトレッキング」ではあるが、もうすぐ家を離れてしまう娘との良き思い出となってくれた。

また、今回一緒に登ったメンバーにひとりNEW FACEがいる。
「モンベルおやまゆうえん店」の新人スタッフの方だ。
名前は・・・え~っと「りょうちん」としておこう(笑)。
そしてK島さんの4人で3月末に筑波山に登ってきた。



華奢な体の娘だけに、筑波山とはいえ「果たして・・・」という心配はあった。
後ろから見ていても「あの細い足じゃなぁ・・・」と不安で一杯だった。
また、どう見ても典型的な「山ガール」にしか見えない。
まぁ筑波山だし、急ぐ登攀でないことだけは確かだ。
ゆっくりと登ろう。

湘南BOYのりょうちんと、一見「山ガール」の娘はもちろん筑波山は初めてだ。
一般的ではあるが、お馴染みのコースでの登攀とした。
スタート早々、軽快な足取りで登って行く娘だった。
「一定のペースで登らないと後がきついぞ」とアドバイスをするが「大丈夫だから」と言ってさっさと登って行く。
果たしてこの後どうなることか・・・。



天候はまずまずで、やや曇り空。
しかし徐々に汗をかき始めた。
ジャケットを脱ぎ樹林帯を登る。
気付けば木漏れ日が差してきている。
「こりゃ暑くなるぞ」
そう予感がする。
そしてその予感通り、次第に汗が噴き出し始めた。
でもって娘の足取りの軽いこと!
我々三人を置き去りにして先へと登って行く。
「お~い、後でバテるからゆっくり登れ~」
と何度か言ったのだが、若さ故のバイタリティでどんどん距離は離れて行く。
う~ん、後が心配になってきた。


MONSTER・・・宴

2012年05月15日 22時56分26秒 | Weblog

いたって楽勝ムード漂う中での下山だった。
湿り気の少ない雪質に助けられたこともあり、スノーシューの足取りも軽い。
途中の休憩は確か一度とっただけで、リフト乗り場まで一気に降りた。


まさかソロの時はこんなことはしないが、お付き合いいただいたK島さんに感謝だ「バァーン!」(笑)。

ほぼ予定時刻に沿って下山。
リフトに乗りセンターハウスへと向かった。
センターハウスで一服。
腰を下ろしゆったりとした気分での煙草は実に美味い。
「予定していた行動目的の8割は達成できたかな・・・」

本来であればすぐ隣の「西吾妻山」まで縦走したかったのだが、若干の時刻の遅れと天候の悪化で下山を余儀なくされた。
だが、第一の目的であった「樹氷」との出会い。
そして感謝の横断幕、ピラミッドは達成した。

いくつかの反省点も残った。
その最たる物は「PEAK到達時の心の隙」だ。
夏山ではまず考えられないことではあるが、喜びに浸り過ぎてはならないという痛烈なまでの反省点を残した。
そう、『PEAK到達=下山のための下準備』だ。

さて、荷物を持って駐車場へと移動。
とにかく腹が減った!(みな同じ)
ここからがお楽しみタイム。


夕暮れが近づけば外気温は一気に下がる。
もちろん体も冷えてくる。
だったら屋外でなんかやらずに、車内でお湯を沸かしカップ麺でも食べればいいだろう。と、思われがち。
それじゃぁちとつまらない。
安達太良山に続いての雪上クッキングタイム第2弾の始まりだ。

今回はスープ三昧。
「ミネストローネ」「クラムチャウダー」「お汁粉」「カップ麺」と汁系ばかりだが、冷え切った空腹の体にはこの上なく贅沢なメニューだ。


暖まるなぁ・・・体にしみるなぁ・・・。
筋肉の疲労と冷えた体が次第に蘇ってくるようだ。
とは言っても、IさんやK島さんのような若い人達にはそれほどでもないかな。

あとは安全運転で帰ろう!
Iさん、K島さん、「MONSTERに会いに行こう」企画に御参加いただきありがとうございました。
また、次回新たな企画を練り提案したいと思います。


MONSTER・・・胸につのる想い

2012年05月13日 22時32分29秒 | Weblog
感謝のメッセージを綴った横断幕の前では、みんな笑顔だった。
決して作り笑いでないのは確かなことなのだが、それでも心の底辺では一抹の淋しさを持ち、それを隠し、押し殺すかのような想いだったに違いない。

同じ想いを敢えて言葉には出さず、笑って撮った写真。
本当は泣きたい想いだったのではないだろうか・・・。
仕事の上司として、プライベートとしても自分などよりも遙かにお付き合いが長く深いスタッフにしてみれば、きっとそんな感情があったのではないだろうか。

天候は一向に回復せず、ガスは深まるばかり。
ここから先の「西吾妻山」への縦走は危険と判断し、下山することに決めた。
だが、もう一つだけやっておきたいことが残っている。
いつもは自分の職場の山仲間とやるプチイベントなのだが、今日は何としてもモンベルスタッフの人達とやりたかったことだ(笑)。


おきまりの「ピラミッド」だが、やはり楽しい!
「いい歳したおっさんが何やってるの」と言われても仕方のないことではあるが、山は楽しい方がいいに決まっている。
大丈夫!  ○○ちゃん、重くなんかないよ!(笑)。

いざ下山のスタートとなり、下山方向に向けておいたストックを持ち上げ手に通した。
その間わずかに数秒。
しかしその数秒の間に方向感覚を失った。
つまり、ストックをはめるために下山すべき方角から数秒間だけ視線をずらし、体の向きを変えていた。
ハッと思い、振り返ったが「えっ、どっちだったかな・・・」
たかが数秒なのだが、帰るべき方角が分からなくなってしまった。
ほぼホワイトアウトの世界・・・どっちを見ても白い壁。

Iさんが「こっちこっち」と言ってくれたおかげで事なきを得たが、あの時の雪山の恐ろしさは、今思い出しても背筋が凍る思いだ。

固い雪面にはトレースと呼べるような痕跡などどこにも見あたらない。
わずかに見えるスノーシューの爪痕だけを頼りに下山を開始。
「雪面を這う」とまでは言わないが、心境としては将にそんな感じだった。
「これも経験かぁ・・・」
「現場でなけりゃ分からないことってたくさんあるんだな・・・」
「まだまだ俺も甘い・・・」
そんな思いが錯綜していた。


ある程度まで降りてくれば雪質は柔らかくなり、登ってきた自分たちのトレースが明瞭に確認できた。
正直ホッとした。
ここまでくればもう大丈夫だ。

再び会話が弾む。
普段店舗内では交わすことのないプライベートなことまで話題が及び、新鮮だった。
また、登攀時とは比べものにならないほどスムーズな下りで、雪を押しつぶしながらの足の運びは膝にも負担がかからず、いたって快適だ。


ツリースポットに注意しながら下る。
興味本位で覗いてはみたが、かなりの深さであることが分かる。
足だけならまだしも、体ごと落ちたら這い出るのは一人じゃ無理だろうということは容易に想像できた。

にせPEAKを越えたあたりからガスが晴れ、視界良好!
再び樹林帯の中を進む。
安心感からか、すっかり腹が減った。
下山したら思い切り食べるぞー!




MONSTER・・・去りゆく人の為に

2012年05月12日 22時53分41秒 | Weblog

天候の良し悪しに関係なく、PEAKに到達すれば感動がある。
ホッとする思いがあり、「もう登らなくてもいいんだ」とも思う。

この時は確かに嬉しさがあった。
が、その嬉しさや安心感が優先し、やっておくべきことを完全に忘れてしまっていた。
せっかく持ってきた目印の布をセットし忘れてしまっていた。
くくりつけるポイントが無い場合、下山方向に向けて雪面に埋めておくという簡単なことを忘れ、ただPEAKに到達したことに満足しきってしまっていた。
幸いなことに、Iさんがトレッキングポールを下山方向に向けて倒しておいたおかげで下山そのものは方向を見失うことなくスタートすることができた。
だがこれは大いに反省すべきことである。
たとえコンパスと地図と高度計があっても、一歩間違えば方向を見失い「遭難」もあり得るからだ。
雪山ならではの経験の少なさがもたらす「つい」や「うっかり」は、心底怖い。

さて、今日はPEAKでやるべきことがたくさんある。
前回の「安達太良山」でできなかったことをやりたいのだが、モンベルおやまゆうえん店の店長さんや、アルバイトのYさんが店を去ることが分かっているだけに、ちょっとしたサプライズを考えていたのだ。

先ずはおバカなことをやってしまおう。
風はほとんどないが、強烈な寒さであることには変わりはない。
おそらくはマイナス15℃くらいかな・・・。

上半身の服を脱ぎ、急いでバラクラバ(目だし帽)をかぶる。
でもってピッケルを持って「構え~!」
「○○ちゃ~ん、はやく撮って~!」
この行為に何の意味があるのかと言えば、特に何の意味もない。
ただ、なにかおバカなことをやろうか。と言うだけのこと(笑)。
そう、唯の自己満足なのだ。
だが、そんなバカなことでも本気で考え笑って行動に移せる。
これも山仲間だからこそなのだと思っている。
(風邪をひかなかっただけ儲けものかな・・・)

数枚の写真を撮り終え、あわててアンダーシャツを着た。
たかが一枚のアンダーシャツなのになんて暖かいんだろう!
レイヤリングをしてしまっていると気付かないことだが、暖かな空気の層で体をすっぽりとくるんでくれている様だ。
ちなみにこのアンダーシャツは「モンベル・ジオラインエクスペディションシャツ」。
値段はそれなりに高いが、それだけの価値のあるものだと十分に納得できる。

おバカなことはさっさと済ませて、次にとりかかろう。

店長のKさんが「ご栄転」。
アルバイトのYさんが卒業と就職のために辞める。
「何かしてあげられないものだろうか・・・」
自分なりに考えた。
山を愛する者同士として何かないか・・・。
ふいに思いついたのが「PEAKでメッセージを送る」ことだった。
この時のために、店に行き布地を購入し、縁をミシンで縫った。
もちろんミシンなどこんな自分が使いこなせるわけがない。
基本的な使い方だけを女房に教えてもらい、何とか・・・本当に何とか縫うことができた(笑)。
いたるところ曲がったりはしたが、勘弁してほしい(笑)。

そして更なる問題は文字だった。
油性マジックで綴れば簡単なのだが、ここは毛筆にこだわった。
かといって書道の心得があるわけもない。
「まぁなんとかなるか・・・」
という安易な気持ちだったが、「真心」だけは注ぎ綴った。
この計画を喜んで賛成してくれたIさんとK島さんにも感謝だ。





唯の客に過ぎない自分をこれほどまでに暖かく迎えてくれ、励ましていただいたことへの、せめてもの感謝の気持ちを込めた。

別れることはつらい。
だからこれは、去りゆく人の為に自分ができること。

MONSTER・・・お出まし

2012年05月06日 21時32分05秒 | Weblog
PEAK直前の斜度は結構きつかった。
それでも「もうすぐだ・・・」その思いが気持ちを昂ぶらせている。

ガスは濃くなる一方で、不安も高まる。
時間的に言っても「西吾妻」までの縦走は無理かも知れない。
だが、モンスター達が右に左に点在している。


「やっと会えたね!」
そんな言葉が出てきそうなほど嬉しい。


モンスターと呼ぶにはあまりにも可愛い。
表面はガチガチに固まり雪と氷の鎧をまとっているのだが、上を向いたりこうべを垂れて、何か物言いたそうな生き物の様だ。


それにしても視界が悪い。
雪面は雪と言うよりは半ば氷を踏みしめている様だ。
トレースがほとんど残らない状態で、スノーシューの爪の跡がわずかに付く程度。
よく見なければその爪痕さえ見落としてしまう。

そしてPEAKまで直前という嬉しさから、ここで大きなミスをしていることに気付かなかった。
この時のミスは、下山時に自分に与えた不安材料としてかなりのものだった。

春の北アルプスへ

2012年05月05日 19時57分13秒 | Weblog

北アルプスへの春山登山は初めての経験だった。
しかも単独での登攀。
少し度胸は必要だったが、「唐松岳」であれば経験でなんとか行けると判断。
と言うよりは「行きた~い!」という思いで決行。


天候はころころと変わる。
雨かと思えば急好天。
かと思えばホワイトアウトに近いガス。
でもって粗目雪の吹雪。
終始強風には悩まされたが、風が止んだ一瞬に煙草を一服。


「唐松岳頂上小屋」から見た「劔岳」
ガスってはいたが感動のひとときを味わった。


「唐松岳」をバックに・・・。
ダウンベスト(もちろんモンベルね!)を着込んではいたが、外はかなり寒かった。


帰りの稜線、鳴き声で雷鳥が近くにいることに気付いた。
そして2550メートルあたりで「雷鳥」とご対面。
白い雷鳥を初めて見た。
嬉しさのあまり緊張の糸がプッツン。
この直後に「プチ滑落」してしまった(汗)。
5~6メートルほど落ちたが、体とザックの重みで雪に埋もれてストップ。
左手指を負傷しルートに戻るのに一苦労。
やばかった・・・。


白馬三山をバックにポーズ!
もうすぐ下山終了。

帰宅後、女房の作った夕食が心底美味かった。

詳細は後日アップしたい。

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同じ日、白馬岳で6人のパーティーが遭難したらしい。
Tシャツに雨具を着ただけの耳を疑う軽装備。
全員が「低体温症」による死亡だとニュースで聞いた。
痛ましくも気の毒なことではあるが、「起きるべくして起きた事故」ではないか。
あまりにも山を知らなすぎる。
誰かアドバイスをする人はいなかったのだろうか。
出発前に誰かに装備を聞かなかったのだろうか。
防げる事故だったと思う。