ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

時には花を Ⅱ:三県をまたぐ

2016年07月25日 13時05分50秒 | Weblog
ヨッピ橋のすぐ横に、休憩できる椅子が設置されていた。
要所要所には必ず椅子があり、一息つくことができるようになっている。
さすがは尾瀬である。

昼食は各自で持ち寄りであるが、ここでいつものスープを作った。
FDの中華スープに水餃子とコンソメを入れた「洋風中華水餃子スープ」だ。
変わり映えのしないものだが、自分としては一応オリジナルメニューのつもりだ(笑)。


今は曇り空でやや肌寒い。
休憩時の体の冷えにはちょうど良い熱さのスープとなってくれた。
「いっただきま~す♪」


ここから先は竜宮方面へと足を伸ばす予定だが、休んでいる時でもふと周囲に目をやればそこここに花が咲いていた。

「ヒメシャクナゲ」
下を向いた丸い形。そして淡いピンク色が可愛い。


「オゼヌマタイゲキ」&「オオバタチツボスミレ」のコラボレーション。

食べながら、体を休めながらもこうして小さな花たちに囲まれている。
そんな自分が可笑しくて仕方がなかった。

さて、竜宮十字路方面へと再び歩き出した。
木道の両サイドはタテヤマリンドウとヒメシャクナゲが咲き乱れていた。

竜宮でトイレ休憩を済ませ、このまま山の鼻へ戻ろうかと考えたのだが、「ちょっと福島県まで足を伸ばしてみないか?」という自分の提案に「えっ、福島県まで行けるんですか?」「遠いんですか?」と聞かれたので、「そうねぇ、1時間はかかるかなぁ」と答えた。(もちろん冗談である)
「ハハ、冗談だよ。ほんの5分も歩けばすぐ県境だから行ってみよう。」


この辺りは、尾瀬湿原のなかでも数少ない木陰のあるポイントだ。
今日はまだその必要性は感じないが、、真夏ともなればここの木陰がどれほどありがたいかを思い知ることになる。

「はい、ここから手前が群馬県で、この先は福島県だよ。」

二県をまたいでもらってパチリ。
今日は栃木・群馬・福島の三県をまたいでトレッキングをしたことになる。
ちょっと得した気分になった・・・かな。

時には花を Ⅱ:ヨッピ橋

2016年07月22日 13時08分39秒 | Weblog
牛首分岐点を「ヨッピ橋」方面へと左折した。
このルートは初めてであり、どんな出会いがあるのかちょっと楽しみだった。


清流の縁に沿って咲く水芭蕉。
まだかなり冷たそうな水だが、思わず手を入れてみたくなるような透明感溢れる湿原の川だ。
ここでもつい見とれてしまい落ちそうになってしまった。


たぶん「オオバタチツボスミレ」ではないだろうか。
名前を聞かれたが確証はなかった。
群生で咲いていることがなかっただけに、ほんの一輪がかえって目に付いた。


遠くに燧ガ岳を望みながら木道を歩く。
残念ながら山頂付近にはガスがかかっていたが、雨に降られていないだけ今日は良しとしなければならないだろう。

それにしても、この広大な湿原、点在する地塘、そして木道。
何度訪れても飽きることのない自然の風景に心を癒される。
残念ながらこの癒しの風景を上手くカメラに収めるだけの技術とセンスが無い。
絵葉書のような風景を撮ってみたいといつも思ってはいるのだが・・・。
コンデジでもある程度はできると聞いているが、もう少し勉強してみようか。


再びタテヤマリンドウ。
蕾を閉じているものがあったので、比較できるアングルとなってくれた。

ほどなくして橋が見えてきた。
間違いなく「ヨッピ橋」だろう。
「ヨッピ」とは「水の集まるところ」という意味があるらしいが、それがこの地方の方言のようなものなのかどうかは知らない。

さて、午後にもなったし、この辺りでそろそろ昼食タイムとしましょうか!

時には花を Ⅱ:知ったかぶり

2016年07月19日 20時10分19秒 | Weblog
小川のせせらぎに咲く水芭蕉に見とれていると、すぐ先には群生となって咲いているポイントがあった。
木道からやや距離があるため近づいてみることはできなかったが、それなりに見応えのあるポイントだ。

もう殆どの水芭蕉は見頃を終え始めてしまっていると聞いていただけに、この群生との出会いはラッキーと言えよう。
歩きながら見とれてしまい、思わず木道から落ちそうになってしまう程だった。
「いいねぇ、やっぱり、来て良かったね!」
三人の共通する思いだ。

しばらく歩くと今度は「ワタスゲ」を発見。

そして、そろそろ色の付いた花が見つかるといいなぁって勝手に思っていると・・・

ハイ、出ました。
「タテヤマリンドウ」のお出ましです。
はて、この花はてっきり夏の花かと思っていたのだが、これも勝手に思い込んでいただけなのか・・・。
「雨が降ったりして天候が悪くなると花を閉じてしまうんだよ」
と、去年教えていただいた知識を自慢げに話した。
「へぇーそうなんですかぁ 知らなかったですよ。」
(ちょっと自己満足に浸った瞬間だった)


「これは何という花なんですか?」
「ん? 何とかツツジだよ」
「えっ、何とかって何ですか?」
「いや、だから・・・あのぉ~・・・何とかだよ」

こんな具合でおとぼけトレッキングは進んでいった。

さて、またまた知らない、見たことのない花を発見。

背丈が低く、淡いピンク色をした花だった。
(後で調べたところ「ヒメシャクナゲ」とわかった)
この辺り一帯では群生となって至る所に咲いていた花だった。


「地塘」がそこここに見え始めた。
ここでまた知ったかぶりを披露した。
「夏になるとヒツジグサという花が咲くんだけど、一見すると蓮の花に見えるんだよね。」
「羊に似ているんですか?」
「いいや、全然。昔は午後2時あたりを羊の刻って言って、その時間あたりになると咲くからヒツジグサって言うんだよ。」
「へぇー何でも知ってるんですねぇ~」
「うん、トイレに寄った時、壁に写真と説明書きがあったから。自分もさっき知ったばかりなんだけどね。(笑)」

自分の花の知識などそんな程度に過ぎない。

さて、もう少し歩けば「ヨッピ橋」方面への分岐点となる。
そこから先は初めてのルートだ。
ちょっとワクワクしてきた。

時には花を Ⅱ:水芭蕉

2016年07月09日 23時32分56秒 | Weblog
約半年の雪山登山シーズンが終わりを告げ、やっと春山シーズンに突入した5月。
毎年恒例のお花見トレッキングへと出かけた。

「今年はどこの山に登ろうか。何の花を見に行こうか。」
ちょっとだけ嬉しくて、ちょっとだけホッとできる計画立案だ。
候補地は幾つかあったのだが、「そう言えば俺って未だ水芭蕉を実際に見たことがなかったな・・・」と思い出した。
水芭蕉の花がとっくに咲き終え、やたら大きくだらーんと伸びきった葉の状態であれば毎年のように見てはいる。
ということで、今年の5月のお花見は尾瀬と決めた。

今年に限って言えば、降雪が少なく雪解けが早まったこともあり、水芭蕉の開花時期も例年よりも早いそうだ。
最盛期は過ぎてしまってはいたが、なんとかまだ愛でることができる。
職場の仲間を誘って5月の末に尾瀬へと出発した。
日帰りであることから、鳩待からスタートし、竜宮あたりまでの往復ルート。
「お気楽お手頃お散歩コース」ってところだろうか(笑)。

平日であり比較的空いているようだったが、一日を通して団体さんと多くすれ違った。
鳩待にもツアーとおぼしき複数の団体さんがいた。

小雨降る中のスタートだったが、今日は珍しく傘を使用してみた。
「まぁ尾瀬の木道程度なら大丈夫だろう・・・」
風も殆ど無く、正解!

山の鼻に近づく頃、遂に水芭蕉を発見。

初めて生で見た水芭蕉だ。
葉は何となくチンゲンサイの様にも見え、食べられるんじゃないかと錯覚する程新鮮だった(笑)。

しばらく歩いて行くと、見覚えのある可愛い花の群生に出会った。
上高地と徳澤とを結ぶトレッキングルートで見た「ニリンソウ」だった。
体力的にも技術的にもきつかった穂高の雪山から下山し、自分を癒してくれたニリンソウは忘れもしない。

「そっか、尾瀬にもあったんだ。」
そんな当たり前のことすら今まで知らなかった。
二週間程前に上高地で見たときはまだ開花前で、うっすらとピンクに染まった蕾だった。
いつもなら心を癒されるこの花だが、今日はアイスバーンで苦労した奥穂高岳を思い出した。

山の鼻からはいよいよ木道ルートとなり、広大な尾瀬湿原を縦走する。
一緒に行った仲間は初めての尾瀬であり、その広大さ、静けさ、花の美しさに感動していた。


木道の左手に小川が流れており、「ひょっとして・・・」と探してみれば・・・。
「おぉ~やっぱり!」
そうそう、どうしてもこれを見てみたかったのだ。
湿地帯の中ではなく、水の流れの中に咲く水芭蕉だ。

自分が勝手に思い描く水芭蕉のイメージとほぼ同じだ。
暫し木道に佇みじっと愛でる。
最盛期は終わってしまったといえ、水の流れの中のこの花を見つけることができただけで来た甲斐があった。

奥に見える黄色い花はたぶん「リュウキンカ」だろう。

水芭蕉とリュウキンカのコラボレーションに喜んでいたが、この日は様々な花のコラボレーションと出会うことになった。
さすがは尾瀬! やっぱり尾瀬!

時には花を Ⅰ:何故か劔岳を思い出す

2016年07月06日 00時58分32秒 | Weblog
早くネモフィラという花畑を見たい思いではあったが、チューリップガーデンもなかなかのもので目移りしてしまっていた。

来年の開花用ではあるが、球根も販売されていた。
購入しようかどうか迷っていたが、我が家の庭は猫の額であり、今更球根の数を増やすまでもないだろう。
むしろ今まで通り開花期間の長いアイフェイオンとパンジーの組み合わせで十分だと思った。

少しずつネモフィラの咲く丘に向かって歩いてはいるのだが、これまた可愛いオランダ風情が目に入ってきた。

中央の風車の所までは歩いて行けるので、女房に「写真撮ってあげるから」と言ったのだが「やめて恥ずかしい」の一言で終わってしまった。
まぁ予想通りの返答だったが・・・。


一枚くらいは一緒に撮った(笑)。

さて、第一の目的であるネモフィラの丘へと進んだ。
やや距離はあるものの、その広大さと青さは一瞬足を止めてしまう程の見事さであった。

人の多さは少々残念であるが、十分見応えのある美しさだ。

見る角度(太陽の位置など)によって、僅かながら色に違いがあるようにも見えるが、一つ言えることは、このネモフィラは日に当たらなければ育成しないということ。
樹木の真下や陰になっているポイントにほとんどネモフィラは育っていないのだ。


丘の上までゆっくりと歩いた。
するとどうだろう、花と空とに続き三つ目の青い世界が見えてきたではないか。

久しぶりに見る太平洋だ。
青い花、青い空、そして碧い海。
しばし佇み見とれてしまう風景だった。

「あれっ、これってどこか感じが似てるな・・・」
ふとそう思った。
二年前の夏に長治郎谷から劔岳を目指した時に出会ったあの風景だ。

真夏の日差しに照らされた万年雪の雪渓は、12本爪のアイゼンでさへ十分に噛んではくれず、おまけに50°近い急斜面に疲労困憊気味だった。
心臓をバクバクさせながらやっとの思いで登り切り辿り着いた長治郎のコル。
そこから見えたものは海だった。
あの時の感動は今でも鮮明に覚えている。

一人思い出に耽っていると、突然女房が「もう少し海が大きく見えるといいわね」と言ってきた。
「いいところがあるんだよ。一度は見せてあげたい。」
「えっ、どこ?」
ちょっと苦笑いをしながら答えた。
「劔岳へのバリエーションルートにある長治郎谷を登り切ると、長治郎のコルという場所があって、そこから見る日本海が最高なんだよなぁ。夏の空の青と海の碧とを3000mの高さから見ることができるんだ。ものすごい贅沢な風景なんだよなぁ。」

しみじみと、そして真剣に答えたつもりであったが「無理無理」とあっさり(笑)。


丘を下り最後にもう一枚だけシャッターを切った。


完全な観光花畑ではあるが、それもまた良し。
今年の夏は、どんな高山植物を見に行こうかと楽しみになった。

海浜公園を後にし、那珂湊方面へと向かった。
偶然ではあるが、海岸沿いの道へ出る手前で信号待ちとなった。

交差点の向こうに海が見える。
これさへもラッキーな風景に思えてならない。
「山もいいけど、海もいいねぇ」
何気なく言った一言だったが、「お腹空いた」の返事。
ロマンが音を立てて崩れていった瞬間だった(笑)。

時には花を Ⅰ:ひたち海浜公園

2016年07月04日 01時34分39秒 | Weblog
GWの直前、家の花壇にも色とりどりのチューリップが咲き誇る。

この一年、高山植物をほんの少しだけ知ったこともあり、身近な花を愛でる日帰り旅行へと出かけた。

茨城県はひたちなか市にある「ひたち海浜公園」へは、北関東道を利用すれば1時間ちょっとで着くことができる。
平日ということもあり、それほど混雑はしていないだろうと思いきや、かなりの来園者で賑わっていた。

本来の目的は「ネモフィラ」という水色の花を見ることなのだが、ゲートから入るやいなやあまりにもカラフルなチューリップのお出迎えがあった。

日本におけるチューリップの産地と言えば富山県であろう。
本場のチューリップはまだ見たことはないが、ここはここで思わず「おぉ~!」と声を出してしまう程見応えのあるものだった。
カラフルであることはもちろんだが、その色の組み合わせがまた見事であった。
しばらくはネモフィラのことなど忘れてしまう程のチューリップ畑に足を止められてしまった。

ムスカリとの組み合わせがいいね♪

あっちでパチリ、そっちでパチリ。
女房と一緒に出かけたのだが、いつのまにか二人で別行動を取り、勝手に撮りまくっていた。
多くの来園者がおり、できるだけ人を入れないで撮るのが大変だった。

高山植物があくまでもごく自然に芽吹く花であれば、こちらは人間の手により人工的に植えられたもの。
ましてや新種ともなれば、これまた人間により交配されたものである。
どちらがいいというのではなく、それぞれに良さがあるのだ。
まぁ強いてどちらかに軍配を上げなければならないとすれば、やはり高山植物になろうか。
「周りに人が少ない」のがその理由だ。

それはさておき、今日は人工的であれ何であれ花を愛でに来た訳であるから面倒くさいことは抜きにして楽しもう。

見たこともない種類のチューリップが咲き誇っている。
一つだけ残念なことは、青い色のチューリップが無かったことだろうか。
単に自分が好きな色と言うだけなのだが、青だけは交配ができないのだろうか。
そんなことを勝手に考えながら公園内を歩いた。

やっと見覚えのある女性と会うことができた(笑)

夢中でカメラに収めている女房だ。

もとよりここに行こうと言いだしたのは女房の方で、時季限定のネモフィラが見たいと言ってきた。
今年は例年よりも開花が少し早いことを知ったのだが、どうせ海のすぐ傍まで行くのなら、昼食は海の幸を食べようと決めた。
花も良いが美味い魚もいいね。