雷鳥平キャンプ場を過ぎ橋を渡り、いよいよ雷鳥坂へと差しかかった。
「思っていたよりも暑くなりそうだ・・・」
そう感じさせる程の残暑の日差しだった。
岩だらけの緩やかな上り坂を越え、稜線へと上がる。
その上がり口になるのが通称「ナナカマドカーブ」と呼ばれるポイントだ。
通称とは些か大袈裟で、これは稜線への上がり口の角にナナカマドがあるからだけのことで、自分が勝手に名付けただけのこと。
もちろん地図にもそのようなポイント名は存在しない(笑)。
ここに来ると「いよいよ雷鳥坂だ」と思い、下山時であれば「やっと終わりか・・・」と感じる。
紅葉にはまだまだ早かったが、ここから始まる急登攀に備え水分を補給した。
徐々に汗が噴き出し始め、その汗は頬を伝い顎から地面へと落ちていった。
「あの時(7月末)の寒さが嘘のようだ。」
何度もそう思いながら一歩ずつ足を運ぶ。
時折足を止め空を見上げた。
「なんて青さだ。たまんないなぁ!」
快晴であり、汗が流れ出るとは言っても真夏程の暑さではなく、心地よい暑さだった。
稜線を登りながら気付いたことがあった。
自分の後方から何やらにぎやかな会話の声がずっと聞こえている。
振り返ると二人組の女性登山者だった。
年齢的には自分とそうは変わりないだろうか・・・。
それにしても元気だなぁと感心してしまう程大きな声だった。
自分が休憩を終えスタートし始めようとする頃に自分に追いつき挨拶を交わした。
その後はずっとその繰り返しで、挨拶はやがて会話へと変わっていった。
そしていつの間にか三人一緒に稜線上を登るようになっていった。
一本の飛行機雲が見えた。
初秋ではあったが、見上げた空は夏そのものだった。
数分後「あっらー、いつの間にか一杯!」
女性の声に誘われるように空を見上げると、四本のラインが大空に引かれていた。
滅多には見られないと思った。
「なんか得した気分になりましたよ。」
「やっだー、元気もらっちゃった感じねぇ」と言い大声で笑う二人。
いやいやどうして、その笑い声に自分が元気をもらった思いだ。
休憩時には、何と!よく冷えたリンゴを頂いてしまった。
恐縮の限りだった。
こんな時にこんな場所で冷えたリンゴが食べられるだなんて、唯唯感謝である。
お二人は地元富山県の方で、この辺りは何度も来ているそうだ。
今日は日帰りで劔御前まで登るという。
「地元っていいですね、羨ましいです。日帰りで来れるんですから。」
「そうなのよ、住んでるところは魚津っていうところだから、朝早く出れば日帰りができちゃうのよ。」
と言ってまた大きな笑い声。
この二人の笑い声を聞くだけで、いつものBCAAやOCAAは不要だった。
疲れを疲れと感じさせないくらいのパワーがある(笑)。
雷鳥坂最後の急登攀になった。
ここさへ登り切れば乗越(のっこし)だ。
今日一番の頑張りどころである。
ナナカマドカーブから乗越まで1時間40分で来た。
想定よりも30分ほど早く着くことができた。
これもこの二人の天然BCAAのおかげだろう(笑)。
というか、このお二人の体力もかなりのものだと思った。
劔御前小舎前で劔岳を見ながら一服した。
そして行動食を食べながらお互いの物を「どうぞ」と受け渡しをした。
お二人とはここでお別れである。
心なしか淋しい。
久しぶりの単独で臨んだ劔岳のはずだった。
今日一番の頑張りどころのはずだった。
頑張るどころか、いたって楽しく登ることができた。
別れ際に握手をし、記念写真を撮った。
エネルギーとポジティブさを頂いた魚津からのお二人。
ありがとうございました。 m(_ _)m
「思っていたよりも暑くなりそうだ・・・」
そう感じさせる程の残暑の日差しだった。
岩だらけの緩やかな上り坂を越え、稜線へと上がる。
その上がり口になるのが通称「ナナカマドカーブ」と呼ばれるポイントだ。
通称とは些か大袈裟で、これは稜線への上がり口の角にナナカマドがあるからだけのことで、自分が勝手に名付けただけのこと。
もちろん地図にもそのようなポイント名は存在しない(笑)。
ここに来ると「いよいよ雷鳥坂だ」と思い、下山時であれば「やっと終わりか・・・」と感じる。
紅葉にはまだまだ早かったが、ここから始まる急登攀に備え水分を補給した。
徐々に汗が噴き出し始め、その汗は頬を伝い顎から地面へと落ちていった。
「あの時(7月末)の寒さが嘘のようだ。」
何度もそう思いながら一歩ずつ足を運ぶ。
時折足を止め空を見上げた。
「なんて青さだ。たまんないなぁ!」
快晴であり、汗が流れ出るとは言っても真夏程の暑さではなく、心地よい暑さだった。
稜線を登りながら気付いたことがあった。
自分の後方から何やらにぎやかな会話の声がずっと聞こえている。
振り返ると二人組の女性登山者だった。
年齢的には自分とそうは変わりないだろうか・・・。
それにしても元気だなぁと感心してしまう程大きな声だった。
自分が休憩を終えスタートし始めようとする頃に自分に追いつき挨拶を交わした。
その後はずっとその繰り返しで、挨拶はやがて会話へと変わっていった。
そしていつの間にか三人一緒に稜線上を登るようになっていった。
一本の飛行機雲が見えた。
初秋ではあったが、見上げた空は夏そのものだった。
数分後「あっらー、いつの間にか一杯!」
女性の声に誘われるように空を見上げると、四本のラインが大空に引かれていた。
滅多には見られないと思った。
「なんか得した気分になりましたよ。」
「やっだー、元気もらっちゃった感じねぇ」と言い大声で笑う二人。
いやいやどうして、その笑い声に自分が元気をもらった思いだ。
休憩時には、何と!よく冷えたリンゴを頂いてしまった。
恐縮の限りだった。
こんな時にこんな場所で冷えたリンゴが食べられるだなんて、唯唯感謝である。
お二人は地元富山県の方で、この辺りは何度も来ているそうだ。
今日は日帰りで劔御前まで登るという。
「地元っていいですね、羨ましいです。日帰りで来れるんですから。」
「そうなのよ、住んでるところは魚津っていうところだから、朝早く出れば日帰りができちゃうのよ。」
と言ってまた大きな笑い声。
この二人の笑い声を聞くだけで、いつものBCAAやOCAAは不要だった。
疲れを疲れと感じさせないくらいのパワーがある(笑)。
雷鳥坂最後の急登攀になった。
ここさへ登り切れば乗越(のっこし)だ。
今日一番の頑張りどころである。
ナナカマドカーブから乗越まで1時間40分で来た。
想定よりも30分ほど早く着くことができた。
これもこの二人の天然BCAAのおかげだろう(笑)。
というか、このお二人の体力もかなりのものだと思った。
劔御前小舎前で劔岳を見ながら一服した。
そして行動食を食べながらお互いの物を「どうぞ」と受け渡しをした。
お二人とはここでお別れである。
心なしか淋しい。
久しぶりの単独で臨んだ劔岳のはずだった。
今日一番の頑張りどころのはずだった。
頑張るどころか、いたって楽しく登ることができた。
別れ際に握手をし、記念写真を撮った。
エネルギーとポジティブさを頂いた魚津からのお二人。
ありがとうございました。 m(_ _)m