池ノ谷乗越に立ち、ガリーを見下ろす。
天候(有視界)にも恵まれ、遥か北方稜線までをも見通すことができた。
僅かに二年前の夏、濃いガスの中で何度か道迷いしながらも辿り着いた乗越だった。
初めてのガリーにややおののく自分だったが、裏剱の圧倒的な岩峰群に感動もした。
「せめてガスが取れて風景が愛でればなぁ」と何度も思ったものだ。
乗越から改めて北方稜線とガリーを見下ろす。
手前の赤丸が「小窓の王」であり、その下部に伸びている赤い矢印の直線部分がバンドとなる。
通称「発射台」とも呼ばれており、このバンドがなければどうやって北方稜線を縦走するのかと考えてしまう程ありがたい貴重なバンドだと思う。
そして気になったのが、ほぼ中央部分にある青丸だ。
雪渓であることは遠目でも分かるのだが、果たしてあの滝の様な急斜面の雪渓なのだろうか。
「こんな急角度の雪渓をトラバースだなんて・・・。なるほど滑落死亡者が出るのも当然か。」
そう思いながらかなり慎重に渡った覚えがある、あの雪渓なのだろうか。
懐かしさを伴いながら暫し見とれてしまった。
さてほんの短時間だが、せっかくここまで来たのならガリーを体験せずに通り過ぎてしまうにはもったいない。
5分程度だけ下ってガリーを体感してもらうことにした。
先ずは自分が先に下る。
注意することは第一に慌てないこと。どれほどゆっくりと一歩を踏み出しても岩は必ず崩れる。
だからその崩れをどれだけ抑えることができるかだ。
この辺りはまだ良い方で、足場もそれなりに落ちついいている。
この先からは細かな瓦礫が積み重なった状態であり、どこを通っても大なり小なり岩雪崩は起きる。
「これじゃストックがあってもあまり意味がないですね。」
と苦笑いしながら一歩一歩に苦労しているAM君だったが、そろそろ戻らねばならない。
予定しているコースタイムにあまり余裕がないのだ。
残念ではあったが乗越まで登り返すことにした。
「次は単独でおいでよ。北方稜線もなかなかのところだし、ガリーを嫌と言う程味わうことができるよ。(笑)」
「いやぁ・・・まだ無理っす。」
彼の本音だろう。
完全ではないが、赤い矢印の線が北方稜線ルート。
途中にある青丸が「三の窓のコル」と呼ばれ、ここに数張りテントを設営することも出来る。
いつかは晴れた日にあのコルに立ち、三の窓雪渓(三の窓氷河)を見下ろし、クレオパトラニードルを見上げてみたいものだ。
コルから乗越までの区間が池ノ谷ガリーであり、一般的には一時間程で登ることが出来る。
この画像ではあまり正確性が無いため短い距離にしか見えないが、けっこうなかなかのものだ。
参考までに・・・。
小窓の王のバンドあたりから見たガリーと北方稜線。
かなりの急斜面であることが分かる。
ガリーのアップ画像。
ガレ場であることが良く分かる。
上部の緑の四角ポイントが池ノ谷乗越であり、自分たちが反対側から登り切った場所。
その下にある赤丸辺りが今回下ってみたポイント。
上半身を前屈みにした程度では登攀することはできない。
斜度が急なだけならまだしも、足元のあまりの不安定さにどうしても手を突いてしまうし、そうしなければ危険すぎる。
乗越に戻った後に感想を聞いてみたが、想像以上に不安定で厳しかったらしい。
さて、少しエネルギーを詰め込んだら今度は岩壁登攀だ。
まだまだ続くよ裏剱北方稜線!
天候(有視界)にも恵まれ、遥か北方稜線までをも見通すことができた。
僅かに二年前の夏、濃いガスの中で何度か道迷いしながらも辿り着いた乗越だった。
初めてのガリーにややおののく自分だったが、裏剱の圧倒的な岩峰群に感動もした。
「せめてガスが取れて風景が愛でればなぁ」と何度も思ったものだ。
乗越から改めて北方稜線とガリーを見下ろす。
手前の赤丸が「小窓の王」であり、その下部に伸びている赤い矢印の直線部分がバンドとなる。
通称「発射台」とも呼ばれており、このバンドがなければどうやって北方稜線を縦走するのかと考えてしまう程ありがたい貴重なバンドだと思う。
そして気になったのが、ほぼ中央部分にある青丸だ。
雪渓であることは遠目でも分かるのだが、果たしてあの滝の様な急斜面の雪渓なのだろうか。
「こんな急角度の雪渓をトラバースだなんて・・・。なるほど滑落死亡者が出るのも当然か。」
そう思いながらかなり慎重に渡った覚えがある、あの雪渓なのだろうか。
懐かしさを伴いながら暫し見とれてしまった。
さてほんの短時間だが、せっかくここまで来たのならガリーを体験せずに通り過ぎてしまうにはもったいない。
5分程度だけ下ってガリーを体感してもらうことにした。
先ずは自分が先に下る。
注意することは第一に慌てないこと。どれほどゆっくりと一歩を踏み出しても岩は必ず崩れる。
だからその崩れをどれだけ抑えることができるかだ。
この辺りはまだ良い方で、足場もそれなりに落ちついいている。
この先からは細かな瓦礫が積み重なった状態であり、どこを通っても大なり小なり岩雪崩は起きる。
「これじゃストックがあってもあまり意味がないですね。」
と苦笑いしながら一歩一歩に苦労しているAM君だったが、そろそろ戻らねばならない。
予定しているコースタイムにあまり余裕がないのだ。
残念ではあったが乗越まで登り返すことにした。
「次は単独でおいでよ。北方稜線もなかなかのところだし、ガリーを嫌と言う程味わうことができるよ。(笑)」
「いやぁ・・・まだ無理っす。」
彼の本音だろう。
完全ではないが、赤い矢印の線が北方稜線ルート。
途中にある青丸が「三の窓のコル」と呼ばれ、ここに数張りテントを設営することも出来る。
いつかは晴れた日にあのコルに立ち、三の窓雪渓(三の窓氷河)を見下ろし、クレオパトラニードルを見上げてみたいものだ。
コルから乗越までの区間が池ノ谷ガリーであり、一般的には一時間程で登ることが出来る。
この画像ではあまり正確性が無いため短い距離にしか見えないが、けっこうなかなかのものだ。
参考までに・・・。
小窓の王のバンドあたりから見たガリーと北方稜線。
かなりの急斜面であることが分かる。
ガリーのアップ画像。
ガレ場であることが良く分かる。
上部の緑の四角ポイントが池ノ谷乗越であり、自分たちが反対側から登り切った場所。
その下にある赤丸辺りが今回下ってみたポイント。
上半身を前屈みにした程度では登攀することはできない。
斜度が急なだけならまだしも、足元のあまりの不安定さにどうしても手を突いてしまうし、そうしなければ危険すぎる。
乗越に戻った後に感想を聞いてみたが、想像以上に不安定で厳しかったらしい。
さて、少しエネルギーを詰め込んだら今度は岩壁登攀だ。
まだまだ続くよ裏剱北方稜線!