ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

男体山と劔岳

2011年07月29日 22時12分15秒 | Weblog
男体山登攀を前にして、女房が捻挫をしてしまった。それも利き足の右足首だ。
電話で状況を聞くが、やはり実際に見てみるまでは何も言えない。
帰宅後すぐに足首を見た。
幸いにして「腫れ」はほとんど無い。
と言うより、「腫れ」なのか「ぜい肉」なのかの区別がつかなかった(笑)。
これを言うとどんな仕打ちが待っているか怖いので、口には出さなかった。
(まったく、昔はモデルのようなスリムボディだったのになぁ・・・)

さて、愚痴はこれくらいにして。
白のテーピングテープで足首を固定しようと思ったのだが、ここはキネシオテープに換えた。
テーピングというものをほとんどしたことのない人が、いきなり完全固定をしてしまうことの反動が心配だった。
例えば「皮膚のかゆみやかぶれ」がある。
また、テープを剥がすときに、最悪皮膚の表面も一緒に剥がしてしまう可能性もある。
テーピング用のラップを持っていなかったので、ここは伸縮性のあるキネシオで軽く固定した。

ついさっきのことだ。
足首の状態は良好で、痛みは感じないらしい。
これなら何とか登れるかな・・・。
ということで、ソファーと脚立を利用して簡単な「登攀技術講習会」を実施した。
基本的なことを三点のみ。
全くの初心者にあーだこーだと多くを言っても無駄なこと。
①より安全確実なホールドの仕方。
②より安全確実なスタンスの仕方。
③三点確保の徹底による移動。
本来であれば「トレッキングポール」を使ってほしいのだが、それを使用する場は、それがなくても何とかなる。
最大の心配は岩場だ。
岩場が何よりも好きな自分と違って、初心者がいきなりの岩場となる今回の男体山。
あぁ~心配だ。
********************************
そして昨夜は、いよいよ劔岳・立山縦走の地図作りに入った。
地図は三種類。
一つは「電子ポータル」からプリントアウトしたもの。
これは日頃から自分が利用している地図だが、難点はつなぎ合わせなければならないこと。
これがちょっと面倒なのだが、今回は「室堂→剣澤小屋」「剣澤小屋、劔岳の往復」「剣澤小屋→立山連峰→室堂」の小区間3種類であり、それほど枚数はなかった。
つなぎあがった地図に赤の点線でルートを表記し、主な各ポイント間に一般的な所要時間を記入。そして最後に「磁北線」を引いて完成。
二つ目はガイドブックに掲載されている地図をコピーするだけ。
これは、まるまる一冊を持たずに済ませるためのもの。また、特に「難所」に関しては独立したページで拡大されており、更に各ポイントの注意事項が記されている。
三つ目はいつもの「山と高原地図」。
これはそのままもって行くので、磁北線を引くだけで済む。

地図を作っていると女房が聞いてきた。
「今回は誰と行くの?」
「いや、俺独りだけど・・・」
「えっ、独り!?」
「前にも言っただろ。」
「ふ~ん、そうなんだ・・・」

しばしの沈黙が怖かった(笑)。
確か何度か「独りだよ」と言ったつもりなのだが。
「ヤマケイアルペンガイドシリーズ8:劔・立山連峰」の本を手にし、ページをめくっている。
何も言わない。それが怖いなぁ。


遂にMOC本番:8合目到着

2011年07月29日 21時34分42秒 | Weblog
雨は霧雨っぽくなってきた。
12:25、8合目に到着し、ここで一息入れた。
一緒に参加した唯一の女性「S」さん、ちょっとつらそうに見える。
疲労、天候等々良くない条件が揃ってしまったからだろうか・・・。
確かにこの男体山は将に直登オンリーの独立峰。特に登攀の後半はそれなりに厳しい条件が待っている。
だが、この8合目を過ぎさえすれば少し緩斜面となり、岩場も無い。
前回ソロで登攀したときは、ここからちょうど40分でピークだった。
このメンバーならゆっくり登っても1時間もあれば大丈夫だろう。
頑張れSさん!

相変わらず元気印一杯なのは隊長のKさんだ。
Kさんにとって男体山程度は「登山」の域に入らないのではないかと思うほど楽勝ムードが漂っている。
自分のようなおやじには、すでに失った多くのものを持っている。
「若い」ということは、唯それだけで素晴らしいことなのだ。
30歳を前にして、本格的な登山を止めてしまった自分を振り返れば、あまりにも長い歳月、なんと無駄に過ごしてきてしまったことか。
もし、自分がKさんの年齢であったなら、間違いなく毎年北アルプスや2000メートル級の雪山へ登っていただろう。

情熱だけはまだ失っていないつもりだ。
しかし、それだけで登れるほど山は甘くない。
技術や経験だけで登れるほど甘くない山は多く、標高が高くなれば、「山に選ばれた者」だけしか登れない山もある。

さぁあと1時間あまりだ。
天候は悪いが、ピークがみんなを待っている!
でもって「腹減った~!」

遂にMOC本番:雨の洗礼

2011年07月27日 23時18分49秒 | Weblog
7合目の避難小屋に到着し休憩をとった。
もちろん水分と塩分の補給をするが、小腹も空き始めいつもの「スニッカーズ」を食べようとしたのだが・・・。
「どうぞ、食べてください。」と、K隊長からいただいたのは、なんとスニッカーズだった。
御厚意に甘えいただいた。そして食べながら思ったこと。
(「う~ん、やはり同じ山男同士、考え、嗜好は一緒か!」)
ちょっと嬉しかったが、単なる偶然だろう(笑)。

一服していると、なにやらポツポツと落ちてきた。
「遂に来たか。ちょっと早過ぎるなぁ。」
そう思っていると、あっという間に雨あしは強くなり、小屋の中に避難せざるを得ない状況になった。
みんな急ぎレインウェアを着る。
トタン屋根に打ち付ける雨の音は一段と大きく強くなってきた。
このまま大粒の雨か・・・と不安になったが、幸いに一時的なもので登攀再開。

8合目に近づく頃にはフードを外しても大丈夫なほどに弱まってくれた。

山を登るときは、「晴れ」にこしたことはない。
あらゆる意味で「晴れ」がいい。
雨に降られながらの登攀下山は、できることなら避けたいのは誰も同じ思いだろう。
「これも思い出になる」と割り切るにはちょっと無理があるが、この程度の雨であれば、濡れた岩場での登攀下山経験をするにはちょうどいいかも知れない。

ここからなら1時間もあれば十分にピークだ。
四度目のピークで初めての雨となる。食事を摂る場所が少し心配だ。

遂にMOC本番:ストック

2011年07月25日 22時08分42秒 | Weblog

三度目の男体山ともなれば、ある程度でもルートの状況は記憶している。
4合目からは徐々に勾配がきつくなり、岩場へとつながってくる。

一応ストック(トレッキングポール)は使用しているのだが、どうにも巧く使いこなせていないのが現状だ。
今まで「あれを使うほど体力は落ちちゃいない」だなどと嘯いていた自分だっただけに、いざ使ってみて、その場その場に応じた適切な使いこなしができていない。
こればかりは、本で読み頭で理解していてもどうにもならないことが多い。
「先ずは実践。現場で慣れろ」であろうか。

何よりも岩場になってから使用するか否かの判断に迷った。
前回のソロのときは、膝への負担軽減を最優先し、登攀時はザックにしまうことなく、常に手にしていた。
岩場での状況により、短くしたストックか、手でホールドかを自分で判断した。
だが、その判断が正しかったかどうかは定かではない。(自信がない)

今日は比較的ゆっくりとした登攀であり、岩場での無理なストック使用はやめた。
なぁ~んて、まるで自分一人で考え決定したようなことを綴っているが、本当はインストラクターのKさんの指導による一言があってのことだ(笑)。
師匠の言うことは絶対であ~る!

MOC:第2回男体山登山

2011年07月24日 21時53分37秒 | Weblog
台風一過の7月23日(土)、第2回目のMOC男体山登山に参加した。
すべては劔岳縦走のためで、その調整として登攀した。

今日は7月24日(日)。
朝起きて、昨日の体の疲れはない。ないのだが、サッカーの審判で3試合走った。
しかも3試合とも主審だった。
2試合目までは特に疲労は感じなかったのだが、さすがに3試合目はきつかったなぁ。
膝の痛みがこのとき出はじめた。
(やばいかも・・・。)
そうは思っていても、「痛い」という余計な感情を持ったままのジャッジは危険で、瞬時の判断に遅れとくるいと迷いが生じるのは必至。
ゲームに集中した。(でも痛かった)

昨日の天候は申し分なく、気温もそこそこ低め。
絶好の登山日和となってくれた。
自分を含めて参加者は6名。
みなソロでの参加であり、地元だけでなく東京や宮城からの方もいた。
また、30代~60代までと年齢層も幅広く、面白いMOCとなった。

登山経験や体力に違いはあるが、男体山への登攀経験があるのは、インストラクターである店長のKさんと自分のみ。
これが、最終的には意外な結果となって現れた。
ひたすら直登し、ひたすら下山しなければならない独立峰「男体山」のもつ怖さであろうか。

劔岳登攀までもう一か月を切った。
今回はウルトラライトではなく、水を5リットル、他に実際には使用しないギアをザックに詰め、計16㎏で臨んだ。
不思議と「重い」という感じがしない。体がいい感じで出来上がりつつあるのだろう。
下山中の膝の痛みも無かった。
今の調子を維持したい。

詳細は後日綴るが、昨日は登攀に4時間30分、下山に3時間45分かかり、昼の休憩を含めれば約10時間の長丁場となった。
「10時間かぁ、ひょっとして、あの平ヶ岳以来かも。思い出すなぁあの時の苦しさ(笑)。」
そんなことを思い出しながら、下山後ブーツを脱いだ。
そして、あらためて思った。
経験、技術、年齢、体力、持久力、運動能力、そして場(状況)に対する不安や恐れといったメンタリティ。
人それぞれであり、差があるのは当然のこと。
いろんな人が一つのきっかけで集い、共に同じ目標に向かう。
互いに声を掛け合い、気づかい励まし助け合う。
登山ならではの充実した一日を過ごさせてもらった。



いい傾向♪

2011年07月22日 22時55分32秒 | Weblog
昨日の仕事帰り、女房と一緒に再び「モンベルおやまゆうえん店」へと出かけた。
先日、WICの半袖Tシャツと、同じくWICの長袖ラガーシャツを購入したのだが、モンベルのHPに掲載されていた「レイヤリング」の特集を読み、どうやら「ウィンドシェル」か「ソフトシェル」の必要性を感じたらしい。
良い傾向だ!

実は、日中に店に電話を入れ「これこれこういう訳で・・・」と事情を説明しておいた。
俺が女房に言ったところで素直に聞くはずはないと分かっているだけに、トレッキングにおけるあらゆる状況や環境、季節を考慮したレイヤリングについて話をしてほしいと頼んでおいたのだ。
偶然にも電話に出たのはスタッフのIさん。
女性同士だけに話しやすいと思う。助かるなぁ。

女房にとって、今回の男体山は仕事がらみであり特別なこと。
今後いずれかの山へ行くにしても、間違いなく男体山以上の山へ行くことはない。
また、季節にしても初夏から初秋まで。
であれば、おのずと購入すべきクロージングの範囲は決まってくる。
お勧めのウィンドシェルはあったのだが、前述の通り同じことを言っても俺とスタッフとでは聞く態度が違う。
ここはIさんにおまかせした。

さて、やっとのこと一点に絞られたのだが、ここからがまた大変だった。
「カラー」で選択に難航した。
「青にすればスッキリするのに・・・」と思っているが、そこはやっぱり女だった。
数着を取り出し、「こっちがいいかな。う~ん、やっぱりこっちのカラーもいい。」
「あぁ~、めんどうくせい!」とは口に出して言えない。
結局はピンク系でやっと落ち着いた。
Iさん、まったくもって面倒な客ですみません。 m(_ _)m

帰宅し、トレッキングパンツからTシャツ等々、すべてを着てみて「どう?どう? いいでしょう!」
「はいはい、似合ってるよ」ではなく、「うん、なかなかいいんじゃない」と、よいしょしておいた。
すると、「やっぱりレインウェアって大切だから、初心者でもゴアテックスかなぁ。」などと、知ったような口をきいている。
でも、良い傾向だ。
少なくとも今まで以上に山への理解が深まってくるのではないか。
これで行きやすくなるなぁ。

遂にMOC本番:4合目

2011年07月21日 00時02分41秒 | Weblog
水分補給だけを済ませ、4合目へ向けて歩き出した。
3合目から4合目へ向かうルートは、唯一の車道、すなわちアスファルトのルートであり、斜度はあって無いようなもの。いたって軽快な足取りだ。
3合目までのあの吐き気は何処へやら・・・、会話を楽しみながらの登攀だった。

天候がずっと気がかりだった。
おそらく雨は降るだろう。予報では午後からとなっているが、ここは山岳地帯、早まっても決して不思議ではない。
できることなら、降るその前に(距離を)稼げるだけ稼いでしまいたいという個人的な考えはあるのだが、今日はソロではない。あくまでも団体行動であり、そしてイベント参加者の一人に過ぎないのだ。

今日のザックは25リットルの「ゼロポイント・ストライダーパック」。
実際に山で使用するのは初めてだ。
小型のザックの割には全体が硬い印象がある。
それだけしっかりとした素材(生地)で作られているのだと思う。
小型のザックで登攀=全重量でも軽量。
これは本当に登攀を楽にしてくれている。
ただ、何故か物足りなさを感じてはいるのだが、重いよりは間違いなくいいはずだ。
絶対的な必需ギア、そして必要最低限の予備的ギアとグロージング。
その選択にはいつも頭を悩ませている。
結果として必要の無かったギアは常にあるのだが、それはあくまでも結果として使用しなかっただけのこと。
「もし・・・」を考えたら当然必需品となっていたはずだ。
余談になるが、自分にとって常に余分に多くもって行く物。その最たる物は「水」だ。
ルートの途中で確実に補給できるという保証が無い限りは、水だけは余分にもって行くことにしている。たとえ無駄に終わってもだ。

さぁ4合目に着いた。
ここで集合写真を撮ることにした。
みんなまだまだ元気。
一番元気なのは、間違いなく店長のKさんだろう。
あれだけの大きなザックを背負い、おそらく中にはエマージェンシーギア、予備の水、フラッグ等のモンベルグッズが入っているはず。
であるにも関わらずあの極めて軽い足取り。
若さ、体力、筋力、持久力、どれをとっても羨ましい。

遂にMOC本番:Climb On!

2011年07月18日 21時44分57秒 | Weblog
今日のグループはみんなで4名。
心配なのは自分の実力と体力と天候。
二荒山神社の境内で軽くアップをし、社務所で入山料を払った。
その時、前回登攀したときの例の記録を確認した。
「・・・あれっ、確かに5000円と書いてある。俺の字だ。・・・なんで5000円なんだ?」
笑える。理由は分からないが、間違いなく筆跡は自分だった。

「あの話を聞いたときは、そんなはずはない。たぶんKさん達が自分をからかっているんだと思ってたんですよ。(笑)」
お互いに笑いながらのスタートとなった。

9時23分、Climb On。
いよいよだ。
登攀開始から10分もしないうちに大汗をかき始めた。
息も苦しい。
(おかしいなぁ、体調はいいはずなのだが・・・)
そう、ペースが違うことに気付いた。
早い・・・。自分のペースよりも早い。
おじさんには、ちょっときついなぁ。
ハァハァと息を切らせながらの登攀となった。
先頭はKさんと、参加者のTさん。
お互いに会話をしながら登っている。
このペースで会話をしながら登れるなんて、やはり若さというものは羨ましいかぎりだ。

自分は最後尾で登っている。
みんなに遅れるほどではなかったが、かなり息が苦しい。
でもって次第に気分が悪くなってきた。
(やばい、なんか吐きそう・・・)
せめて3合目まではみんなのペースに合わせなきゃ。
********************************
実を言えば、昨日の夕方に店長のKさんから電話をいただいた。
「明日、予定通り実施しますのでよろしくお願いします。体調はどうですか?」
という質問に「はい、バッチリです。万全です。よろしくお願いします。」
と、答えた。
しかし、このとき自分がいた場所は針灸医院だった(笑)。
ちょうど膝に針を打ち終え電気治療を受けているときで、ベッドの上で身動きできない状態の時に携帯が鳴ったのだ。
「何を言ってるんですか○○さん! どこが体調は万全なんですか! もう嘘ついてぇ(笑)。」
電話を切った後に看護師さんからそう言われた。
******************************** 
相変わらず呼吸が大きい。
鼓動が全身に響き渡っているのがわかる。
でもって吐きそう・・・。
(休みたい。でなければもう少しゆっくり登ってほしいのだが・・・)
何度も口から出そうになった言葉だったが、目の前で女性が頑張って登っているのに、いくらおじさんとはいえ、ここで休憩を望むわけにはなぁ・・・。
ささやかながらも、男としての意地が勝ってくれた(笑)。


なんとか3合目まで来た。
ここで水分補給をするが、不思議なことにさっきまでの吐き気がすーっと消えていた。
バクバク状態の心臓も、気付けば元の状態に。
体はまったく何ともない。
ただ、発汗だけは異常なまでに多い。
下を向けば、帽子のつばから汗がポトリポトリとしたたり落ちている。
スタートからこれじゃ、先が思いやられるな・・・。
俺には無理な参加だったのかな・・・。

不安は顔には出さず、とにかくついて行こう。

遂にMOC本番:集合!

2011年07月17日 23時44分12秒 | Weblog
この日のために2度男体山に登攀した。
一度目はあくまでも参考タイムをとり、実際のルート状況を知り経験とするため。
二度目は、一度目の反省を基に本番を想定しての登攀だった。

6月18日(土)。曇り空。
宇都宮の日の出4時22分。ちなみに日の入りは19時01分。
目が覚めたとき、すでに日は昇っていた。
「さぁていよいよ今日だ。緊張するなぁ・・・。」
そう思いながら部屋で軽く体をほぐし珈琲を飲んだ。
今日の日光方面の天候はあまり良くないことは分かっていた。
問題はいつ頃から雨が降り出すかだ。
それによって様々な状況やアタックに微妙な変化が生じてしまう。

5時30分に家を出発した。
奥日光の中禅寺湖までは約1時間30分かかる。
今回のMOCの集合時間は9時だから、到着時間としては早すぎる。
しかし、両足と膝のテーピングやゆっくりと朝食を摂りたかったことも含め、できるだけ早い時間に着きたかった。


7時前には指定の駐車場に着いた。
当然まだ誰も来ていない。
とは言っても、顔を知っているのは「モンベルおやまゆうえん店」店長のKさんのみ。
他の参加者の顔は知るよしもない(笑)。
車の中でガッチリとテーピングをし、朝食を済ませた。そして中禅寺湖湖畔へと下り、湖畔でストレッチ運動をした。
十分にしたつもりではあったが、どうにも緊張がほぐれない。
やはり「今日は絶対に迷惑はかけられない」という思いがどこかに残っているんだろう。

一服しながら湖畔沿いの道路を歩いていると、赤いウィンドシェルを着ている人が見えた。
ひょっとして・・・と思い近づくと手を振っている。やはりKさんだった。
「おはようございます。早いですね! 青いジャケットだったので、すぐに○○さんだと分かりましたよ(笑)。」
「おはようございます。いやぁまだ緊張が解けなくて・・・。今日はどうかお手柔らかにおねがいします。」

しばらくして他の参加者が集合。
いよいよもって本番開始が近づく。

互いに挨拶と自己紹介をした。
(みんな若いなぁ。嫌だなぁ・・・やっぱり俺が途中でへたれてしまうのか・・・)
将来はスイスのマッターホルンを目指す女性。
富士山登頂を目指す男性。
目標が違い過ぎるっての!!
とにかく頑張ってついて行こう。そしてどうしてもへたれてしまったら、正直にKさんに言おう。
半ば諦めにも似た心境だった。

家族でモンベルへ

2011年07月17日 00時05分21秒 | Weblog
女房の「男体山へ」と言う話が現実的となった。
未だ信じられない思いが強いのだが、どうやら本気だ。
本気なだけに心配でならない。
仕事上の登攀であり、幸いなことに7合目までは車で行くことができるらしい。
最悪でも4合目からの登攀となる。
仮に7合目からの登攀であっても、いきなりの急勾配、しかも岩場だ。
自分ならちょうど1時間もあれば登頂できる自信はあるが、果たして・・・。

夕方家族みんなでモンベルおやまゆうえん店へと出かけた。
買い物の後、夕食を食べることにしたのだが、女房がモンベルへ行くのは初めてのこと。
ずら~りと並んだアウトドアクロージングやギアを見て一言。
「何が何だがわからない。何を買えばいいの?」
どうやら山へ登ることがいよいよ現実味を帯びてきたようで、少し不安に駆られたようだ(笑)。

店のスタッフの方には「よろしくお願いします」と事前に事情を話してある。
店長のKさん自らが、先ずトレッキングブーツの相談に乗ってくれた。
専門的なことを素人にわかりやすく説明し、試し履きを勧めてくれている。
(「俺が昨夜説明したことと同じことなのに、聞く態度が違ってるなぁ。まったく!
まぁプロが言ってるだけに、説得力があるのは間違いないけど・・・。)

三種の神器、ファブリクス、ヌバック、アッパー、ソール、靴紐、厚手のソックス、ソックスの種類、etc・・・etc・・・。
かなり詳細に事前の説明はしたのだが、どうやら俺は信用が無いらしい(笑)。
まぁ、女房には今まで山の話はおろか、クロージングやギアなどの専門的なことを話したことなど一度もないだけに仕方ないだろう。

見かけの好みだけでブーツを買おうとしていた女房だったが、結局は自分が勧めていたミドルカットのブーツに決めたようだ。
(「だからそれにしとけって言ってただろう。まったく。」)

お次はクロージングだ。
こればかりは好みの色や柄、デザインがあるので、それについては強く勧めることは避けた。
吸汗速乾性に優れた半袖シャツを選んだのだが、「もういい」と言ってきた。
長袖も一着買うように言ったのだが、「別にいらない」との返事。
だが、ここは俺が強く出た。
「いいから一着だけは長袖を買いなさい。ここは古参兵の言うことを聞きなさい。」と言い、購入させた。

帽子についても同じ。
つばが大きく広いものが好みのようだったが、紫外線を防ぐにはいいけど、登攀中はかえって邪魔になる。岩場だと尚更で、周囲を確認するにはもう少しつばの小さな物がいい。これだけ大きなものはハイキング向きだ。と説明した。
しかし、どうにも納得していない様子。
と、そこに店長のKさんが来てくれてアドバイスをしてくれた。
自分が言ったこととほぼ同じことを言ったのだが、それを聞いて「そうですね。じゃぁこっちに決めます。」と、つばの小さな方を買った。
まったく! まったく!! まったく!!!
なんて可愛げのない女だ!

こうして1時間以上かけ、必要最低限の物を購入した。
他のギアについては自分が持っている物を貸すことになっているが、果たして説明しても正しく使えるかどうかが心配だ。
あぁ~心配だ。
どうか怪我だけはしてくれるなよ。
天候が少しでも悪くなってきそうだったら早め早めにレインウェアを着ろよ。
靴ずれの気配を察知したら絶対にテーピングをしろよ。
山頂での夜間から早朝にかけての冷えを甘く見るなよ。
下山のときは膝に負担がかからないように足をおろせよ。
水は素直に多めに持って行けよ。
糖分と塩分摂取を忘れるなよ。

あぁ~やっぱり心配だ!