無事目的の一つである奉納を終え、昼食も済ませあとは下山するのみとなった。
だが、二年ぶりの劔岳だけに「下山があまりにも淋しい・・・」というメランコリーっぽい感傷に浸ってしまった。
それでも下山の一歩を踏み出す。
数歩進んでは山頂を振り返る。
後ろ髪を引かれるような思いだった。
「また来年か・・・」とポツリと呟くと、Uさんが「秋には登らないんですか?」と・・・。
登りたい気持ちはあるのだが、「不帰ノ剣」の往復を予定しているだけに、難しいところだ。
いけない!
気持ちを切り換えないと滑落に繋がる。
これから復路の危険地帯が続く。
ヨコバイへと繋がる長いクサリ場となった。
別山尾根ルートにおいて、最も長いクサリ場(区間)となっているカニのヨコバイ。
ヨコバイ(横移動)のトラバース区間は割と短いのだが、そのヨコバイを挟むように前後に長い距離のクサリが連なっているのだ。
先ずは急な岩場を下る。
自分が先行し、要所を言葉で説明しながら下った。
後からUさんが下る。
ここは狭いルンゼ状の急斜面。
転落すれば奈落へと続くポイントだ。
慎重にゆっくりとマイペースで。
うん、いい感じだ。
そのまま下ろう。
ヨコバイへの一歩となるポイント。
右へ90°曲がるが、その一歩目がちょっと面倒なポイントだ。
はっきり言うが、この曲がるポイントは身長の高い登山者が絶対的に有利である。
腕の長さと足の長さがある方が楽に一歩を踏み出すことができる。
自分は決して高身長ではないが、178㎝の自分には特に問題は感じない。
だが女性には不利なんだろうなぁと毎回思うのだ。
足の置き方や移動の仕方(足運びの順番)を説明しながら曲がった。
曲がってしまいさへすれば大丈夫なのだが、ヨコバイ移動の途中でUさんを待つことにした。
ヨコバイ移動中。
過去の事故件数では、タテバイよりもこのヨコバイの方が発生率は高いらしい。
腕と足を思い切り伸ばさなければならず、更に曲がり角の一歩目を置くポイントをつま先の感覚だけで探らなければならない。
初めて劔岳に挑む仲間に対し、言葉でのアドバイスしかできないもどかしさがある。
横へ移動中。
ヨコバイ真っ只中!
横移動が終わっても下方へと移動を続けなければならない。
クサリはまだまだ続く。
やっと少しは安心して立っていられるポイントまで下りてきた。
が、ここから今度は垂直に下る長い梯子が待っている。
ちょっとでも手足を滑らせてしまえばそれまでだ。
この梯子、実は身体を梯子に向かい合うようにするための最初の入り方に危険を感じている。
上手く説明をすることが難しいのだが、へたをすれば足を引っかけてしまい滑落しそうになったことがあるのだ。
もう随分と昔のことにはなるのだが、「なんでこんな危ない梯子なんだろう。」と思ったものだ。
ここでも自分が説明しながら先行した。
高度感はあるが、それよりもスリップに注意だ。
梯子の上部から見下ろした画像。(Uさん撮影)
下から自分が撮った画像。
さてさて、ここまで来てもまだクサリ場は繋がっている。
平蔵のコルへと下りるには、最後にほぼ垂直の長いクサリ場を下りなければならない。
一息つけるのはそれからだ。
だが、二年ぶりの劔岳だけに「下山があまりにも淋しい・・・」というメランコリーっぽい感傷に浸ってしまった。
それでも下山の一歩を踏み出す。
数歩進んでは山頂を振り返る。
後ろ髪を引かれるような思いだった。
「また来年か・・・」とポツリと呟くと、Uさんが「秋には登らないんですか?」と・・・。
登りたい気持ちはあるのだが、「不帰ノ剣」の往復を予定しているだけに、難しいところだ。
いけない!
気持ちを切り換えないと滑落に繋がる。
これから復路の危険地帯が続く。
ヨコバイへと繋がる長いクサリ場となった。
別山尾根ルートにおいて、最も長いクサリ場(区間)となっているカニのヨコバイ。
ヨコバイ(横移動)のトラバース区間は割と短いのだが、そのヨコバイを挟むように前後に長い距離のクサリが連なっているのだ。
先ずは急な岩場を下る。
自分が先行し、要所を言葉で説明しながら下った。
後からUさんが下る。
ここは狭いルンゼ状の急斜面。
転落すれば奈落へと続くポイントだ。
慎重にゆっくりとマイペースで。
うん、いい感じだ。
そのまま下ろう。
ヨコバイへの一歩となるポイント。
右へ90°曲がるが、その一歩目がちょっと面倒なポイントだ。
はっきり言うが、この曲がるポイントは身長の高い登山者が絶対的に有利である。
腕の長さと足の長さがある方が楽に一歩を踏み出すことができる。
自分は決して高身長ではないが、178㎝の自分には特に問題は感じない。
だが女性には不利なんだろうなぁと毎回思うのだ。
足の置き方や移動の仕方(足運びの順番)を説明しながら曲がった。
曲がってしまいさへすれば大丈夫なのだが、ヨコバイ移動の途中でUさんを待つことにした。
ヨコバイ移動中。
過去の事故件数では、タテバイよりもこのヨコバイの方が発生率は高いらしい。
腕と足を思い切り伸ばさなければならず、更に曲がり角の一歩目を置くポイントをつま先の感覚だけで探らなければならない。
初めて劔岳に挑む仲間に対し、言葉でのアドバイスしかできないもどかしさがある。
横へ移動中。
ヨコバイ真っ只中!
横移動が終わっても下方へと移動を続けなければならない。
クサリはまだまだ続く。
やっと少しは安心して立っていられるポイントまで下りてきた。
が、ここから今度は垂直に下る長い梯子が待っている。
ちょっとでも手足を滑らせてしまえばそれまでだ。
この梯子、実は身体を梯子に向かい合うようにするための最初の入り方に危険を感じている。
上手く説明をすることが難しいのだが、へたをすれば足を引っかけてしまい滑落しそうになったことがあるのだ。
もう随分と昔のことにはなるのだが、「なんでこんな危ない梯子なんだろう。」と思ったものだ。
ここでも自分が説明しながら先行した。
高度感はあるが、それよりもスリップに注意だ。
梯子の上部から見下ろした画像。(Uさん撮影)
下から自分が撮った画像。
さてさて、ここまで来てもまだクサリ場は繋がっている。
平蔵のコルへと下りるには、最後にほぼ垂直の長いクサリ場を下りなければならない。
一息つけるのはそれからだ。