何十回と訪れている松本市だが、観光目的で訪れたことは一度も無かった。
下山後にどこかで夕食を食べる程度であって、たまにプチ贅沢として安いビジネスホテルに泊まりのんびりと風呂に入ってベッドで大の字になり眠る。
そんな程度でしかない。
今日予定している松本城にしても、城の真横の道路は何度も通っており、夜のライトアップに感動したこともあった。
「いつかは訪れてみたい」そう願っていた。
天候は崩れると予報にあったが、幸いに傘をさす必要は無かった。
近くの駐車場に車を止め、城の堀へと歩いた。
事前に松本城を始めとし、主な市内観光スポットを調べておいたこともあり、入り口である「一の門」はすぐに分かった。
一の門近くで撮った松本城。
黒塗りの壁のためか、姫路城の白い優雅さとは違い全体が引き締まって見える。
時刻は開門直後の9時くらいだった。
まだ早い時刻とあってか、観光で訪れていると思われる人たちは見かけなかった。
実を言えば、昨夜ホテルのスタッフからのアドバイスがあり、お城へ行くならできるだけ早い時間帯が良いですよとのことだった。
「へぇーそうなんだ」と思ったが、ここでも海外からのツアー団体が訪れ混雑するらしい。
いや、混雑するだけならまだいいほうで、とにかく騒がしく、「我先に見る、我先に行く、我先に写真を撮る」でものすごいことになるそうだ。
「ここでも○国人かぁ・・・」とため息が出たが、ありがたくアドバイス通りに早い時刻に来たというわけだ。
お堀で一枚。
静かな時間帯のうちに撮ってしまおう。(笑)
一の門へと向かい入場料を支払った。
門番と言うか「門兵」と言った方が適切だろう。
カメラを向けるとポーズを取ってくれた。
ありがとうございます。
一の門にいた門兵さん。
帰りにも丁寧に挨拶をしてくれた。
敷地内へと入った。
手入れの行き届いた広大な庭、そして天守閣。
静かだった。
ここでしばらくはベンチに座ってゆっくりとしたいと思った。
だが、この後の混雑を考えればそうもしてはいられない。
ぐるりと庭を一周し天守閣へと向かった。
人がいない。
滅多に撮れる写真ではないと思った。
お目当ての「月見櫓」が見える。
なるほど、ぐっと引き締まった中に一点だけ優雅さを感じる。
天気が良ければ北アルプスを背景に素晴らしい景色が見られるらしいがそれは叶わぬ事。
天守閣入り口。
甲冑姿の武者が一人構えている。
訪れる人のためとは言え疲れるだろうなぁ・・・重いんだろうなぁと余計な詮索をしてしまった。
城は戦に備えた造りとなっているのが本来の姿であり目的でもあろう。
戦がなくなり、後に増設された月見櫓だが、それだけに朱塗りの手すりが一層目立っている。
中は薄暗く足下に注意が必要だった。
各地の城はそれなりに見てきたが、日中でもこの暗さだ。
当時は蝋燭の明かりしか無かったわけだが、それが当たり前、常であれば不便は感じなかったのだろう。
松本城は外観は五重だが、中は六階構造となっており、三階に屋根裏部屋的な四階部分がある。
もちろん外から見ても分からないし、これも戦国ならではの構造と聞いた。
三階の部分。
天井が異様に低くなっているのが分かる。
確か兵糧とか武器などを置いておくための仕組みと聞いた。
(間違っていたら申し訳ない)
そうそう、これが見たかった。
「矢狭間と鉄砲狭間」だ。
初めて見たわけではないものだが、男たるものどこか胸躍るような思いになる。(笑)
手前が鉄砲狭間で、奥の長方形型が矢狭間。
形が違うのは使い勝手の違いなのだろうが、実際に撃って放って見なければ使い勝手はわからないだろう。
説明書き。
形の違いの説明までは書かれていなかった。
そして戦国ならではの仕組みがもう一つ。
「石落とし」である。
この隙間から下にいる敵兵に向けて石を落とした。
松本城では実際には戦は無かったので使われることは無かっただろうが、落とされた方は落ちてくることが分かった上で攻めるのだからたまったものじゃ無い。
徐々に最上階の天守へと向かう。
木の色が歴史を感じる。
余計な詮索だろうが、松本という地理的な事を考えれば冬季は寒かっただろうなぁと思う。
これだけの広い空間を炭だけで暖めるのだから大変なことだったろう。
やっと最上階へと着いた。
上を見上げれば神様をまつっていると思われるものが見えた。
むき出しの梁に少し違和感を感じたが理由があってのことだと思う。
この後階下へと降りるのだが、これがまた一苦労となってしまった。(笑)