ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

3000メートルを超えて(3)

2009年06月29日 22時29分05秒 | Weblog
天候に左右される登山にとって、晴天というのは何よりもましてありがたい。
朝食を済ませ、珈琲を飲みながら見上げた空には、雲一つ無い真っ青な世界が広がっていたのを今でもはっきりと覚えている。

8時、北穂高岳を目指しベースキャンプを出発した。
ひたすら登るだけのハードなルートだが、決して難易度の高いルートではなかった。
途中何度か振り返ると、自分のいる標高がなんとなくわかる。涸沢カールや前穂高岳と比べることが楽しかった。
そして見下ろせば、自分たちのテントが豆粒以下の大きさで目視することができた。
「随分登ったなぁ」としみじみ感じるが、北穂高岳山頂まではまだまだだ。
それにしても「登りだけ」のルートって、どうして長く感じるんだろう。
それほどつらくはないのだが、「まだ着かない・・・」と、何度思ったことか。

背中に汗をかいてきたが、気温が低いせいか、うだるような暑さの中でかく汗とは違っていた。風も心地よい。思い切り深呼吸すれば、爽やかなまでの冷たい空気を鼻の中で感じ取ることができた。
さぁ、北穂山頂までもう一息だ。

3000メートルを超えて(2)

2009年06月11日 21時51分35秒 | Weblog
涸沢カールの早朝はかなり冷え込んでいたのを覚えている。
まだお盆前の8月だというのに、手をポケットに入れ陽が昇ってくるのを待っていた。

どれくらいの時間が過ぎただろうか。
それは突然の現象だった。
前穂高岳の山頂部分が急に輝き始めた。
いや、正確に言えば輝いたのではなく、陽の光が当たっただけなのだが、それは剣に例えれば、剣先部分に光が当たり、その反射でキラッと輝いた様に見えたのだ。
その輝く面積は、ゆっくりとではあるが確実に広がり始めた。
黄金色に輝く山頂、そして斜面だ。
「これがそうか・・・」
初めて見る風景だった。

やがてテントにも陽が射し、体も暖まってきた。
湯を沸かし、熱いココアを飲んだ。
朝食の準備に取りかかる。ベテランの上司はさすがで手際がいい。
餅入りの味噌汁、と言うか、味噌味のお雑煮と言うか、美味かった。
今日はここをベースキャンプとし、2グループに分かれての登頂を目指す。
自分は北穂高岳から奥穂高岳を経由し、涸沢に戻ることにした。
上手く時間が合えば、前穂高を目指す仲間と奥穂高岳の小屋で合流できる。
出発前、固い万年雪を削り口に入れた。
美味くはないが、気が引き締まる冷たさだった。
憧れの3000メートル超え。
いざ北穂へ!

サッカー日本代表 W杯出場決定!

2009年06月08日 23時22分38秒 | Weblog
日本側でもウズベキスタン側でもなく、第三者として見るのなら「おもしろい試合」だったろう。
いやいや疲れた(T_T)
そして選手、監督。スタッフはもっと疲労困憊であったろう。
試合内容における課題点は多くあるだろう。点数をつけるとしたらかなり低い点数だと思う。
しかしこの試合に関しては結果最優先、結果がすべてだ。
また、なんだかんだと言っても相手を零封したことは賞賛に値する。

前半9分の得点。
中村のアシストパスは素晴らしかったなぁ~・・・。
グラウンダーのパスだったら絶対に通らない。
高過ぎると滞空時間が長いその分、相手に寄せられるかクリアされてしまう。
そのどちらでもない、DF陣の裏への速いパスだった。
岡崎のヘッドはラッキーかも知れないが、倒れながらも前へ詰めていた結果の為せる技(業)だろうか(いや、やっぱ偶然かな。笑)。

さて、相も変わらずアウェー環境。
あれほど酷い審判団は久々に見た気がする。
実に笑えるほど酷い。そして醜い。
審判としての資質以前の人間性の問題だろう。一体どんな環境で今まで生きてきたのか。
笑える、いや、可哀想な人だ。憐れみさへ感じる。
試合終了後のインタビューで闘莉王が言っていた言葉が印象的だった。
「試合にも審判にも勝てたことが嬉しいです。」
TV画面で見た限りでは、日本のDF陣は大人だった。
何があろうと。何が起ころうとクールだった。
「ここはアウェーだから」という事前の申し合わせが徹底されていたのだと思う。

サッカー日本代表、W杯出場決定おめでとう!
そしてありがとう!
ただ、W杯出場は目標の第一段階に過ぎない。
W杯において何かを成すための権利を得ただけだ。
まだ何も成してはいないのだ。
我らが日本代表選手諸君。自分には応援することしかできないが、「世界を驚かせる覚悟がある」のなら、残り2試合その覚悟を見せてくれ!
南アフリカで断固たるその覚悟を証明してくれ!

愛してるぜ、日本代表!!!

3000メートルを超えて(1)

2009年06月04日 23時03分40秒 | Weblog
白馬岳、八ヶ岳などの山を経験しているうちに、いつしか3000メートル級の山に登ってみたいという思いに駆られた。
雑誌などでしか知らない「穂高連峰」への憧憬は募る。
職場の仲間と夏山の計画を練っていると、そこへどこからか話を聞きつけた上司がやってきて「俺も行くぞ」。
そう、山岳指導員の資格を持っている山の大ベテランである。
ってな訳で、4人での穂高連峰への夏山が決まった。
当時まだ26歳の若さありあまる自分だった。

上高地の手前で前泊し、翌早朝タクシーで上高地入りした。
途中車窓から見えた大きな池(?)からは、一面靄のようなものが立ちこめており、何とも幻想的な静けさを醸し出していたのを覚えている。

河童橋を過ぎ、梓川沿いに歩く。
いたって平坦なルートで楽だったが、涸沢に近づくにつれ、道は急な登り坂が続いた。
それでも午後の2時過ぎくらいには涸沢に着いた。
涸沢カール。通称「涸沢テント村」と言う。なるほど、この季節になると色とりどりのテントが設営されており、それもうなずけた。
手続きを済ませテントを設営。まだ時間はゆっくりとあり、湯を沸かし、万年雪や前穂高のコルを見上げながら珈琲を飲んだ。
明日は体力勝負。目一杯飯を食べ、早めに就寝。
そのぶん翌朝はかなり早く目が覚めた。
テントから出てみると、不思議な光景を目にした。
ふわふわとした白いかたまりが、下の方から上がってきたのだ。
「あれは雲だよ」と後ろから上司の声。
へぇ~、それだけ今自分がいる場所は高地ってことか・・・。
「前穂のコルを見ててごらん。もうすぐ素晴らしい色に変わるから」
と言われた。
はたしてどんな風に変わるのか。大自然の高地でしか見ることができないであろう風景と感動に期待感は高まる。

夏山JOY

2009年06月03日 22時37分54秒 | Weblog
「夏山JOY」
懐かしい響きだ。
嘗ては毎年この時期必ず購入していた山の雑誌だった。

先日書店でこの雑誌を見つけた。
「まだあるんだ・・・」
一度は山をあきらめ、もう二度と見ることはないだろうと思っていた本。
何故か遠慮がちに、どこか恐る恐るページをめくった。
血が騒いだ(笑)。
「そうか、今年の夏は行くんだっけ」
そう思うと、今度は安心して見入った。

約20年ぶりの山だ。
男体山、大真名子山、小真名子山、女峰山。
すべて2500メートル足らずの山だが、今の自分にとっては十分すぎるほどありがたい。
山岳地図でルート調べもした。登山靴の手入れもした。
まだ間があるというのに、何かをしたくて仕方がない。
初めて3000メートル級の山々を縦走するために買った登山靴では、ちょっとオーバーかな(笑)。
今回はトレッキングシューズで間に合いそうだ。