劔に向けて「勝手に奉納（笑）」

関東地方も梅雨明け間近となっており、いよいよ本格的夏山シーズンとなる訳だ。

今年も懲りることなく劔岳を目指そうと計画中であるが、今年（今回）登頂すれば自分にとっては記念すべき登頂となる。
２０回目の剣岳登頂だ。
コースとしては一般登山道である「タテバイ・ヨコバイ」の別山尾根ルートが約半数を占めるが、早月尾根ルートは２回しかない。
残りは北方稜線を中心としたバリエーションルートである。

今年予定しているルートは既に一年前から決めていた。
それは「次は２０回目だ。あのルートしかない。」
６年振りに登る「長治郎谷佐俣ルート」である。
せっかくの記念だし、陸地測量隊と宇治長治郎さんに敬意を表して臨みたいと決めていた。
そしてもう一つ、登頂したら手持ち花火でもやって勝手に祝おうかなどとばかげたことを本気で考えていた。
しかし他の登山者への迷惑となるかもしれないので、それはやめることにした。
じゃぁ他になにかあるだろうか・・・

ヒントとなったのがジャンダルムに登った時のことだった。
ジャンのてっぺんにある天使のモチーフ（オブジェ）を見て、「これだっ！」と閃いた。
帰宅してから、どのような物を作ろうかと思案したが、なかなか良いアイデアは浮かばなかった。

ある日の夜、何気に「七人の侍」のＤＶＤを観ていた時だった。
「ん、ひょっとしてこれなら行けるかも・・・」と思い、深夜にもかかわらずネットで画像検索をしまくった。
ビンゴ！　である。
だが、著作権に関わってしまうかも知れないという懸念があった。
それでもあくまでも個人で楽しむことが前提であり、営利目的ではない。
だったら問題は無いだろうという推測で製作に取りかかることにした。

「劔岳 ＝ 劔（刀） ＝ 侍」
そんな勝手な連想から木版を利用した侍のオブジェ（のようなもの）を作り、山頂の祠に奉納を計画している。


Ａ４版の木版に鉛筆で下絵を描き、彫刻刀で彫って行く行程。
まだ袴の部分だけしか彫っていない。


袴の部分のアップ画像。


全体を彫り終えたところ。


彫った部分にアクリル絵の具で着色した。
全体的にバックも塗ろうと考えたが、色の組み合わせに迷い、無理はせずシンプルにこれで良いと決めた。
あとは油性ニスを塗れば完成である。

勝手に作って勝手に奉納。
あくまでも勝手な自己満足であり、営利性は全くない。
ただの劔好きが２０回目の登頂記念にと作った物である。