ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

いつもと違う春

2012年04月30日 23時01分24秒 | Weblog

静かなゴールデンウィークの前半だった。
息子と娘は5月に帰ってくる。
家にいるのは女房と宗次郎だけ。

娘が幼い頃は、春になれば花壇の前で一緒に写真を撮ったものだ。
今年は初めて宗次郎を撮った。
嬉しそうに走り回るため、ちょっと花壇が荒れてしまったが、まぁいい。
日中はいつも独りで(一匹で)留守宅を守ってくれているし、休日限定の昼間の散歩くらい少しは自由にさせてあげよう。



いつもの散歩コースには「何とか桜」が満開を迎えていた。
毎年今だけ、風が吹けばピンクのカーテンがそよぐ心地よい散歩コースだ。


5月25日で3歳を迎える宗次郎。
人間で言えば高校生くらいだろうか。
しかし、いくつになっても落ち着きのないノンストップドッグだ(笑)。
「躾」はしてはいるのだが、散歩に出れば走りたくて疼いているのがわかる。
以前獣医に聞いたことがある。
「もうすぐ3歳になるんですが、未だに落ち着きがないんです。やはり飼い主の躾の問題でしょうか?」
「いえいえ、この犬はずっとこんな感じですよ(笑)。」

宗次郎、おまえずっとこのままか・・・はぁ~(笑)。
だが、それも宗次郎らしいと言えばらしいかな。

MONSTER・・・「ガス」

2012年04月29日 20時18分08秒 | Weblog

僅かに一本のトレースだったが、これだけの晴天に恵まれていれば見落とすことはない。
また、今のところほぼ無風状態であり、風で消されてしまうこともない。
この状態が続いている間に距離を稼げるだけ稼いでしまいたいのが本音なのだが、景色を楽しみたいと願うのも本音だ。


やっとPEAKが見えてきた。
しかし、おそらくは「にせPEAK」・・・のはず。
事前にネットで画像を検索したのだが、残念ながら「にせPEAK」の画像は見つからなかった。
地図上で確認してはあったのだが、この段階では「・・・はず」としか言えず、方角や標高を調べても確信を持つことができなかった。
何故なら、実際に見た「にせPEAK」は、あまりにも大きかったからだ。
「あれがにせPEAKか? それにしてもでかすぎるなぁ・・・。」
そう言いながらも、事前の情報に従いやや西側に巻きながら登攀を続けた。


順調に進んでいたのだが、このあたりから西から東へ向けてガスが流れてくるようになった。
どの程度までガスが濃くなってくるのかは分からない。
ただ、どうしても「西大巓」のPEAKだけは踏みたいと願っている。
その思いは誰もが同じはず。
天候や時間によっては「西吾妻」までは無理だとしても、「西大巓」の樹氷はこの眼に焼き付けておきたい。


樹林帯を抜け、にせPEAKに取りかかろうとする頃には、天候は更に悪化し始めた。
ガスがかかり始めてきたのは分かっていたが、「風が押し流してくれるかも・・・」。
そんな淡い期待感があった。
だが、思いとは裏腹に一層濃くなり始めた。
「このガスの中に入って行くのか・・・。」
不安がよぎる。
それでも、本物のPEAKはもう目の前だ。

万が一のために持ってきた布を要所に巻き付けた。
布に記しておいた番号を地図上にも記入。
果たしてどこまで役に立ってくれるのかは分からないが、目印にもなるし、僅かながらでも気持ちの上では安心感が増す。



最後の登攀となる(予定)。
標高を上げれば上げるほど濃いガスに包まれた。
「ここからここから。もうすぐもうすぐ。一歩一歩。ガンバガンバ。」
いつもの独り言が出始めた(笑)。
そして樹木をよく見れば、あきらかに今までとは違っていた。
いままでは、樹木に雪が降り積もりそれが固まっているだけのように見えた。
ここの標高の樹木は、氷が樹木を包み込み、その氷の層に雪が付着し完全に固まっているように見えた。
「これが樹氷か・・・」
最後の登攀はきつかったが、「もうすぐ・・・」という思いがこんな自分でも頑張らせてくれた。
だが、ガスは濃くなる一方だ。

MONSTER・・・ピーカン♪

2012年04月27日 23時38分01秒 | Weblog
「ピーカン」とは、登山における俗語である。
煙草に「缶ピース」というのがあり、その缶(ラベル)の色が紺碧であることから「快晴」を意味するらしいことを聞いたことがある。
いずれにせよ、今のところ文句なしのピーカンであり、とにかく暑い!


思わず両手を挙げ空を見上げてしまう。
「ワォー!」と叫んだかどうかは忘れたが、淑やかなIさんが「ワォー!」などと叫ぶことはあり得ない(だろう・・・笑)。


K島さんの着ているアルパインジャケットは保温剤なしのものだが、今日のような場合は最適のクロージングといって良いのではないか。
要はミドルレイヤーでいかに温度調節をするかということ。
これは経験が何よりもものをいうのだ。


あまりの気持ちよさに遂に壊れてしまった・・訳ではない。
かといって躍っている訳でもない。
弾けた中年おやじ。ただのおバカさんだ(笑)。


夏の山では感じ取ることのできないのがこれだ。
同じ紺碧の空でも、山が、大地が純白であるからこそ生きてくる「碧」なのだと思う。
そして東に延びる「吾妻連峰」。
樹氷を見たいが為にここまで来たが、この碧と白のコントラストを見ることができただけでも心が洗われる思いだ。


本当であれば、今このときサングラスは外すべきではないだろう。
これだけの好天だけに、紫外線は相当高くなっている。
それに「雪盲」になってしまう確立も極めて高い。
まぁ長時間ではないので、このときはどうしても直に自然界の色を見たかった。


MONSTER・・・快調♪

2012年04月26日 20時53分34秒 | Weblog
まだ暫くは樹林帯の登攀が続くが、心地よい汗に足取りは軽い。


K島さんもIさんも、若いだけあって快調に登って行く。
自分はと言うと、心臓バクバクではないものの日頃の運動不足から息は荒かった。
年間を通して冬場が最も運動不足気味になりやすいのは、ここ数年変わっていない。
「なんとかしなきゃなぁ・・・」と思っているだけで、サッカーの審判で走ったり、山に登ることしか運動らしきことはしていないのが現状だ。


と、思っているとIさんがこけた(笑)。

アルパインジャケットはスカイブルー。(いいね♡)
なのにグローブとスパッツは赤。
この相反するカラーコーディネートはいったい何故?(笑)
K島さんとは既に何度も一緒に山に登っているが、「グリーン系」が多いかも知れない。

少し余談になるが、登山におけるクロージングカラーについて述べる。
基本はもちろん自由だし、個人の好みである。
しかし非常時のことを考慮すれば、レイヤリングをしたシャツ類のうち、予備も含めて一枚は「赤・ピンク・オレンジ系」を持って行くべきだろう。
でなければザックやバンダナでもかまわない。

これは「目立つ色」→「発見されやすい」というメリットがあるからに他ならない。
多くの山岳雑誌を読んでも、このことは明記されている。
それ故、自分のように頑固に「青系」にこだわり過ぎるのもいささかどうか・・・と思う。
最も発見されにくいカラーの一つが「青」なのだ。
わかっている。
わかりきっていることなんだけどなぁ・・・。


振りかえれば遠方にゲレンデが見え始めた。
K島さんは、新規に購入したスノーシューだ。
当然「ヒールリフト」は標準装備。
これがあると無いのとでは登攀時の疲労は大きく違う。
いかがかな、おニューのスノーシューは。


今日はハイドレーションは装備してこなかった。
前回の反省もあったのだが、今日に限って言えば持ってくるべきだったかな・・・。
外気温はマイナスでも、これだけのピーカンだし、結果としてK島さんとIさんのハイドレーションの管は凍ることはなかった。
これだからギアの選択は難しい。

ジャケットの内ポケットに「500ml」の水筒(プラティパス)を入れてはいたのだが、とっくに飲み干してしまった。
新鮮な雪とつららで、その場しのぎの登攀となった。


休憩時に、地図を見て現在地を確認。
標高から言えば、もうすぐ「にせPEAK」が見えてくるはずだ。

まさかまさかのパーフェクトピーカン。
雪面が目映いね!

MONSTER・・・ツリースポット

2012年04月22日 12時23分54秒 | Weblog
樹木と樹木の間隔は一定ではなく、幅の広いところもあれば狭いところもある。そんなことは当たり前なのだが、雪山の樹林帯において気をつけなければならないのは「ツリースポット」と呼ばれる「穴」だ。
簡単に言えば樹木の幹の周囲にできた穴で、積雪が深ければその穴も深い。
そこに足を踏み込んだり落ちたりしてしまうと、最悪の場合骨折は免れない。



ツリースポットに気をつけながら進むが、こんな狭いとろこもあり思うように登攀を許してはくれなかった。


積雪はおよそ3メートル。
ツリースポットもほぼ同じ深さと言ってよいだろう。

この当たりはまだまだ樹木も高さがあり、日差しを遮ってくれている。
冬山とはいえ、汗をかいた体には将に「木陰」がありがたかった。


そして僅かながらでも雪原に出れば、自分の影が純白の雪の上に映し出される。
見上げれば紺碧の空。
たまらないね!


みんなとの会話も弾んだ。
今日は「MOC」ではないだけに、モンベルスタッフとしてではなく同じ山中間同士の会話だ。
これがまた新鮮な気分にさせてくれている。
考えてみれば、モンベルおやまゆうえん店スタッフの中で、唯一一緒に登ったことがなかったのがIさんだった。
「そっか、Iさんとは今日が初めてだったんだ。」
さすがは浪花生まれのど根性女。
こんな急登は何でもない。


最初の休憩で一服した。
今までは最初の休憩ポイントで煙草を吸うことはあまりなかった。
それはいきなりのデッドポイント状態での休憩じゃ煙草を吸う気にさえなれなかったからだ。
今日の休憩で吸えるということは、まだましな方だということ。
ある意味煙草も体の状態を知る手だてになってくれている。
なぁんてね(笑)。

MONSTER・・・ハイ、こっち向いてぇ♪

2012年04月19日 22時47分29秒 | Weblog
今日は暑くなりそうだ。
今までにないほどの青空が覗いている。
白銀の世界とスカイブルーに心が躍る。


全員スタンバイOK!
風も殆ど無く最高の雪山登山日和、もうそれだけでテンションはいやが上にも高まる。


予定よりやや遅れてのClimb Onだったが、天候がもっている間は行けるところまでは行こう。
そう、大切なことは「安全に、無事戻ってくること」なのだ。

それなりに斜度のある樹林帯を登る。
登り始めてあっという間に大量の汗をかき始めた。
スタート前に予め水分補給をしておいたのだが、それでもすでに喉の渇きを覚えた。
「ここまでピーカンとはなぁ・・・。でもガスられるよりははるかにいい。」
そんな贅沢な思いが頭をよぎる。

自分たちより先に登った人のトレースがしっかりと付いていたが、一応地図で確認しながら登った。
雪山の場合、このトレースが心底ありがたい。
有ると無いとでは安心感に大きな差が生まれるからだ。
先に登ってくれた人とトレースに感謝だ。


スタート時から自分が先頭を行った。
時折振り返りながら、そして時折青空を見上げる。
リフトの機械音はもう聞こえない。
スノーシューが雪を踏みしめる音が心地よい。

しばらくして樹林帯の中にぽっかりと雪原があった。
「これはチャンスかな♪」と思い、逆光を利用した写真を撮ろうと雪の上に寝転がった。


「はい○○ちゃん、そこでセクシーポーズね!」
と、言ったかどうかは別としてパチリ。
「まったくこのエロオヤジ!」
と、言われたかどうかは別として、青空をバックにいい一枚が撮れた(笑)。
それにしても、写真を撮っている姿を撮るとは・・・。
K島さん、なかなかやるなぁ(笑)


こんな具合に和気あいあいと登って行く。
まだセカンドウィンド状態にはほど遠く心臓はバクバクしているのだが、しんどい中にもモンスターを見たいと願う思いが程よくとけ込み、辛さを消してくれている。
そしてこの樹林帯を抜けさえすれば、もっと固い雪面となり、登攀も少しは楽になってくれるだろう。



MONSTER・・・真っ赤なジャケット

2012年04月16日 22時35分55秒 | Weblog
“MONSTER”
と言っても決しておどろおどろしい怪物のことではない。
この時季の雪山でしか出会えない「樹氷」の別称。
山形県の蔵王スキー場へ行き、山頂へリフトに乗って行けばすぐに見ることができるのだが、それじゃ簡単すぎる。
是非とも登って登って会いに行きたいと、この目で見たいと計画を立てた。

福島県と山形県との県境にある、お馴染みの吾妻連峰。
その中の一つにある「西大巓(にしだいてん)」。
標高はおよそ2000メートル弱。
この山に登れば360°の展望、そしてスキー場とは一味も二味も違った大自然の樹氷に会うことができるのだ。

この計画は一年前からあたためておいたのだが、日程が取れず延びに延びてしまった。
何としても今季中には実行したいと思っていた。
この計画をモンベルおやまゆうえん店のスタッフの方に話してみると、お互いに日程さえ合えばOKとのこと。
是非とも一緒に! ってな訳で、2月下旬に決行と相成った。
メンバーはモンベルおやまゆうえん店スタッフのK島さんとIさんと自分の3名。
気心知れた仲であり、この上なく楽しみだ♪

早朝5時に集合し、K島さんの車で東北自動車道を北上。
一路「グランデコスノーリゾート」へと向かった。
途中コンビニへ寄り朝食などを購入したのだが、不意に不思議な感覚に襲われた。
「へぇ~、Iさんもコンビニに寄るんだ。へぇ~食べ物を買うんだ・・・。」
買い物をするために寄ったのだから買うのは当たり前だとわかりきっているのに、何のことはない当たり前の行動が、ことのほか新鮮でならなかったのだ。
いつもはモンベル店でしか会ったことがなく、たとえ冗談話に花が咲いたとしても客とスタッフとの関係が崩れることはなかった。
その関係が初めて違ったものとなった訳である。
そのことが自分にとって微笑ましいほどに新鮮で可笑しくもあったのだ。

車中でもそうだった。
お店では話したことのない話題で盛り上がり、今まで知ることの無かったK島さんやIさんの素顔を垣間見ることができた。



8時前にはスキー場に到着。
車から降りすぐに空を見上げる。
「今日は大丈夫かな・・・。頼むよ!」と祈った。
駐車場からセンターハウスまではほぼアイスバーン状態。
「おっとっと」とは口にこそ出さなかったが、スリップしかけた。
休憩室でセットアップ完了。
あとはゴンドラリフトとクワッドリフトを乗り継いでゲレンデのPEAKまで行く。



ゴンドラリフトのスタート。
モンスターへの期待に会話が弾むひとときだ。
ゲレンデの上の方はまだガスがかかっているが、次第に東の方から青空が見え始めてきている。
「いいねいいね!」みんな笑顔だ。


クワッドリフトに乗り換える。
自分たちの影がはっきりと雪原に映し出されてきた。
「いいぞいいぞ!」ますます笑顔になる。

ゲレンデのPEAKに到着し、最終的な身支度とギアを装着した。
一応アイゼンとピッケルは持ってきたが、今日はたぶん「スノーシュー」だけで大丈夫だろう。
と、ここでミドルウェアを一枚脱いだ。
しばらくはピーカンが続くだろうし、登攀開始早々は最も汗をかくことも分かっている。
アルパインジャケットを脱ぎ、いつもと違ったミドルを一枚脱いだ。


ジャジャ~ン!!!
赤だよ赤!
十年以上は着たことのないカラーだ(笑)。
かなり恥ずかしかったのだが、今日は思い切って着てみた。
そう、かなり思い切ってのことだ(笑)。
このジャケット、今年の元旦にモンベルおやまゆうえん店の福袋の中に入っていた物で、それなりに値が張る代物だ。
どうしようかと随分と悩んだのだが、「今日だけ特別」と意を決して着用。
しかし、着ている間はずっと上半身がむずかゆい思いだった。


なにもここまで・・・最後に

2012年04月13日 22時16分32秒 | Weblog
これは自分一人ではどうすることもできないと思える課題的な反省事項として挙げたい。

「ハイドレーション」を備えることで、3シーズンにおける水分補給は革新的な程に容易なものとなった。
片手に地図を持ち、もう片手にコンパスやペンを持ったままでの水分補給が可能。
また、岩壁など三点支持を必要とされる場であっても、片方の手さえ空いていればその場で問題なく水を飲むことができる。
実際に装備し、使用した人であれば十分納得できるだろう。
しかし、それはあくまでも3シーズンのみに限定されると言ってもよい。

実を言えば、今回の雪山に備えて自作のアイテムを装備した。
ハイドレーションリザーバーから延びている管の凍結を何とか防げないものだろうかと考えていたのだ。
市販されている凍結防止用のカバーはあるのだが、それだけでは不十分と考えてのことで、「自作のアイテム」とは少々オーバーな言い方なのだが、慣れないミシンを用いてそれなりに苦労をして作ったアイテムだった(笑)。

あれこれとカバーの素材を冬山登山のクロージングから考え、「フリース生地」に決めた。
登山用のものではなかったが、フリースの古着があることを思い出し、管が通るだけの筒状に切り抜いた。
もちろん先端の飲み口の部分もカバーできる形状だ。
だが、それだけではだめで、カバー表面の撥水(または防水)が必要と考え、ゴアテックスのスタッフバックを切り、表面のカバー生地としてフリースと縫い合わせた。
これで、市販されているカバー。二重おりのフリース生地。そしてゴアテックスと、一応は四重層のノズルカバーができあがった。
「果たしてどこまで・・・」という不安もあったが、完成した時は自己満足に浸っていた。

結果から言えば、それでも管は凍結した。
1500メートルを越えたあたりだったろうか、水分補給をしようと口を付け吸い込んだが、水はまったく出てこなかった。
一度は時間をかけ凍結した部分を溶かしたのだが、あっという間に再び管は凍結してしまった。

「雪山の時はハイドレーションは諦めてますよ。だから最初から持って行きません。」
そんな話を聞いたことがある。
悔しいかな、なんとかこの問題をクリアしたい。
ハイドレーションを装備しない場合、それに代わる物をどうするか。
できるだけいちいちザックを開けないで済む方法は・・・。
「凍結しない・させない」方法は・・・。

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細かな反省事項はまだいくつかはあるのだが、最低でも以上のことを次回の雪山登山に生かしたい。
専門書やネットからヒントを得る。経験者に聞く等々、解決方法はある。
だが、一番の問題はそれをどれだけ、そしてどうやって生かすのかという自分自身の行動にかかっている。

「なにもここまで・・・」とも思う。
それでも、こうやって考えている時がやっぱり楽しい!


なにもここまで・・・③

2012年04月12日 23時18分23秒 | Weblog
ギアにおいて最も反省しなければならない点は「アイゼン・ピッケル」の使用のタイミングだろう。
今回の雪山登山における最大の目標はアイゼンワークとピッケルワークにあった。
その意味では確かに達成できつつあったのだが、あまりにもその一点にこだわり過ぎたのも事実だ。
ルートの幅が極端に狭く、スノーシューでは無理と判断したことを含めても、今にして思えば不必要なケース(状況)でのアイゼン使用があったと考える。
それによってかなりの体力を無駄に消耗したと言えよう。
慣れないからと言って無理に慣らそうとするのもケースバイケースなのだ。
その点下山時にスノーシューに履き替えたことは正しい判断だった。
もしあの時、無理にでもアイゼンを装着したまま下山をしていたら、ゴンドラリフト降車場に着く前に日は落ち、早々とヘッデンを点しての下山だったに違いない。
                             おぉ~こわ・・・

そしてもう一つ。
これは「ついうっかり」的な反省なのだが、高度計付きの腕時計(ハイギアウォッチ)の電池が切れかかっていたことだ。
電池を入れ替えてほぼ一年が過ぎていたが、「まだ大丈夫だろう」という勝手な判断で雪山に臨んだ。
登攀途中、どうにも標高表示がおかしいことに気付いたのだが、この場におよんではすでに時遅し。
高度計と地図とコンパスで現在位置を確認しようにも、高度計は役には立たなかった。
もし、ソロでの登攀だったらと思うと背筋がゾッとする。

なにもここまで・・・②

2012年04月08日 22時32分20秒 | Weblog
登攀において反省すべきことはあと一つある。
一つは、積雪によるルート状況の変化だ。
状況や環境が大きく変わってくることは分かっていたことであっても、完全に見逃してしまっていたことがあった。
地面の高さだ。
雪が積もれば、当然地面の位置も高くなってくるというごく当たり前のことを頭に入れておかなかった。
だからといって「雪庇」等は別として危険が大きく増すわけではないのだが、2メートル以上も位置が高くなれば、3シーズンでは考えられなかったことが起きる。
遥か頭上にあるはずの木の枝が目の前に存在するのだ。
樹林帯の中であればそれは尚のこと顕著に現れる。
進行の妨げになることは然りだ。

教訓その3
『枝が低位置にあることを念頭に進むべし。匍匐前進は当たり前と心得よ。』

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次にギアの選択と準備について反省したい。

より安全に、そして少しでも快適に雪山を登るのであれば、末梢神経には細心の注意と配慮が不可欠である。
末端は頭部、手足の指が主なポイントとなる。
今回頭部においては特に問題はなかったのだが、最も辛かったのが手指だった。
メインとなったグローブは防水仕様ではなく、撥水仕様のスノースポーツ用グローブ。
予めSRスプレーをかけより完璧に撥水加工を施してはおいたが、それでも下山後に確認するとグローブの表面はあきらかに濡れてしまっていた。
予備のインナーグローブを2種類準備しておいたのは良いが、結果としてメイングローブの内部にまで雪が入り、内外の両側から濡れてしまったことになる。
これでは予備のインナーグローブをいくつ準備しておいても意味をなさない。
想定外の積雪に体ごと埋もれてしまったとはいえ、予備のメイングローブを持って行かなかったのは失敗である。
更には手指の冷たさや動きの鈍さ一つで、他の行動への影響も考えられる。
自分の場合、あまりの手指の冷たさに、ザックを開けるという細かな動きを要求される行動を億劫がり、行動食を取り出したり水分補給をすることが面倒になってしまった事実がある。
まぁこれは自分の気持ち次第ではあるのだが・・・。

教訓その④
『メインとなるグローブは完全防水仕様のアルパイングローブとし、撥水仕様は避けるべし。また、予備のメイングローブも防水仕様が望ましい。
状況によってはロングタイプのミトングローブを使用し、雪の侵入を完全に防ぐことが重要である。』