ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

奥日光SST:冬の楽しみ

2011年03月31日 23時35分49秒 | Weblog
広大な雪原へと出た。
遠くには名峰「男体山」が見えている。
本来であれば見えているはずの木道も完全に雪に埋もれており、ここはアイゼンを装着しての歩きとなった。

スキーに明け暮れていた頃、冬が来ることが楽しみでならなかった。
それでもいつしか歳をとり、そのスキーさえもほとんどやらなくなった。
冬はおとなしくしているだけで、体を動かすことと言えばサッカーの審判で走り回ることくらいだった。
雪山への憧れを捨てていたわけではない。
完全に払拭できるほど自分に嘘はつけなかった。
ただ、かつてのビバークなどの苦い思い出や経験だけが残り、どうしても今一歩踏み出せずにいた。
また、周囲からも「雪山だけはやるなよ」と言われ、家族のことを思えば尚更だった。

今回初めて参加したSSTは、雪山へのほんのささやかな始まりだ。
これから僅かでもレベルアップし、より高く、困難な雪山へと挑戦してみたい。
ただねぇ、費用がかかるのよ・・・。
アイゼン、ピッケル、アルパインブーツ、保温性の高いベースレイヤー。
でもって泊を伴うことになれば、雪山用のテントや低温対応のシュラフ等々、まだまだ揃えなければならないギアがある。
もちろんそれは安全のためではあるが、現実として問題は大きい。
一年を通して最も体力、持久力、知識、そして多くの技術習得を必要とする雪山だが、自分の年齢を考えればぐずぐずしてはいられない。

いま、春が来て・・・

2011年03月30日 21時15分41秒 | Weblog
今日は職場で送別会があった。
今年度は大震災による被災地の方々に配慮し、例年の様な夜に行われるものではなく「昼食会」という形式をとった。
その分経費がかなり節約でき、浮いた経費を被災地の方々へ義援金としておくることになった。

毎年この時期になれば去りゆく者があり、やがて新しい仲間がやってくる。
仕事を通してだけでなく、共通の趣味や酒で親睦を深めた仲間もいた。
その中のひとりである「O氏」も異動となった。
何度一緒にバイクで走っただろうか。共に走った走行距離はかなりのものだろう。

そして山。
いったいどれくらいの距離を上って下っただろうか。
どれほどの汗をかいただろうか。
彼から教えてもらった登山に関する知識や技術は数え上げたらきりがない。
自分の心の奥底で、20年以上も渇望していた山への憧憬に再び火をつけてくれたのはまぎれもないO氏だ。
彼と出会わなかったら、おそらくはあのまま一生山を止めたままの自分であった。

今は春。
ありきたりだが、別離があって出会いがある春。
職業柄、その数は半端じゃない。

しかぁ~し!
O氏の家は自分の家から歩いて10分!
酔っぱらっていてもたどり着ける(笑)。
宗次郎との散歩コースにもなっている。
はっはっは! ラッキー♪

奥日光SST:戦場ヶ原

2011年03月29日 22時47分25秒 | Weblog
ここ「戦場ヶ原」を訪れ、実際に足を踏み入れたのは実に二十数年ぶり。
初めて来たのは小学校5年のときの夏休みで、林間学校における活動の一つだった。
そして結婚して間もない頃の夏、職場の友人と二人で歩いた。
共に昔の話だが、二度とも季節は夏。
だから雪化粧の戦場ヶ原を歩くこと自体、感動はひとしおだ。

今回のMOCの参加者はスタッフのTさんを含めて8名。
初めて会う方ばかりだが、誰もがアウトドア大好き人間。
「想い」は共有できる。

奥日光SST:このひととき

2011年03月28日 22時45分32秒 | Weblog
うっすらとではあるが、背中に汗をかいているという自覚があった。
低い外気の中にいれば、その汗がすぐに体の冷えへと直結する。
震えるほどではなかったが、動から静に変わったことで明らかに体は寒い。

天候はまずまずで、ほぼ無風と言ってよい。
それが幸いし、ミドルレイヤーを着込むほどの寒さにはならず、温かな食事で十分間に合った。
おにぎりは、包みの両側に予め使い捨てカイロを当てておいたことで冷たくならずにすんだ。
それなりに温かさを保った状態で食べることができたし、何よりもまして雪原の中で飲む珈琲が美味い。
強いて言うなら下半身、特に足首から下の冷たさを感じているが、この程度なら現状維持で済みそうだった。
これはこれで一つの反省とし、次回のスノーシュートレッキングに生かせばよい。
やはりレイヤリングは活動の基本であることを考える良い機会となった。

奥日光SST:甘っ!

2011年03月27日 22時57分41秒 | Weblog
休憩を予定している「泉門池(いずみやど)」へと到着した。
待ちに待った昼食だ。
メニューは各自自由で、自分はおにぎり、カップ麺、スープ、そしてとっておきのデザートである「おしるこ」を持ってきた。
いつもとそうかわり映えしない内容だが、「おしるこ」だけはささやかながら斬新なメニューと言っていい(笑)。
甘い物はそれほど好きではないが、登山やトレッキングなどのアウトドアにおける昼食や行動食には極めて重要な意味を成す食べ物だ。
要は「糖分」を摂取することが疲労回復には欠かせない。
糖分であれば何でも良いのだが、一面雪景色の屋外だけに暖かい汁物は「プラスα」の効果がある。
フリーズドライの餅だが、これが結構いける。
それに、購入間もない「エスビット」、屋外で使用するのは初めてだ。
それだけでちょっと嬉しくなってくる。
だが、実は忘れ物をしてきてしまった。
食事時においてバーナーやコッヘルの下に敷く「板」を持ってこなかったのだ。
雪を押し固めただけのテーブルでは、雪からの直接の冷えがガス缶やコッヘルに伝わり、場合によってはガスの気化に影響を与えてしまう。
ましてやエスビットは、固形燃料を置く台と雪とがダイレクトに面しているだけに、熱で下の雪が溶け出してしまう。
この時もあやうくシエラカップに入っているおしるこをこぼしそうになってしまった。
これは笑い事じゃ済まされない。
やっぱアウトドアにおける「食」は何よりも楽しみだしね♪
「いただきまぁす。」

奥日光SST:アップダウン

2011年03月26日 22時35分19秒 | Weblog
コースを進むに連れ、時折起伏のある場所を通過することがあった。
上りの基本は「キックステップ」。新雪があるとはいえ、ラッセルをするほどではなく楽に上ることができた。
だが、下りは斜度によりやり方を変えた。
斜度が緩やかな下りならそのまま降りても大丈夫だったが、きつい斜度になると、スキー板のように「山足・谷足」に分けて重心を移動しながら下ることも一つ。それでもスノーシューそのものがスキー板よりもはるかに幅が広いだけになかなかコツがいる。
トレッキングポールを併用しながらの下りであった。
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「なるほどねぇ、スノーシューかぁ。」
確かに便利な物だと感心した。
ある程度の状況や標高までなら、これがあれば比較的楽に、そして安全に雪山を登ることができるだろう。
あとはピッケルとクランポンに換えての登攀になるんだろうなぁ。
ろくな思い出しかないはずの雪山登山への想いが、僅かながら生まれてきそうな自分だった。
本音を言えば、再び雪山登山へトライする気持ちはずっと以前からあった。
しかし、家族が反対することは目に見えている。
それに年間を通した登山の中では、最も重装備で、最も体力、持久力、そして何よりも経験と技術を必要とする。(また、装備に金がかかる)
自身のこととはいえ、まったく我が儘であきれかえる。
それに去年の秋には「冬は何もしません。どこへも行かずおとなしくしていますよ。」
と、モンベルスタッフの方々にも言ってたのに・・・。
その時はその時で正直な気持ちだったのだが・・・。

奥日光SST:バランス

2011年03月24日 23時38分50秒 | Weblog
小動物の足跡がそこここにある。
中には鹿のものもあった。
とは言っても、それらの足跡を見て自分が知っているわけではなく、すべてスタッフのTさんが教えてくれたもの。


だが、鹿の「食害」は深刻な問題であって、樹木への悪影響が以前から懸念されている。
それは知ってはいたのだが、実際にこの場に来てみなければ現状はわからない。
そういえば、夏に「高山」に登ったときにも、鹿の食害を防ぐためのネットがぐるりと張り巡らされていたことを思い出した。
また、Tさんからこんな話を聞いた。
えさを求め親子の鹿が山から下りてくる。しかし防護ネットがあるために目的の場所までたどり着けない。ジャンプ力のある親鹿がネットを跳び越えたのはいいが、子鹿はそうは行かない。
結果、延々と張り巡らされたネット越しに親子は離ればなれになってしまったということだった。
自然の樹木を守ることと動物保護。どちらも人為的な業(わざ)だ。
どちらも大切なことであるが、そのバランスが難しい。
永遠の課題なのかも知れない。

俺がこんなことを考えるだなんて、一体どうしてしまったんだ。

奥日光SST:ちょっと新鮮

2011年03月23日 21時21分05秒 | Weblog
ほぼフラットな雪原を歩く。
本来であればトレッキングルートがあり、新緑を、高原の風を、紅葉を、それぞれの季節ごとに楽しみながら歩くことができるはずだ。
ここがあの「戦場ヶ原」であることを忘れてしまうほど、降り積もった雪は景色を一変させていた。

スタッフのTさんが先頭を歩き、ここ戦場ヶ原の生きた姿を説明してくれる。
ただ単に歩くだけでなく、地形学的見地から動植物の生態系までわかりやすく話をしていただいた。
自分のような男でも十分理解できた。(笑)

このような形でアウトドア活動に参加したのは初めてのこと。
自然の雄大さや美しさはその都度感じてはきたが、生態系までは深く考えたことはなかった。
汗を流すだけに終わらない、自分の中にあるアウトドアの興味や関心が、新たな枝分かれをしたようにも感じる。



奥日光SST:START!

2011年03月22日 23時51分37秒 | Weblog
雪原のルートに降り、スノーシューを装着した。
のはいいが、どうにも歩き方がぎこちない。
アイゼン装着の時よりも更にがに股で歩かなければスノーシュー同士がぶつかり合い、金属音のこすれる音がした。
それにもまして、底にある雪面を噛むための歯が、ブーツや下手をすればアルパインパンツの裾まで傷つけてしまいそうで怖かった。

平面であれば歩き慣れるまでにはそう時間はかからなかった。
しかし、最後尾を任され、他のメンバーが歩いた後の雪面を追うようにして進むため、楽しみにしていた「新雪の感触」を確かめることができなかった。
ちょっと前方を見て、スタッフのTさんが後ろを向いていないことを確認し、ほんの少しだけコースから外れ新雪の上を歩いてみたところ・・・。
「おっ、おぉ~こりゃぁ気持ちがいい♪ ふっかふかだよ!」
まるで、幾重にも重ねた真綿の上を歩いているような感覚だ。
思わず笑みがこぼれた。
(Tさん、勝手に列からはみ出てごめんなさい。 m(_ _)m )

柔らかな新雪の上に乗れば、当然体重+ザックの重みで沈む。
沈むのだが、その沈み方がまた独特で、上手く表現できないもどかしさがある。
生まれて初めて感じた感触だった。
天候もまずまず。先が楽しみだ。

自分にできるか・・・

2011年03月21日 20時55分49秒 | Weblog
テレビをつける度に、避難所生活を余儀なくされている方々の様子が映し出される。
互いの協力や忍耐なくしては生きることは困難で、そのつらさたるや自分の想像を超えるものだろう。

果たして・・・。
果たして自分がそのような境遇になった場合どうするか。
協力はするだろう。
我慢もするだろう。
だが、どこまで耐えられるだろうか。
「こんなに頑張っているのに。こんなに耐えているのにまだ続くのか。いつまで耐えればいいんだ。」
おそらくはそんな考えを常に頭の片隅に置いたまま、自分だけが世界で一番不幸な人間だと決めつけ、どこかで何らかの形で欲求不満を爆発させてしまっているに違いない。
自分のため、家族のため、みんなのためだと分かっていながらも、耐えきれないでいるだろう。
それとも楽天家気取りで廃材等を見つけまわり、それらを使って生活道具に作り替えているだろうか。
いや、そこまでの気力、気転は生まれないだろう。
被災地の方々には、本当に頭の下がる思いで一杯だ。