ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

2008 夏のツーリング(6)

2008年08月22日 20時22分07秒 | Weblog
大内ダム湖沿いにバイクを走らせる。
峠を二つ越えてきた後だけに、風を切る爽快感は格別だった。
このまま大内宿までわずか数キロなのだが、水をせき止めている場所にどうしても寄ってみたくなり急遽コースを変更した。

バイクを止め振り返ると、今超えてきた峠の山々が遥か遠くに見えた。
湖畔まで降り、水に手を入れてみると意外と生暖かな水だった。よく見ると小魚が泳いでいる。

バイクに戻り記念写真を撮るが、このブログでは残念ながらアップできない写真も撮った。3人で作る二段ピラミッドだ。
O氏が自動シャッターを設定する。グローブを外してしまったS氏は、焼けたアスファルトに手をつき「早くぅ~!!」と叫んでいる。
いい歳をした大人達だが、旅の恥はかきすてだ(笑)。

自分は大内宿は二度目だが、他の二人は初めて訪れる。
まずは何と言っても腹ごしらえだ。既に午後の1時を過ぎていたし、名物の「そば・とちもち」が三人を待っている。
残念ながら軽いそばアレルギーを持っている自分はうどんとだが、数年ぶりに食べたとちもちはつきたてアツアツで美味かった。
食後のデザートは「山ぶどうのソフトクリーム」。
中年おやじがライダーの格好をして食べる姿は、この場に知り合いが他にいなくて良かったと思う。

ここから帰りのコースは昨日とほぼ同じ。
田島でGSに寄ったが、この店のお婆さんがまたおもしろい人だった。
人がよく、いろいろと語りかけてくるのだが、訛りと方言が強いお婆さんだった。出発時には「気をつけて帰るんだよ。」と何度も言ってくれた。ありがたいことだ。

帰りの日光有料道路。ここでもO氏の曲芸乗りが披露された(笑)。
自分は100㎞程度で走行車線の先頭を走っていたのだが、右手後方から左手にデジカメを持ち、片手ハンドルで軽々と追い越して行くのだ。
つまり、120㎞ほどのスピードで、動画を撮りながらのライディングなのだ。
後日その動画を見せてもらった。なにせ長年バイクを走らせているが、自分の走っている姿を見たのは初めて。S氏に感謝!

今回のツーリングキャンプ。総走行距離は二日間で500㎞程度だったが、充実した内容だった。
走るだけでなく、珈琲作り、食事作り、燻製、そして酒と語らい。
男三人で、むさ苦しさは否定できないが、だからこそ気兼ねなくWILDにできたのだ。


2008 夏のツーリング(5)

2008年08月21日 22時51分00秒 | Weblog
朝は7時前に目が覚めた。
S氏が珈琲を入れてくれた。部屋で飲むよりはと思い、外へ出た。
高原の朝、日差しは既に厳しのに何とすがすがしいんだろう。珈琲が美味い。

9時過ぎに出発し、途中会津塩沢にある「河井継之助記念館」の駐車場で休憩。
ここも数年前に独りで訪ねたところ。懐かしい。

R252を柳津方面へ北上。トンネルと雪避けのための屋根が付いたルートで、只見川に沿っている。
そして柳津からは県道53号を上って下っての峠越えが始まる。
思ったより道幅は広かったが、途中道路標識をまったく見かけなくなってきた。
これは峠道ともなれば当たり前のことだが、ルートを確認できないという不安がある。
やっとのこと峠を下ると、久々に見るルートの標識。
「・・・ん? 県道59号?」やばい道を間違えたか。だがもう峠は越してしまったし・・・。
おそらくは53号と59号が部分的に重なっているのだろう・・・ということで、ややアバウトな解釈ながら会津高田の町中へと向かった。

暑い。とにかく日差しが強い。
走っている間は風が肌をなでてくれるが、信号待ちなどで停止すると、痛みとも痒みともわからぬ感覚になる。
会津高田で一息。ここから県道330号の二度目の峠越えとなる。
ここを超えれば目指す「大内宿」だ。さぁ頑張ろう!

地図を見る限りでは間違いなく県道なのだが、予想したとおりの難路に近い。
峠に近づくにつれ道幅は極端に狭くなり、ワインディングの連続。
カーブミラーなどはなく、しかもそのカーブの至る所に「石」ではなく「岩」が転げ落ちていた。
「こりゃあカーブで対向車がきたら避けきれないかなぁ」
一抹の不安を抱きつつの峠越えとなった。

やっと下りに入り、木々の間から大内ダムの水瓶が見え隠れしてきた。
まだ気は抜けないが、難所は超えた。




2008 夏のツーリング(4) 

2008年08月20日 21時16分26秒 | Weblog
本当に静かな夏の夜だ。
そして時間はゆっくりと流れている。
チップとハーブの香りが十分にしみ込んだヤマメは将に極上の味。そして冷えたワインがまたこれに合うんだな♪
空き缶で作ったランタンの灯りが無言でWILDさを盛り上げてくれている。
このひととき、女っ気はないが、それもまたかえっていいものだ(笑)。
できることならここでギターがあって、B・ディラン、CSN&Y、B・スプリングスティーンなんぞの曲でも弾けば、それこそ映画のワンシーンだろうか(笑)。
S氏はすでにほろ酔い気分で燻製をつまんでいる。酒に弱い自分だが、この夜は何故かもう少し飲みたい気分になっていた。

10時を過ぎた。そろそろお開きにしなければならない。
コテージに戻り熱いシャワーを浴び、明日のルートを相談した。
峠越えだ。初めてのルートで峠越えはやや緊張するが、楽しみでもある。



2008 夏のツーリング(3)

2008年08月19日 23時44分28秒 | Weblog
宿泊施設は5~6人は泊まれるスペースがある。
キッチン、冷蔵庫、ガス台、テレビ、トイレ、冷暖房、風呂はないが温水シャワーが完備。我々むさ苦しい男どもにはま~ったく似合わない、ログハウス風のコテージなのだ。

一等兵ことS氏はさっそくビールの買い出し。二等兵ことO氏はこだわりの燻製作りに。軍曹こと隊長の自分はBBQの火起こしに取りかかった。
ここでのO氏の行動がまた笑えるものだった。
デジカメを用いて動画を撮っているのだが、間違いなく男3人だけで来たという証拠を奥さんに見せるのだという。いや、見せなければならないと言った方が正確なのかな・・・(笑)。
しかしながら特筆すべきは燻製作りへのこだわり方だ。
ヨーロッパだったか中東だったか忘れたが、淡いピンク色をした岩塩を使用しているのだ。更には、本来であれば門外不出の特製ミックスハーブを惜しげもなく「ヤマメ」にまぶしている。
そしてこのヤマメ。もちろん買ってきた物などではない。
O氏がバイクで山中奥深くまで行き、そこから道なき道を登って降りてを繰り返し、やっとのことたどり着いた渓流で自ら釣り上げたものなのだ。将に感謝感謝である。
蒲鉾やはんぺんなどの練り物などを含めて燻している間に、BBQで大いに盛り上がった。
肉、魚介類、野菜をたらふく食べ、ビールで心地よく酔った・・・のはいいのだが、次第にWILDさもヒートアップ。箸などは使わず、ナイフでそのまま肉を刺し食べる。ホタテ貝の殻まで食べようとする。
職場ではまずできないおバカさをさらけ出し、エンジョイしたのだ。

BBQは日が暮れる前に終わりにした。
何故なら、暗い中ヘッドランプで上から照らしながら食べるなど、味も雰囲気も半減してしまうからだ。
さぁて、ここからは贅沢なひとときが待っている。
手作りの燻製を肴にワインをいただくのだ。
あたりはもう夜の闇。聞こえてくるのは虫の声だけ。冷房など必要のない高原の夜の風が心地よい。

2008 夏のツーリング(2)

2008年08月19日 01時31分44秒 | Weblog
田島の市街地に到着しすぐにバイク店に行ったが、あいにく休みで修理できる人は不在だった。
しかしその店でタイヤ店を紹介してもらい移動。幸いなことに釘はタイヤに対してほぼ真横に刺さっていた状態だったので、損傷は表面のゴムの部分だけだった。
空気が漏れることもなく一安心♪
店のお兄さんも気さくなひとで「お金? いいからいいから」と。
お礼を言い、再出発。次に向かったのはスーパーマーケット。食材の買い出しだ。
メニューは定番のBBQ。そして手作りの燻製。
酒はキャンプ場でビールを購入する予定だが、せっかくの手作り燻製だ、ワインも・・・といきたい。
ツーリングバック一杯に食材を詰め込み、田島を出発。
まるでタンデムをしているような重量を背中に感じながらR289をひたすら只見へと走った。
南郷の直線道路は、何度も振り返りたくなるような実に美しい稜線が広がっている。一瞬北海道を走っているような錯覚さえ覚えるほどだった。
ここで最後の休憩をとった。
以前はJAの野菜集荷場だったが、いつの間にかJA直営店が隣接されており、一息つくにはもってこいの場所となっていた。
一服しながら珈琲を飲んでいると、店の方が来て「どうぞ食べていってください」と言い、地元で穫れたトマトをくれた。こんな些細なふれあいが嬉しい。そして心から感謝だ。
さぁ今日のラストラン。伊南川沿いにバイクを飛ばす。
数年前、ソロキャンプをした川原が見えた。
「そう言えば地元の小学生達と薪拾いをしたっけなぁ」などと思い出に耽る。
16:00。ほぼ予定通りにキャンプ場に到着。
さぁて、野郎どもの手料理の開始だ。

2008 夏のツーリング(1)

2008年08月18日 22時14分45秒 | Weblog
この夏は久々にツーリングキャンプへと出かけた。
現在の職場に異動し数年経つが、周囲には残念ながらバイク愛好家がいなかったのだ。
いや、実はいたのだが、その存在を知らなかったのだ。
ひょんなことでバイクの話題となり、「えっ○○さんもそうなの!」ってな具合でとんとん拍子で話が進み「それじゃ一緒に行こうぜぃ♪」の即決定と相成った。

心は躍った。なにせ本当に久々のツーリングキャンプ、バイクのメンテと荷造りには入念に時間をかけた。
チェーンのゆるみ、オイル、ブレーキ、ワイヤ、LLC、タイヤ等々。
ランタンマントルの予備は大丈夫か。ナイフを研ぎ直さなければ・・・。
ファーストエイドキッド、ろうそく、雨具、ロープは忘れていないか。
この準備をしている間が実に楽しいのだ♪

3人で行くことになったが、一人はまだ免許を取得して間もないことから、以前に何度か行き、自分がよく知っているルートと方面を選んだ。
8月10日(日)AM8:30、某コンビニに集合。天気も上々・・否、かなり暑くなりそうだ。

宇都宮を経由して北上。鬼怒川・川治温泉を抜け山王峠を越える。俺にとってはおなじみの、そして最も好きなルートのひとつ。
宿泊予定地は何度か利用した「只見町青少年旅行村いこいの森」。ここは町営だけに充実した施設設備ながらも、かなりリーズナブルでありがたい。

「道の駅たじま」で昼食を済ませ、さっそく恒例の珈琲ブレイク。バーナーで湯を沸かし、ドリップする。たまらんな~このひととき。ついでに新鮮野菜市場で買った桃をナイフでざく切り。デザート付きのリッチな休憩となった。道端でこれをやるのがツーリングの醍醐味なのだ!
だがひとつ不安な事があった。後輪に釘が刺さった状態で走行していたのだ。
出発前の点検では異常はなかったから、途中で刺さったのだと考える。
抜くことは簡単だが、それにより空気までもが抜けてしまう可能性があった。
今の状態で空気漏れはない。このまま走行し、できるだけ早く修理店に行くのがベターだろう。
空は抜けるように青く、真夏の太陽が肌を射す。
気分はいい。さぁ行こうか!




鹿児島へ・・・12(旅の終わり)

2008年08月17日 23時34分35秒 | Weblog
西大山駅へ戻り写真を撮り始めた。
途中列車が停車し、地元の人や観光できたと思われる人たち数人がホームへ降り、早速K夫妻のもてなしをうけていた。なんとも絵になる木陰の風景だ。

この駅に来たらやってみたいことがあった。子供じみたことだが血が騒ぐ(笑)。
だがそれは極めて愚かな行為だったと身をもって体験することになった。
まずはホームからレールへと降り、開聞岳をバックに数枚撮った。そして素足になりレールの上を歩こうと・・・
「熱っ!!!」レールに足の指が触れた瞬間跳びはねた。
当たり前だ。真夏の、しかも南国の太陽の直射日光で熱している鉄の上を、素足で歩こうとすること自体がおかしい。
それでもあきらめきれず、レールを避けて歩いた。
無人駅でなければできないことだが、いい歳をした大人がすることでもあるまい。そう思いながらもやってしまうことが子供だ(笑)。

残念ながらもう時間がない。
わずか数時間だったが、十分に撮ることができた。そして「花瀬望比公園」の存在を知ることができた。
これも偶然が呼んだ「人との出会い」のなせるわざだろう。

この西大山駅には写真を撮るためだけに来たはずだった。K夫妻との出会いは全くの偶然にすぎないのだが、自分のひとり旅には、不思議と偶然的な出会いが多い。
出会いを求めて旅をするわけではないが、忘れられない人たちがたくさんいる。
それがひとり旅の楽しさであり、素敵な誤算となって最高の思い出を作ってくれるのだ。

後日談になるが、9月の某日某番組で、K夫妻のことが特集となって放送された。懐かしく、そしてあのとき受けたもてなしのありがたさをすがすがしい気持ちで思い出すことができた。