去年のこの時期、本谷橋から約2時間をかけて涸沢ヒュッテまで登った。
予定していたルートタイム通りと言えば聞こえは良いのだが、結構きつかった覚えがある。
それはザックの重さの影響もあるだろうが、予定時刻通りに到着することにこだわり過ぎ、オーバーペース気味での登りだったからだ。
今回はザックの重さはやや軽いが、予定は予定としゆっくり目でのペースを守った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/df/1bf9a59dc96feef56b588493f8ab351a.jpg)
カールを見渡せるポイントまで来て、奥穂高岳がはっきりと目視できるようになっても慌てずのんびりと歩き続けた。
きついことはきつかったのだが、バテるまでには至らずヒュッテまで到着することができた。
時間にして2時間15分だった。
「おぉ~まだまだあるなぁ・・・」
思わず出た言葉だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/63/502622ca9c74987f67b4a43ed4dfd1cc.jpg)
まだ途中ではあろうが、おそらくはヒュッテの方が除雪機を使ったのだろう。
見た目で積雪8mはあるだろうか。
「設営はこの上かな」
まず小屋へ行き受付を済ませた。
設営場所を考えたが、今のところ自分を含めてテントは4張りのみで、どこでもOK状態。
風向きと、僅かでも設営と壁の跡を利用できるポイントを選んだ。
風は緩く、北から西にかけての吹き下ろしだった。
早速設営を始めた。
雪山の場合ペグは当然「竹ペグ」のような物を用いるが、問題は予めテントから伸びている張り綱とに結びつけるロープ(ひも)の素材を何にするかだ。
去年は「麻ひも」を用いたのだが、残雪期における設営には不向きだということが分かった。
時期が初冬や厳冬期であれば麻ひもでも良いのだが、水分を多く含んだ残雪期ともなれば、麻ひもでは脆く切れやすくなってしまうのだ。
幸い去年は夜間を通して風は殆ど無くテントが飛ばされそうになる心配はなかった。
しかし、撤収となりいざスコップで掘り起こし麻ひもを引っ張って竹ペグを抜こうとしたら、ごく僅かな力しか入れていないにも関わらずあっけなく紐が切れてしまったのだ。
「これじゃぁ風が強かったらテントは飛ばされてたかも・・・」
麻ひもがいかに水分に対して脆いかが分かった。
では代わりに何を用いるか・・・いろいろと考えてみた。
もし、残骸として残さねばならない事になった場合、環境への影響をも含めて考えた。
丈夫さと環境との両立は大切なことではあるが、この時期であれば凍って掘り起こせなくなってしまうことは殆ど無い。
であれば丈夫さを優先すべきだと思い、ナイロン製の紐を用いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/0b/a508cdce0af495b66f569a766be070be.jpg)
どこの家庭にもある荷造りに用いるものだが、耐水性は麻ひもと比べるまでもなく強い。
結果としてこの紐にしたことでテントと自分が助けられることになろうとは、この時は想像も予測もできなかった。
設営時間は約30分程だった。
穏やかな風であったこともあるが、、積雪期のテント設営にもかなり慣れてきたと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/90/0b56b6a718ec9a9e38eb10e6b141173c.jpg)
一つ気になることがあった。
この写真には写ってはいないのだが、お隣さんのテントの向きが風上になっていたのだ。
つまりテントの入り口が風上に向けられており、他人とはいえ心配だった。
「まぁ今のところ風は大丈夫だろう。」
そう思い声は掛けなかった。
やはり暑い!
だが、これ以上汗をかくような予定はない。
ゆっくりと一服しながら早速お湯を沸かし珈琲を飲んだ。
涸沢は、標高で言えば地元の男体山とほぼ同じになる。
「そっか、俺は今、男体山のてっぺんで珈琲を飲んでいるのと一緒なんだな・・・」
何度もここで飲んだことはあるが、あらためて男体山のてっぺんと同じと思うと、涸沢の高さが身に浸みてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/60/dca7a99cd149c67f38b1dab8a10a2710.jpg)
明日登攀予定の小豆沢ルートを見上げた。
まだ時間は十分にある。
「散歩がてらちょっと行ってみるか。」
そう思い、何も持たず登ってみた。
雪は緩いが、つぼ足でも途中までなら登れそうだった。
トレースもしっかりとついているし、これなら大丈夫だろう。
そう、この時はそう思ったのだ・・・が。
テントへと戻り、夕食と明日のアタックの下準備をした。
「まだ(夕食)には早過ぎるなぁ」
シュラフにくるまりささやかなお昼寝タイムとした。
予定していたルートタイム通りと言えば聞こえは良いのだが、結構きつかった覚えがある。
それはザックの重さの影響もあるだろうが、予定時刻通りに到着することにこだわり過ぎ、オーバーペース気味での登りだったからだ。
今回はザックの重さはやや軽いが、予定は予定としゆっくり目でのペースを守った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/df/1bf9a59dc96feef56b588493f8ab351a.jpg)
カールを見渡せるポイントまで来て、奥穂高岳がはっきりと目視できるようになっても慌てずのんびりと歩き続けた。
きついことはきつかったのだが、バテるまでには至らずヒュッテまで到着することができた。
時間にして2時間15分だった。
「おぉ~まだまだあるなぁ・・・」
思わず出た言葉だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/63/502622ca9c74987f67b4a43ed4dfd1cc.jpg)
まだ途中ではあろうが、おそらくはヒュッテの方が除雪機を使ったのだろう。
見た目で積雪8mはあるだろうか。
「設営はこの上かな」
まず小屋へ行き受付を済ませた。
設営場所を考えたが、今のところ自分を含めてテントは4張りのみで、どこでもOK状態。
風向きと、僅かでも設営と壁の跡を利用できるポイントを選んだ。
風は緩く、北から西にかけての吹き下ろしだった。
早速設営を始めた。
雪山の場合ペグは当然「竹ペグ」のような物を用いるが、問題は予めテントから伸びている張り綱とに結びつけるロープ(ひも)の素材を何にするかだ。
去年は「麻ひも」を用いたのだが、残雪期における設営には不向きだということが分かった。
時期が初冬や厳冬期であれば麻ひもでも良いのだが、水分を多く含んだ残雪期ともなれば、麻ひもでは脆く切れやすくなってしまうのだ。
幸い去年は夜間を通して風は殆ど無くテントが飛ばされそうになる心配はなかった。
しかし、撤収となりいざスコップで掘り起こし麻ひもを引っ張って竹ペグを抜こうとしたら、ごく僅かな力しか入れていないにも関わらずあっけなく紐が切れてしまったのだ。
「これじゃぁ風が強かったらテントは飛ばされてたかも・・・」
麻ひもがいかに水分に対して脆いかが分かった。
では代わりに何を用いるか・・・いろいろと考えてみた。
もし、残骸として残さねばならない事になった場合、環境への影響をも含めて考えた。
丈夫さと環境との両立は大切なことではあるが、この時期であれば凍って掘り起こせなくなってしまうことは殆ど無い。
であれば丈夫さを優先すべきだと思い、ナイロン製の紐を用いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/0b/a508cdce0af495b66f569a766be070be.jpg)
どこの家庭にもある荷造りに用いるものだが、耐水性は麻ひもと比べるまでもなく強い。
結果としてこの紐にしたことでテントと自分が助けられることになろうとは、この時は想像も予測もできなかった。
設営時間は約30分程だった。
穏やかな風であったこともあるが、、積雪期のテント設営にもかなり慣れてきたと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/90/0b56b6a718ec9a9e38eb10e6b141173c.jpg)
一つ気になることがあった。
この写真には写ってはいないのだが、お隣さんのテントの向きが風上になっていたのだ。
つまりテントの入り口が風上に向けられており、他人とはいえ心配だった。
「まぁ今のところ風は大丈夫だろう。」
そう思い声は掛けなかった。
やはり暑い!
だが、これ以上汗をかくような予定はない。
ゆっくりと一服しながら早速お湯を沸かし珈琲を飲んだ。
涸沢は、標高で言えば地元の男体山とほぼ同じになる。
「そっか、俺は今、男体山のてっぺんで珈琲を飲んでいるのと一緒なんだな・・・」
何度もここで飲んだことはあるが、あらためて男体山のてっぺんと同じと思うと、涸沢の高さが身に浸みてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/60/dca7a99cd149c67f38b1dab8a10a2710.jpg)
明日登攀予定の小豆沢ルートを見上げた。
まだ時間は十分にある。
「散歩がてらちょっと行ってみるか。」
そう思い、何も持たず登ってみた。
雪は緩いが、つぼ足でも途中までなら登れそうだった。
トレースもしっかりとついているし、これなら大丈夫だろう。
そう、この時はそう思ったのだ・・・が。
テントへと戻り、夕食と明日のアタックの下準備をした。
「まだ(夕食)には早過ぎるなぁ」
シュラフにくるまりささやかなお昼寝タイムとした。