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映画「おくりびと」

2009-03-12 22:30:07 | 日常雑感
 映画「おくりびと」がオスカー賞を頂いたので、急に有名になり、
これを上演している映画館では、毎回満員との嬉しい悲鳴である。
時代に取り残されてはならじと、
青木新門氏の「納棺夫日記」を思い浮かべなら鑑賞。

 主人公が、納棺夫になったために伯父を初め親戚中から絶縁になった。
伯父は、学資などの世話になった恩ある人である。
その伯父の臨終に、長年の壁が取れ、和解する。
お互いに心から「有難う」、「お世話になりました。有難うございました」と言って、
旅立つ場面があり感動した。年を取ることは、多くの人々と和解することであると、
常日頃思っているので、感動も大きかった。

 しかし映画は全く違っていた。
「納棺夫日記」と「おくりびと」は全く別の物であるとは聞いていたが、
納棺夫の仕事だけが同じで、中身は全く違う。感動も違っていた。
日本文化とは何なのかと疑問まで持った。バックボーンがない。
本木氏は、納棺夫の仕事を美しい所作でこなしていた。上手である。
しかし、死後硬直を考えると、あのような所作が出来るかなーと戸惑った。
納棺師を辞めるように妻に言われても、辞める事が出来なかったその心を、
もっと鮮明に出して欲しかった。
家族を捨てて姿を消した父を、許したことはなかったが、
父の死体と面会して初めて父と和解する場面があった。
この場面が、「おくりびと」の一番表現したかった中身であろうか。
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