斎藤茂太著 「老いへのケジメ」 2015年 新講社発行
モタさんが亡くなられた後の発行とであろう。字も大きく読み易いのでつい手に取った。
その中で、「ケジメ」の言葉が沢山出る。あの世に持って行けるものは何一つない。
長時間かけて蓄えてきた背中のリュックサックの中身。疲れたなーと思ったら捨てる事が必要。
生活の中のものから、心の中のものまで、残していくのは思い出だけぐらいにする。
高過ぎる理想の生き方を追いかけるのではなく、自分のやりたいことを中心にして、
周囲のみんなと仲良くするように心がける。
夜目覚めた時に、いろいろな悩みが浮かんできて目が冴えてしまうと言う生き方ではなくて、
再び気持ちよく眠れると言う人生にする。
山頭火の句に、「ここまでを来し 水飲んで去る」
人生の折り返し点を過ぎる時の句として考えると・・・・。
人生の終着点に近くなった自分としてのケジメは、受けた恩、受けた親切を少しずつ返す。
全て返すことは出来ない。
借りた物はなるべく早く返す。借りた本がある。なるべく早く返すことが必要である。
ケジメはなるべく早くつけるように心しよう。
一生かかっても返せないものもある。御免なさいしかない。