瀬尾まいこ著 「そして、バトンは渡された」が、2019年本屋大賞受賞作である。
知人が、「面白いから読んでごらん。」と言って貸してくれる。
歳を取ると心が狭くなるらしく、新しい作家の作品にはほとんど手を付けない。
よいチャンスと思って読み始めた。文章は素直にスイスイと進む。
人間関係も明るく淡白である。資料飲料水を飲んでいるような気分である。
17歳の優子を中心として物語は展開するが、家庭環境が複雑で、17年間に親がコロコロと変わる。
その度に名字も変わる。”優子”の名前だけが変わらない。その複雑さもさらりと流している。
最後はハッピーエンドらしいが、心理描写もあっさりし淡白な味である。
善意の人達ばかりが揃っているような世界である。
あっさりした冷やし中華の味がする。まだ1/3程度しか読んでいないので、今の感想である。