初夏を思わせる気持ちの好い日である。友に電話をする。その第一声が、
「寝ていた。何もする気にならないほど落ち込んでいる。」
「あっ、しまった。鬱だな」と思う。先日、ドクターから認知症だと言われたのが堪えたらしい。
気分転換に近くの海岸線を歩いて、太陽に当たったらと勧めた。
「何のために一人で海岸線を歩くのよ」ときつい言葉で拒否した。
本を読むしかすることがないと言う。誰かとコーヒーを飲みながら気晴らしでもしたらと勧めるが、
相手がいないし出かけるのが億劫だと言う。
50分位喋ったが、同じことを繰り返すだけで進展はない。
このままでは本格的な認知症に進展する。