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味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

功の崇きは惟れ志なり、業の広きは惟れ勤なり。

2016-11-17 09:45:37 | ブログ
第2879号 28.11.17(木)
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功の崇(たか)きは惟(こ)れ志なり、業の広きは惟れ勤なり。惟れ克く果断なれば、乃ち後艱罔(こうかんな)し。位は期せずして驕(おご)り、祿は期せずして侈(おご)る。恭倹(きょうけん)惟れ徳とし、爾の偽を載(こと)とすること無かれ。『書経』
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 志をしかと立て努力すれば、その功績はおのずから高くなる。また、努力、勤勉であれば、その事業は自ずから広くなる。よく果断に行えるならば、後のわずらいはなくなるであろう。位が高いと、意識せずに自然に尊大になり、俸禄が高いと、意識せずに自然に贅沢になりやすいものである。恭しさと倹(つつ)ましさを徳とし、虚偽のことを行ってはならない。217 
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 【コメント】昨日は『書経』を終日拝読していました。30年以上漢籍を繙いていますが、素晴らしいの一語に尽きると思います。西郷先生が、菅先生に『書経』『詩経』を読みなさいと勧めてくれたとのことですが、菅先生はその時は既に読んでいたであろうと私は推測しています。
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 日本の国が、内乱も無くこれからも平和であるためには、漢籍を繙いて下されればと提唱します。この教えを基軸として人々が協力しあってこれからの人生に処して戴ければと願うばかりです。
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 今朝の読売新聞広告に、東京大学教授が招来は天皇制を廃しなければならないと論じ、対談者は社会混乱が起るから反対というような、対談した著書が紹介されています。
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 東大教授の天皇制廃止はある政党の論理と同じであり、これが国会の議論の俎上にのると大混乱が巻き起こります。これは断定してもいいでしょう。
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 これは天が日本国に与えてくれたものだと思います。菅原兵治著『農士道』を拝読し、ブログで600回にわたりご紹介してそのように総括した次第です。

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『臥牛菅実秀』(第414回)
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 桑園の中を見て廻る忠篤の胸中にも、忠篤を迎えた開墾士の人たちにも、深い感慨が去来したことであろう。
 こえて明治十三年三月、陸軍省が新帰朝者酒井忠篤に与えた辞令は、陸軍中将として佐倉(千葉県)分署詰を命ずというものであった。
 このころ陸軍省では従来のフランス式の軍制からドイツ式に切りかえつつあった時期であるが、この時期において、ドイツの新鋭な軍事学を八年にわたって研鑚してきた人に与えた辞令がこれであった。しかも忠篤はドイツ留学のために一旦辞任したとはいえ、すでに陸軍中佐に任官し、かつ練兵御用掛となって天皇の御相手を仰せつけられた人である。その人に対して陸軍中尉、佐倉分署詰を命じたのであった。

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 この処遇は、忠篤が西郷のすすめによって留学したということを忌み嫌った政府高官の小感情に外ならぬのだ。忠篤はただちに職を辞して鶴岡に帰った。忠宝も然りである。
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