人として通ずるものはある
妻が、税関で荷物の中に、生ものがあるのが見つかり、その荷について別室に連れていかれ説明を受けたという。係り員が3名ほどいて、その中で妻が言った英語は、「マイドーター、ベイビー、ボーン」だったそうだが、おそらく、手振り身振りを交えて、その荷がいかに、娘の欲しがっていたものであり、彼女は近く出産を控えているので、是非、その娘にこれらの日本食を食べさせてあげたいと必死になって伝えたのだろう。
中味は何と、私の釣ってきた鯛(宗像大島産)の昆布〆とヤマメ(阿蘇高森産)の燻製、それから、博多辛子めんたいこなどであった。税関の係り員がどのように判断したので、そうなったのかはわからないが、とにかく、3分くらいで無罪放免、しかも、その品々も没収されることなくすんだそうだ。
ドイツに到着した日の夕飯は、それらのものをおかずに、娘夫婦もとてもおいしいと満足げだったらしい。ある人は、生ものが許されるなんて、とても信じられないと言われた。
一昨年、次女の連れ合いがバプテスマを受けるというので、サンフランシスコに行ったときに、税関で、いろいろと英語で尋ねられて、ウーとか、エーとか言って、困ったという顔をしていたら、突然、「カンコーデスカー」と聞かれて、驚いて「エーマー」と答えて、胸をなでおろしたことを思い出した。神様の創造された者同士、言葉は通じなくても、気持が通ずることはあるだろうと思うのだ。もちろん、その逆もあるが・・。
平良 師