常念が見える部屋から

ここから北アルプス常念岳が眺望できます。
季節の移ろいに写真を添えて発信します。

柿の落葉

2010年10月22日 | 季節の便り


 北の国から初霜の便りが届き、松本でも肌寒さに薄手の夜具を厚いものに変えた。
庭先の大きな柿の木から、ピエロの衣装のように色付いた葉が散り始めて、朝の地面におびただしく降り積もっていたことが思い出される。

 思い思いの模様が描かれた、分厚い葉は、描き終わったばかりの水彩画のように瑞々しく、ひんやりと冷たかった。

 姉達は柿の葉で人形を折り、美しい模様の葉を選んで衣装を作り人形に着せかけると、幾重にも重ねられた葉っぱの衣装は古代の十二単を思わせた。

 

 

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十三夜を歩く」

2010年10月21日 | 季節の便り

 

9時ごろ祝事が終わって祝宴会場を後にした。
家に帰る選択肢は無数にある。迎えを頼む、タクシー、代行運転、徒歩等
体調もよし、気候は最上 徒歩を選んだ。
付近は城下町の名残りを残す路地が縦横に伸びて、異郷の街の路地を抜ける楽しさである。
少量のアルコールと、纏わりつく晩秋の暖かい風が後押しをした。

車社会からは忘れ去られたといっても、それは車が通れないだけのことであって、そこここから感じられる生活の温もりは、無機質な車道の比ではない。

歩くということは何と自由なことだろう、行きたい方向に何の制約も受けずに進める、自由の素晴らしさを体中で堪能しながら、家の方向に見当を付けて、路地から路地を抜けた。

子供のころ迷路に迷い込む夢を何度も見た、不思議なことに、小路の先々に広がる景色が、夢の中の情景に似ていることに気付く。

街がぼんやりと明るいのは雲を通して届く月明かりだろう、明晩は13夜である。

 

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栗の実はどこで焼いた?

2010年10月20日 | 季節の便り


 

焚き火 囲炉裏 風呂の焚口等

焚き火で焼いたことが一番かな

栗は加熱され破裂する、その音と熱い栗が自分に向かって飛んでくるかもしれない緊張感に何時も晒されていた。

火中の栗は爆発する恐怖の対象でもあった。

猿蟹合戦の猿は、囲炉裏からはぜ飛んだ栗に酷い目に会う。

火中に投げ込む前に堅い外皮に傷を付けると安心だけれど、男の子はそういうはしたない事はやらない。

火中の栗は、そんな恐怖に立ち向かっても手に入れるだけの価値はある。

香ばしい香りに引き付けられるように近所の子供たちが集まって来た。

 

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でんぶ(田麩)

2010年10月19日 | 季節の便り


地区の老若男女が集まって、公民館で運動会の慰労会が盛大に開催された。

取り寄せた料理の中に、美しく彩色された具が詰まった海苔巻が入っていた。

目を引くピンクの食材は「デンブ」だった。

聞くと若い人はデンブを知らないという。

運動会の楽しみはデンブが入った海苔巻き弁当だった。

デンブは細かにほぐした白魚肉に、たっぷり砂糖を入れて、薄紅色を付けた気持ちが浮き立つような食材である。

寿司飯の上に甘辛煮の干瓢を延し、桜デンブを多めに散らして手際よく巻きあげる。

切りそろえて、切り口が少し見える様に重箱に詰めると仄かに海苔の匂いが漂う。

子供たちは固唾をのんで呑んで見守った。

両端から出た小さな切れ端は、見守る観客の口に入った。

デンブの甘さが体中を駆け巡って、何とも幸せな気分だった。

 

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放れ猿 背伸びして柿を食べる

2010年10月18日 | 季節の便り
これは誰の仕業? 放れ猿の仕業と確信した


放れ猿が迷い込んでいるらしい、あちこちで目撃情報を聞く。
昨日、近くの畑でその放れ猿に遭遇した人にあった。
数メートル先から様子をうかがう60センチほどの成獣で、打つ真似をしたら、白い歯をむいて威嚇してきた。
大の大人でも一寸恐怖を感じたそうだ。
日本猿は生後3~5年で群れを離れ、別の群れに入る旅に出る、その旅程で人里に迷い込む事があるらしい。
放れ猿は、群れを離れた環境の変化に不安定な精神状況で凶暴化しているものが多いという。
自衛のため、猿に遭遇した時の心得5カ条を書いて、各家に回覧することになった。

1・近づくな
2・目を合わすな
3・餌をやるな
4・餌を見せるな
5・背中を見せずにゆっくりその場を去れ。

我が家の畑で、下枝の柿が食いちぎられているのを見つけた。
最初は鳥かと思った、けれど鳥はこういう食べ方はしない、鹿の仕業と思ったけれどこれもしっくりしない。
放れ猿の一件を聞いて直感的に思い当たった、犯人は猿だ。
目撃した件の畑は、目と鼻の先にある、異様な動物の鳴き声が頻繁にこの方向から聞こえた。
状況判断から、直感は確信に変わった。






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地区運動会

2010年10月17日 | 季節の便り


人口の減少に伴って地区運動会は大きく変わった。
運動会は盛り上がりも少なく、午前中で終わる。

昔 村であった頃、優勝旗の争奪に向け、各集落は1ヶ月も前から毎晩のように練習に励んだ。
運動会で優勝の立役者は集落のヒーローとなり、会合や宴席では特別な存在感を示した。
一方競技をミスッて優勝を逃す元を作った選手は、一身に非難が集中し、辛い一年となる。
子供たちは声をからして、日がな集落の選手に三角の小旗を振って声援を送り続けた。
応援歌
胸には白きNの文字
肩にかけたる白線の
薄の川の水清く
秋葉の山を背において
立てる若人南橋の
凱歌を上げる我が選手

60年余も過ぎても応援歌を覚えている、運動会は異様な熱気に包まれて、審判の判定に殺気立つ場面も少なくなかった。
中でも60キロの俵を担いでリレーする俵担ぎは過酷を極めた。
接触して落とした俵を、片手で担ぎあげた豪傑、体力を使い果たしゴール間近で落とした俵を上げきれず、号泣する選手
等、現在のオリンピック選手に勝るとも劣らない重圧の中で競技が繰り広げられた。

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冬籠り

2010年10月16日 | 季節の便り




寒がり達を、部屋に招き入れた、年毎に成長して重量が増してくる。
殺風景だった部屋の趣が変わってゆとり空間に変った、緑の効果は大きい。
コメント (1)
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牛伏寺(ゴフクジ)断層 防災訓練

2010年10月15日 | 防災

(記事には関係ありません)


松本を大きく含む地域を牛伏寺断層が南北に走り、調査結果によってこの断層に沿って、1,000年周期で大地震が起きていることが判明した、と先生がいう。

そして、「直近の地震から既に千年が経つ、ということはM8クラスの烈震が、いつでも起きうる可能性が高いということだ」とこともなげにおっしゃった。

「備えあれば憂いなし」自衛しようと立ちあがり、来月21日、連合町会主催の防災訓練が行われることになった。

これから、しばらく町会の防災部長は多忙になる。

災害は季節を選ばない、日を選ばない、時を選ばないから、準備された訓練では大きな成果は期待できない、が やらないよりはいいだろう。
朝9時 地震発生の代役は防災サイレンが勤める。


M8級の揺れに、多くの家屋が倒壊し、下敷きになった人も多い筈だ、また火事も発生したらしい白煙が数か所で上がり始めた。

運よく脱出できた人も、着のみ着のまま、怪我をしている人も少なくない。

町会戸数69戸・人口183人の安否確認が先決となる。


サイレンと共に、町会役員は直ちに公民館へ集結し対策本部を設置し、隣組長からの被災報告を受ける。

町会組織は5所帯を核とする隣組である、組長を中心に相互の安否を確かめ対策本部に通報する。

 そして次の行動に移る

1・倒壊家屋から脱出できない住人がいる場合は、本部より救援隊を待つ その間の連絡を密にする 

 

 2・脱出できたが重傷の場合は安全な場所に移し 救援隊を待つ、

 

 他の住人は1・2の保安要員を残し、対策本部に集結する。


  対策本部は被害状況を把握し、本部長は選任の権限を独占し健常者を集め、適材適所を考慮した行動班を編成する。
  本部長は優先順位を冷静に判断し、勇断を持って行動班に実行命令を下す。
  発生から3時間が勝負である。

  
  
  1班・救出 

  2班・応急処置

  3班・消火

  4班・連絡 連合本部 役所 その他

  5癌・食事 

  6班・居住空間の確保

   

 

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食虫文化 イナゴ取り

2010年10月14日 | 季節の便り
イナゴ


信州の人はゲテモノ食いだといわれる。
蜂の子、蚕の蛹、イナゴ、ザザムシ、カミキリムシの幼虫等々
生まれた時から食べていたから、他郷の御婦人方が何故眉をひそめるのか判らなかった。
長じてこれが信州の特異な食文化であることを知った。
秋の風物詩にイナゴ取りがあった、収穫が終わった水田の、日当たりのよい畦道にイナゴが群がって日向ぼっこしている。
それを素手で捕まえて腰に下げた布袋に入れた、袋の口を開くと待ち構えていたように何匹かのイナゴが外に飛び出す。
だから口を開く前に袋を良く振って、イナゴを袋の底に落とさなければならない。イナゴ取りのちょっとした感どころである。
知恵のある人がイナゴ取り袋を考案した、袋の口に竹筒を結えて捕獲したイナゴは竹筒を通して袋に落とし込む。
虫に竹筒をよじ登って脱出する知恵は無かったから、人間はイナゴ取りに集中できた。
しかし イナゴの跳躍力はすごい、群がってはいるけれど捕獲は簡単ではない、跳ねる方向から手をかざし素早く手中に収める、一瞬の早技が物を言う。
虫に翻弄され、つかむ打率の低い人は「ノロマサン」といささかの軽蔑を込めて笑われた。

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熊騒動

2010年10月13日 | 季節の便り

色付く柿



熊が人里近くに出没して、人に危害を加える事故が例年になく多いという。
専門家によると、夏の異常気象がドングリの不作をまねき、熊は冬眠のための栄養が貯えられずに、焦っているらしい。
近頃野生の熊は、極端に生息数が減少し、絶滅が危惧されれているにもかかわらず、頻発する熊被害は、生息数の増大感を招くかもしれない。
飢えて餌を求め、やせ衰えて人里に辿りつく。
何日振りかで、ようやくありついた御馳走である、見とがめた人間に向って、自衛のため牙をむけ、鋭い爪を立てた。
山にはかっての様な豊さはないのだろう。
昔人の話では、里に現れた熊は、柿の小枝を器用に手繰り寄せた熊棚を作り、そこに座って柿をむさぼった。
実際 柿の古木の高見にそういう熊棚をいくつも見た事があるし、幹につけられた生々しい爪痕も身近に見たものだ。
あの頃は現実に恐怖の的となる熊が身近にいたのである。
そんな熊の脅威から解放されて平安だった山麓に、降ってわいたような熊騒動である。





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