常念が見える部屋から

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季節の移ろいに写真を添えて発信します。

食虫文化 イナゴ取り

2010年10月14日 | 季節の便り
イナゴ


信州の人はゲテモノ食いだといわれる。
蜂の子、蚕の蛹、イナゴ、ザザムシ、カミキリムシの幼虫等々
生まれた時から食べていたから、他郷の御婦人方が何故眉をひそめるのか判らなかった。
長じてこれが信州の特異な食文化であることを知った。
秋の風物詩にイナゴ取りがあった、収穫が終わった水田の、日当たりのよい畦道にイナゴが群がって日向ぼっこしている。
それを素手で捕まえて腰に下げた布袋に入れた、袋の口を開くと待ち構えていたように何匹かのイナゴが外に飛び出す。
だから口を開く前に袋を良く振って、イナゴを袋の底に落とさなければならない。イナゴ取りのちょっとした感どころである。
知恵のある人がイナゴ取り袋を考案した、袋の口に竹筒を結えて捕獲したイナゴは竹筒を通して袋に落とし込む。
虫に竹筒をよじ登って脱出する知恵は無かったから、人間はイナゴ取りに集中できた。
しかし イナゴの跳躍力はすごい、群がってはいるけれど捕獲は簡単ではない、跳ねる方向から手をかざし素早く手中に収める、一瞬の早技が物を言う。
虫に翻弄され、つかむ打率の低い人は「ノロマサン」といささかの軽蔑を込めて笑われた。

コメント
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