常念が見える部屋から

ここから北アルプス常念岳が眺望できます。
季節の移ろいに写真を添えて発信します。

美ヶ原高原にて「グリーンロープの外に出て下さい」

2008年09月30日 | 季節の便り
草紅葉 笹が徐々に草原を侵食している

舗装された車道の両側に草紅葉の草原が続く。
道端に車をとめて車外に出ると、吹く風の冷たさに思わず首をすくめた。
道に沿ってグリーンロープが張られているのは、高山植物保護の観点から草原への立ち入りを制限しているのだろう。
ロープの向側、手の届く先の枯草の中に、咲き遅れたマツムシソウを見つけてロープを越えた。
アスファルトの道路に立って眺める景色は、冷たい朝露の中に入る事でがらりと趣を変え、草原の果てまで歩きたい衝動に駆られた。
その時、1台の車が止まり降り立った男性が「森林管理管です、グリーンロープからすぐ出て下さい」と言う。
やっぱり草原に入ってはいけなかったのだ「すみません」慌ててロープをまたいで車道に戻った。
規則を破った事への自責と、自由に走り回れた頃の美しい草原を思った。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

猿の忘れもの

2008年09月29日 | 季節の便り
サルオガセ

猿が木々を渡り歩いている時、誤って枯れ枝にひっかけてしまい、仕方なく残していった物だと聞かされてきた。
高冷地の風格ある唐松の、尖った枯れ枝に絡まって風になびいている様は、確かに猿の忘れ物である。
美ヶ原高原の頂上近くに植えられたカラマツは、サルオガセの絡まる年輪を数え古色蒼然とした風格が備わった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高原から

2008年09月28日 | 季節の便り
見上げる美ヶ原高原の頂上付近がすっかり枯草色に変わっていて、今年一度も行かなかったことがなんだか後ろめたく思えていた。
雪の降る前にと思い切って車で出かけた。
曲がりくねった林道を抜けて、眺望の見事な高原に到着する。
標高2千メートル、北アルプス全山の連なりを、目の高さで鳥瞰できる、唯一のロケーション地である。
新雪に輝く白馬に、間近に迫る秋の終わりを思った。

白馬三山冠雪


放牧地に草を食んでいた置き去りにされたようなわずかな乳牛が、私の姿を見て人恋しそうに集まってきた。
吐く息が白い。
牧場
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

落ちる音

2008年09月27日 | 季節の便り
ウメモドキ


里の秋の音を聞いたことがあるし、今でも聞くことが出来る。
栗や胡桃や栃の実等の木の実は熟れると風がなくても自然に落ちてくる。
途中の葉を衣擦れのように鳴らして、ポトンと重い音がして落ちる。
リスやネズミには嬉しい季節の到来だ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朱鷺

2008年09月26日 | 季節の便り
紫式部

深志天神社の前の大きな欅に覆われるように「朱鷺」という小料理屋があった。
新潟県出身とい若い女将が、一人で切り盛りする質素な店に、大きな飛翔する朱鷺の写真が飾られていて、その華やかな朱鷺色によって店が何倍にも上等に思えた。
常連だったらしい先輩に連れられて何回か通ったけれどし、ばらくして郷里に帰ったという噂を残して、朱鷺と書かれた門灯が消えた。
佐渡の空を羽ばたく朱鷺の映像に重なって、数十年も昔のことが思い出した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寒気団

2008年09月25日 | 季節の便り
鬼セリ

急に涼しくなって上着が必需品になった。
昨夜の地区の集まりで、もつい先ほどまで続いていた暑さを懐かしむような声を聞き、誰かが「まるでコウロギだ」と言っていたけれど、本当にいつの間にか虫の声も途切れていた。
太陽から離れた北の大陸が冷え始め、今朝テレビで寒気団という言葉を久しぶりに聞いた。
地球に温暖化と、寒冷化という二極があったとしたら人はどっちを選ぶだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウコン

2008年09月24日 | 季節の便り
秋ウコン

秋に花が咲くので「秋ウコン」というらしい。
岐阜県中津川から興しいれて数年になる。
熱帯の植物らしい風格があり、花茎の上部に広がる包の色合いが可憐だ。
生姜によく似た球根が健康食品とのことだったが、その苦さから敬遠され、現在は観賞用である。
体によいという植物には流行、すたりがあるようだ。
それには二つの原因が考えられる、一つは完全に効いたので、もう飲んだり食べたりする必要がなくなった。
二つ目は全く効果のないことが解ったから。
コンフリー、クコ、あまちゃずる、古くは九頭竜虫というゴマ粒ほどの黒光りする甲虫もあった。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋分の日

2008年09月23日 | 季節の便り

お葬式と周年記念式典が重なってしまい、かみさんと分担した。
私のでる式典は午後からなので、午前中久しぶりに庭の手入れに時間を割いた。
草を抜いたり、延び過ぎた枝を切り取ったり、池の睡蓮の枯葉を除いたらびっくりするほど明るくなった。
紗羅の梢が淡く紅葉し、見上げると空に透けて水彩画のように広がった。
本当に時は生真面目で 止まることを知らない。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

貴船菊

2008年09月22日 | 季節の便り
シュウメイギク


歩き疲れて、傍らにシュメイギクの咲いているベンチに腰を下ろした。
その時の自分の心情を映すようで、何とまあ憂いを含んだ花だろうと思った。
それ以来季節が移ろう節目の、気になる花のひとつである。
アンバランスな花もいいが、つぼみの形が、いかにもつぼみらしい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ナツハゼジャムの作り方

2008年09月21日 | 季節の便り
ナツハゼ

秋の山でナツハゼの紅葉が目に入ると小走りに駆け寄った。
お目当ては黒光りする甘酸っぱい小粒の果実である。
果実と呼ぶには恥ずかしいほど小さいけれど争って口にほうばった。
10年ほど前に、山から庭に移植した2本のナツハゼは今年もたわわに実をつけた。
紅葉が散って、ブドウの房のように残った実を収穫し、ジャムに加工する。
難しいことではない、水洗いして、砂糖を的量入れて、短時間煮るだけで出来上がる。
紫の色彩が美しく、子供のころの秋山を彷彿とさせる味がする。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする