常念が見える部屋から

ここから北アルプス常念岳が眺望できます。
季節の移ろいに写真を添えて発信します。

お歳とり  良いお年をお迎えください

2009年12月31日 | 季節の便り
セントポーリア

12月31日は「お歳とり」である。
今でも私より年上の人達は「大晦日」と言わず「年取」という
この夜に食べる魚を年取魚と言って、長野県の北半分は鮭を、南半分は鰤を食べるといわれるが、それほど明確な区別が存在するわけではないように思う。
我が家はいい加減で、鮭もあれば鰤もある。
年取魚や、前倒ししたおせち料理が食卓に並べられ、大人たちは酒を飲み、子供たちにも、この日は飲酒が公認されていた。
しかし、お燗酒を1口に含んでその不味さに辟易した。
1年を通して、最も豪華でにぎやかな宴であった。
一夜明けるとお正月、誕生日に関係なく、平等に年齢が一つづつ加算される。
数え年年齢は、生まれた途端に1歳がもらえるから、私は明日、数えで74歳になる。


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大晦日

2009年12月31日 | 季節の便り
あれし


外回りの雑用は終わって、大晦日の今日は家の中の方付けを始めた。
9時半ごろから風交じりの雪が下から吹きあがるように激しく降った。
こんな降り方は「あれし」と言って積もることはない、ひとしきり荒れて穏やかになった。
大晦日を控えて消防団による年末警戒が始まった、深夜消防団員が手鈴を振りながら町会を巡視してくれる。
半夢の中で、暗闇の中に潜む恐怖が、後から後から際限もなく押し寄せてきて、布団の中で身を固くして耐えた幼い日々。そんな時 チリンチリンと響く手鈴の音が聞こえると、安堵してまた眠りについた。
あの頃は、ただ無性にお正月が待ち遠しかった、それは何故だったのだろう。
今風の幼い子供たちにとっても、お正月は夢に見るほどの楽しみなのだろうか
新しい年が近づいた昨夜も、床の中で鈴の音を聞きながら昔の事を思った。

午後3時過ぎ静かに小さな雪が降り始めた、この降り方は積もると直感した。
夕暮れを思わせる暗い空から雪は無限に落ちてくる。
明日は新年にふさわしい無垢の世界が明けるだろう


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地産地消 松飾り 

2009年12月30日 | 季節の便り
雲の切れ目の常念

昨日外出の折、スーパーの店頭にうずたかく積まれていた門松を手に取ってみた。
それは どれもこれも、何とも細くて貧弱で、その上高価である。
門松は山から採ってくるものと相場が決まったいたが、近年里山の松が大木化して採集できず、もっぱら店頭からの調達で済ませてきた。
変革の総決算、意を決し、四駆のケットラに飛び乗って、目星をつけておいた松山に出かけた。
幸い山道は日影の一部を除き積雪はなかった。
林道に軽トラを乗り入れてしばらく尾根伝いに進む、思った通り一面に手ごろな松が生え茂っていた。
門松は下から峯までに三段に枝葉が付いた枝が上物とさる。
車外に出ると、吹き飛ばされそうな烈風が吹き荒れていて、枝ぶりの吟味もそこそこに、数本を切り取って山を下った。
門松の地産地消である。





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冬木立ち

2009年12月29日 | 季節の便り
鬼クルミの冬芽

ラジオで冬枯れの野山を歩く楽しさを語っていた。
葉が落ちて林の中が透けて見える、そこで出会える野鳥や獣の楽しみ。
かさこそと落葉を踏む音の楽しみ。
足音を止めて野鳥のさえずりに耳を澄ます楽しみ
霜に晒されて、こぼれんばかりに熟れている木の実を口に含む楽しみ
空気が澄んで遠くの景色がハイビジョンのように見える楽しみ。
冬芽の秘めた力を思う楽しみ
積もった落葉に埋もれる楽しみ




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ケセランパサラン

2009年12月28日 | 季節の便り
木苺の棘に絡まったケセラン


「昔子供の頃、「これは、けさらんぱさらん、と言うんだよ」と教わり、自分の子供たちにも「けさらんぱさらん」と教えていた物が、実は「ガガイモ」が本名だとは…」とコメントがあった。
干した「イカ」が「スルメ」と呼ばれるように、空を漂うガガイモの綿毛を「ケセランパサラン」という。
本当は違うかもしれないが、私は便宜上そう整理している。
師走の乾燥した風が吹くと、放置された畑地の草藪や有刺鉄線に絡まっていた鞘が乾いて割れて、おびただしい数のケセランとパサランが優雅に飛び立ってゆく。
ごく稀に、開けた窓から部屋に迷い込むことがあって、捕まえようと近づくと、人の温もりですっと上昇し、対流に乗って外に出て行った。

 
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ガガイモの巣立ち

2009年12月27日 | 季節の便り
ガガイモ

穏やかな日が続いて雪が消えた野道を歩いた。
枯れ草に絡んだガガイモのサヤが割れて、無重力の世界のように種子が飛び立っていった。
冬至を過ぎた午後の弱い陽光に、繊細な羽毛が輝いて、まるで羽ばたいているかのように見える。
この空気より軽い羽毛を薄い袋に入れて、そっと放すと天に昇って行くように思えて仕方がない。
「自然の中に無駄な物は何一つないのです」と大原先生はおっしゃった。






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いも虫の味

2009年12月26日 | 季節の便り
忘年会で競り落としたシクラメン

ある種のカミキリムシの幼虫は枯れた材木を食べて成長する。
材木の表面をかじるのではなく、木材の内部にトンネルを掘り進む、掘ることが目的ではないのかもしれない、何故なら彼らにとって木材は食料なのである。
頑丈ななあごで堅い木を削り食べ、綿のように暖かな滓を排泄する。
排泄物が詰まったトンネル内は暖かく、幼虫はゆっくり成長を続けながら越冬することができる。エコの極め付けである。
越冬する虫たちの天敵は人間である。
時として越冬虫のゆりかごは、燃料用の薪として割られる。
「丸々と太った白い幼虫が寒い外に転がり出すと子供たちは喜びに歓声を上げた」と大原先生が言った。
先生は信州伊那谷のお生まれである。
私も木の虫は数え切れないほど口に入れたけれど、今風にいえば、規格外のとろけるチーズ、歓声を上げるほどの事はなかったように思う。
きっと伊那谷に生息する虫類は特別な味を備えていたのだろう。

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ムササビの樹上巣

2009年12月25日 | 季節の便り
展示コーナー



研究指導恩師 (展示コーナー)


快晴の東京湾をユリカモメに乗って、日本学生科学賞の審査発表会場に向かった。
未来館では控室でスクリーンに投影される中継映像を見た。
隼人のムササビ研究は、冠がつく賞は逃したけれど、一位入賞を果たした。
ムササビは夜行性でありしかも樹上生活者であるため、通常人の目には触れにくく、神秘性が漂う生き物である。
一部のムササビに変化がおきたという、それは木洞に営巣し子育てをするという定説に反し、ある固体は樹上の枝に、鳥のように巣を作った。
その目的は何か 何がそうさせたのか、探るべき真実は山積している。
ムササビの生態を調査するためには、自身がムササビにならなければならない。
この寒空の中を夜毎ムササビの森をめざして、5Kの距離を自転車で走り抜けている。









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機会を無駄にしない

2009年12月24日 | 季節の便り
夜のイルミネーション

灯かりを消して、その派手さ驚いた。
色を変化させながら気ぜわしく点滅をする。
とてもワイングラスを傾ける雰囲気ではない。
電気照明が発明される以前のクリスマスツリーはどんな物だったのだろう。
今はもうすっかり逞しくなった娘たちが小さかった頃のツリーは、樅の木に綿の雪を載せて、クリスマス飾りをぶら下げた。
最期に天辺に置く金色の星を誰が付けるかで本気で争ったものだ。

今夜はクリスマスイブのひと時を東京で過ごすことになった。
それは 日本学生科学賞に応募した、隼人君のムササビ研究審査会を見学するためである。
審査結果はともかく、残された有限の時間を、有効に使う機会を、無駄にしてはいけないと思った事が動機である。
9時発の特急あずさに乗って東京に向かう。
隼人君は昨日先生と東京に発ったという。
成人した娘と電車に乗るのは多分初めてだろう。

 


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クリスマスケーキとイルミネーション

2009年12月23日 | 季節の便り

毎年クリスマスケーキを届けてくださる人がいる。
今日そのケーキが届いた。
その時ふと、部屋の中に茂る熱帯の植物をイルミネーションで飾ろうと思い立った。
決断したら行動は早い、それが長所でもあり欠点でもあるのだろう。
早速 沙羅の木に巻きつけたまま、3年も放置したイルミネーション発光体を梯子を使って取り外し、室内の樹木?に添わせた。
そんなわけで、今日の祝日に予定していた年賀状作成は大幅に遅れてしまう。



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