空を飛ぶ

飛行機雲の先端に機影が光る。
遠景の列車より、空を飛んでいるというだけでドラマが豊富だ。
昔、遠景の列車は白い煙が目印だった。

薔薇

結婚式のテーブルから持ち帰ったバラの蕾がワイングラスで開いた。
根も茎も葉もないところに咲く不思議,薔薇という字の難しさ。
外は春の吹雪、視界を遮って、雪は横に流れて、地面から上に天に向って吹き上げている。

孔雀サボテン開花

カキドオシやマンサク、アズマイチゲに比べることの是非はともかく、この存在感はすごい。圧倒的な量感で迫ってくる。

緑の星

フキノトウがあっちにもこっちにも星型に開き始めた。
料亭でこの姿のままの天ぷらがウン百円したとかいう話。

新しい山菜

ノカンゾウの土手は日増しに緑が濃くなって行くから、老人は季節に取り残されたような焦りを感じることがある。
昔は食べなかったけれど、今は山菜として、少しだけ定着したようだ。

あづまいちげ

いつもの場所に、今年は遅れると思っていたあづまいちげの一番花を見つけた。
午後の陽が陰った斜面で花は日傘のように閉じていた。

春の宵

日が落ちても風が温かい
暮れなずむ空に描かれる常念のシルエットは端正だ。
景色の中に何かを置き忘れたような心根がいつも付きまとう。

緑と紅い葉のオキザリス

なごり雪がきれいに消えて、土手の緑が広がってきた。
春が駆け足でやってくる。

なごりの雪

昨夜東京の帰りに遭遇した雨は、夜が更けてからボタン雪に変わった。
今朝、霧のような雨が降り積もった雪を静かに温めていた。
雪解けの雫が雨樋を音を立てて流れている。

浅草参り

義兄の墓参りをして浅草寺まで足をのばした。
穏やかなお彼岸であった。