常念が見える部屋から

ここから北アルプス常念岳が眺望できます。
季節の移ろいに写真を添えて発信します。

鈴虫とサギ草と

2009年08月31日 | 季節の便り
鷺 乱舞
サギ草が最盛期を迎えた、翼の裂け方に一定の共通点があるものの、細部は人の指紋の様にそれぞに違いがあるようだ。



娘の家から鈴虫が20匹ほど届いた。
さっそく内装品を整えた巣箱に移されて、鈴虫はそれぞれの居場所を確保したようだ。
夜になってあわただしい選挙報道が佳境にはいるころ、虫たちは澄んだ音を奏で始めた。
新しい環境が気に入ったのだろう。
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通測用真空管

2009年08月30日 | 季節の便り
双三極管12AX7


物置で探し物をしていて、真空管10本ほど詰まった古いケースを見つけた。
昭和30年代、医療機器のサービスマンをしていたころの補修部品が紛れ込んでいたのだろう。
久方ぶりの対面である、しばらくガラスを通して見る電極の機能美に見とれた。
加熱された陰極から飛び出した電子は陽極に向かって流れる、陰陽両極の中間におかれた格子が電子の流れを制御する。
真空管は微弱な生体電気信号を増幅するための主役であった。
通測用真空管は汎用真空管と違い高度な管理の下に作られていたらしい。
医療機器メーカーは、通測用真空管を大量に買い込み、その中から厳格に選りすぐって使用した。
物置から見つかった真空管も100本の中から選ばれた1本なのだろう。
そう思うと一層輝きを増したように見える。






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ヒヨドリの雛

2009年08月29日 | 季節の便り
ヒヨドリの雛

巣から落ちた雛に親鳥が餌を運んでいる。
庭の茂みの奥で雛が餌をねだる、笛吹き草のような鳴き声は以前から聞いていた。
まさかヒヨドリが営巣しているとは思いもよらなかった。
雛は羽を広げることはできてもまだ飛べない、野良猫の往来もある、腹を空かせた蛇だって珍しくない。
無事に育つだろうか?たぶん無理だろう。
子供のころは、なんとか助けたい一心で家に持ち帰ったものだ。
そして寝食を忘れて飼育に没頭した、蜘蛛やトンボを捕まえて餌にするのだけれど中々食べてくれない、工夫を重ねてなんとか飲み込むのを見て安堵したりした。
しかし大概は数日の命だった。








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茗荷の言い伝え

2009年08月28日 | 季節の便り

潤沢な雨量に恵まれてミョウガはまるで熱帯のジャングルのように茂みを拡大した。
かき分けた根元に妖しげな花が咲いている。
こんなになっては、もう食べるのに適さない。
花の咲く前のタケノコに似た形が、香りも味も容姿も良い。
形の整ったものを選んで、2つほどあれば朝の食卓に充分すぎるほどである。
細かに刻んで醤油をかけるだけ、子供のころは顔をしかめて食べたものが、今は美味しいと思えるようになった。
味や香りの感性が鈍化したのかもしれない。
茗荷が美味しいと思う年代が、物忘れが始まる年代と合致するところから、茗荷にとってはなはだ不名誉な言い伝えが生まれたのだろう。
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秋の夜長

2009年08月27日 | 季節の便り

夏の濃い緑から、秋の装いの淡い色に変わり始めたヤマホウシの葉の茂みの奥で、サクランボの様な赤い実が秋を告げている。
暑い夜と冷たい夜が交互に入れ替わる度に、夏の名残りは誰にも気付かれないまま少しずつ消えてゆく。
娘から鈴虫を届けると連絡があった、双六はもう鈴虫の鳴く季節まで進んでいた。
秋の夜長「夜なべに精だせ、精だせ」と草むらの虫たちは鳴くのだと祖母が言った。
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飛翔

2009年08月26日 | 季節の便り
鷺というより旅客機を思わせる、いずれにしても飛行体である

山野草の達人にサギ草の写真を添えて開花報告をした。
きわめて良好な生育と褒められた。
八王子より松本のほうが、サギ草の生育環境に適しているのだろうと思う。
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大気澄む

2009年08月25日 | 常念100景
常念山脈

雲ひとつなく晴れわたった夕空である、槍ヶ岳の左肩を下った平坦部に建つ山荘に灯が点る。
こんな夕暮れの時 山小屋から下界はどう見えるのだろう。
以前 槍ヶ岳登攀の前夜この山荘に宿泊したことがある。
槍沢を息絶え絶えに登りつめて倒れこんだ山荘に、思いがけない天空浴場があった。
槍の山塊が、暗闇の中に更に黒くそそり立って、明日の登頂に恐怖を覚えたものである。
星が美しかった、シャッターを開放にしてリバーサルフィルムに光の軌跡を写したことは覚えている。
しかしながら下界を見た記憶がない。雲海に包まれていたのかも知れないし、見なかったのかもしれない。

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サギ草

2009年08月24日 | 季節の便り

夕間暮れ 馬追いの初鳴き、冷風のおとずれ サギ草が咲いた。
サギ草が八王子の達人から我が家に来て8年ほどになる。
達人の秘伝を忠実に守っていたら、いつの間にか100本近くに増えて、来年の春には嫁入り先も決まっている。
主翼の先端の裂け方が、確証でないが人間の指紋のようにそれぞれ違う様に思う。
今朝12輪咲いて、近日中に50輪咲くのは確実だ。
その機会に1輪ずつ写真に撮って確認してみようと思っている。
もしかしたら八王子の達人が既に研究成果をまとめているのかもしれないが・・

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吾亦紅と戦争

2009年08月23日 | 季節の便り
ワレモコウ

土手に沢山咲いていた吾亦紅が姿を消し、河原撫子が風にそよぐ景色も見られなくなった。
写真の庭に咲いた吾亦紅は、土手で咲いた物とは少し違うようだ。
みんなみんなどこへいったのだろう。
野に咲く花の名前で吾亦紅を覚えたのは早かった。
この植物の根に含まれるタンニンが毛皮をなめす薬剤として使われたらしい。
皮革をなめすといっても知らない向きが多いかもしれない、毛皮は豪華で柔らかいものと思われがちだが、剥ぎ取って乾燥された毛皮は木の板のように固い。
この板を布状に柔らかくする工程がなめしである。
戦争末期日本はあらゆる資源が欠乏した。
内地で調達できる代替資源を探し徹底調査された
その一つがなめし薬の代替品ワレモコウの根っこであった.
極寒の地で任務を遂行する兵隊さんにとって、毛皮は命をまもる必需品である。
その毛皮をなめす薬品すら底をついたのだ。
実物をかざした校長先生の訓話を聞いた生徒たちは、初めて聞く野の花の有用性に開眼し、戦地の兵隊さんの苦労を思い必死で吾亦紅を探し掘った。
しかしその根が乾燥しないうちに戦争は終わった。



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ヘブンリーな夏

2009年08月22日 | 季節の便り
ヘブンリーブルー

ヘブンリーブルーな朝顔が100輪ほど咲いた。
絶好調である。
こんな色の空の下で過ごした夏が今年は幾日あったのだろう。

野菊

メールの残暑見舞いに、月下美人の写真を添えて送った。
返信メールが届いた「父はこの珍しい花を息子の私に見せるために、保存液に漬けて、私の夏の帰省を待っていてくれました。ガラス容器の中で萎れて薄黄色に変色した月下美人がとても貴重なものに思えたのです」


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