或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

マダム・エドワルダ

2008-01-07 06:54:22 | 010 書籍
この数ヶ月、読み始めては中座し、中座しては読み始めるという動作を繰り返してきたのが、フランスの思想家であるジョルジュ・バタイユの短編小説集「マダム・エドワルダ」。きっかけは広島出身の画家、靉光(あいみつ)の記事で少し触れた「眼のある風景」(1938年)という作品。観た時にバタイユの処女小説「眼球譚」(1928年)を思い出したから。

バタイユの妻のシルヴィアが彼と離婚した後に再婚したのがジャック・ラカンということもあり、彼の名前は頭のどこかにいつも引っ掛かっている。それと最近では、前に記事にした内田樹のエッセイ「子どもは判ってくれない」で村上龍の「タナトス」が引用されていて、ついでに鎌倉の浄智寺で澁澤龍彦の墓の前を通っていて。フロイト、エロス、タナトス、ラカン、バタイユ、澁澤・・・。

ありますよね、いろんな因果が少しずつ絡んできて、そこにたどりつくみたいな因縁。今回はそのケース。それで内容はというと、酔いどれ変態男?と娼婦宿にいた変態女?の変態話。この小説は1941年に匿名で非合法出版されたらしいけど、簡単に言えば極めて猥雑なポルノ小説。とにかく全編その手の話だけ。おまけに難解。ただしその中に哲学を感じさせるのが特徴。

この娼婦は“あたしは<神様>よ”と語る。彼女と一緒に乗り込んだタクシーの中で、彼女は運転手と関係を持ち、やがて絶頂に達する。それを変態男は横目で見ながら、“ヘーゲルは一人の狂女の<神格化>とはなんのかかわりもない”と考える。この作品は三島由紀夫が賛嘆したことでも知られていて、現代では20世紀を代表する古典的名作の地位を得ているらしい。

余談だけど、自分が読んだのは図書館にあった生田耕作訳の角川文庫版。別に中条省平訳の光文社版もあるみたいで、両者を読み比べるのも面白そう。例えば冒頭の記述が、前者が“或る街角で、苦悩が、不潔な酔い痴れるような苦悩が、おれの顔をゆがませた”に対し、後者では“ある街角で、不安が私に襲いかかった。汚らしく、うっとりするような不安だ”、という感じ。

今年はどうも、エロティシズムを哲学的に追及したいようです。

角川文庫版角川文庫版    光文社古典新訳文庫版光文社古典新訳文庫版

初釣り

2008-01-05 08:59:26 | 400 釣り
昨日は友人と初釣りへ。昨年末に予定していたのが天候悪化で中止となっただけにやる気は満々。この正月連休の中ではベストと言える絶好の釣り日和だった。実際に魚場について風や波が全く無いのに驚いたぐらい。今回の狙いはタチウオ。

タチウオ(太刀魚)の船釣りは初めて。かつては10月から11月に市街地に回遊してくるので護岸から浮き釣りをしていた。昼間は釣れないので日没後から数時間が勝負。暗闇の中の電気ウキを見ながらの釣りは、それはそれで面白かった。最近はやらなくなったけど。そんなタチウオ離れした頃に今回の誘い。なんか久しぶりにワクワクしたなあ。場所は愛媛県の中島周辺。

魚場が見えてきて驚いたのが船の数の多さ。写真がないのが残念だけど40から50隻はいたかなあ、圧巻だった。これだけ一ヶ所に集中したのを見るのは初めて。余程釣れているんだと興奮してきて。釣客の中で友人と自分の二人が初心者。他のメンバーは魚場に着くなり流行のジギングで釣りを開始。ジギングというのはジグと呼ばれる小魚に似た金属性の疑似餌を水中で動かす釣法。これがもう入れ食い状態。釣れるわ釣れるわ。それを横目に餌釣りの我々は、船長から釣り方の講習中。

周りがガンガン釣っているので焦ってきて。ようやく開始したものの全く釣れず大苦戦。結局自分は餌釣りを諦めてジギングへ転向。でも竿もリールも別の魚種用だし要領が分からずまるでだめ。結局数時間冷や汗タラタラの状態が続いた頃に、既に相当な数を釣っていた後ろの知らない人が見かねてアドバイスをしに来てくれて。“地獄で仏”とはまさにこのこと。

指示通りに竿を別の短いのに代えて誘いのアクションを修正したらこれが的中。面白いようにヒットし始めて。これが納竿の2時間前。ハマチ程のパワーはないものの、引き上げる途中の鋭いしめ込みは強烈だった。釣果は90cm~120cmの良形が18本。他の常連客は50本ぐらいは釣っていただろうなあ。右往左往したけど、結果的には良い初釣りになりました。

刺身、塩焼き、バター焼き、ムニエルと、食べて美味しいタチウオづくしの日々が続きそうです。

謹賀新年

2008-01-02 08:23:18 | 900 その他
新年あけましておめでとうございます。この正月は、昨晩息子が帰省したけど、それまでは独り。音楽を聴いたりTVをみたり。暇だから自分の部屋の整理を元旦から開始。本来は昨年やるべきだったけど法事とかあって手がつけられなかった。でもお陰で書類の片付けをやりながら昨年の反省と今年の目標設定ができた。まさに“一年の計は元旦にあり”ってところ。

目標というのは二つあって、社労士の合格と経営コンサルタントの活動本格化。社労士は昨年まずまずのラインまで行けたから今年こそはリベンジをと。勉強も早めに11月から再開したしモチベーションはバッチリ。と言いながら12月度の勉強進捗の記事をアップするのを忘れていた。これがその代わり。社労士と言えば、昨年は世間で年金問題がやけに盛りあがったなあ。

おっと、この調子だとかたい話になってしまうので、正月らしくおめでたい話を。昨年末に驚いたのがオダギリジョーと女優の香椎由宇の結婚発表のニュース。ええっ、まさかと。彼って結婚とかそういうものから縁遠い存在だろうと勝手に思っていたから。気になったのが相手。誰?この子は?まず名前が読めないし。顔は知っていた。TVドラマやCMとかで何回か見た覚えがある。ハーフっぽいキレイ系で上品な印象。娘に聞くと、「ええーっ、知らないの?かしいゆう」と白い眼で見られて。

その後ネットでググってみてスゴイ事実を発見。“記者会見で終始硬い表情の2人にヤキモキする報道陣も多かったが、「僕と同じ誕生日の方なのは、金正日(北朝鮮・総書記)以来だったのでビックリした!」とオダギリが独特の表現で語ると会場は笑いに包まれた。”という記事。おいおい、オダギリだけじゃなく椎名由宇も自分と同じ誕生日かよ、おまけに金正日まで。こんなところで新たな誕生日つながりが発覚するとは嬉しいやら悲しいやら。金総書記は政治以前にまずあのルックスがねえ。

それで二人の交際のきっかけが、映画「パビリオン山椒魚」での共演と知ってちょっと悔しかった。前にレンタル屋に置いてあるのを見つけて借りるかどうか悩んだ記憶が。借りておけば良かった。これはねえ、当分無理でしょ。殺到しているだろうから。

なんて正月からえらくフツーの世間話になってしまいましたが、今年もよろしくお願いします。