或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

福岡市美術館

2009-09-23 06:20:03 | 300 絵画
社労士の事務指定講習を修了した開放感に満たされながら、翌日の午前中に、まずは福岡市美術館へ。ここは有名な大濠公園の敷地内にあり、天神から西方面へ西鉄バスで十数分程度。車窓から福岡城跡を眺めているとバス停に到着。降りて数分歩くと南側入口へ到着。すぐ傍には日本庭園があった。後で分かったけど、こっちが裏口らしい。

この美術館については全く下調べをしておらず所蔵作品についての情報は皆無。ちょうど開館30周年記念展が開催されていて、出品作品が予想以上に多かった。淡々と観ていた時に出くわしたのがレオナール・フジタ(藤田嗣治)の「仰臥裸婦」(1931年)。その大胆な構図といい、保存状態の良さからくる絵具の発色の良さといい、”乳白色の裸婦”シリーズの中でも出来栄えが群を抜いている。調べると、東京国立近代美術館で開催された生誕120年記念回顧展には出品されていなかった。

この1点に出会っただけでも来館した甲斐があったと喜んでいたら、次ぎのブースには佐伯祐三の「街」(1927年)や松本竣介の「彫刻と女」(1948年)が。近代日本洋画については他に黒田清輝、岡田三郎助、藤島武二、青木繁等も展示してあり、なかなかの充実ぶり。感心しながら最後のブースに入ると、遠目からでも際立つ存在感を放っている作品に引き寄せられて。

黒い背景の中に大胆でシンプルな十字の光線が眩しい。その強さに思わず目を覆いたくなるような欲求に駆られる。松尾藤代の「TOTAL LOSS ROOM」(2000年)。現役の画家でオフィシャルサイトのトップページにも、おなじ色使いの作品が掲載してあった。どうやら窓と光を永遠のモチーフとして探求しているらしい。現代画にはほとんど興味を持たない自分が珍しく魅入られたかな。

バリエーションに富んだ作品群を堪能して北側入口から出ると、そこは池のすぐ傍。ベンチで日向ぼっこをしているカップルもいれば、ジョギングをしている老若男女も大勢いた。彼らを横目にのんびり歩いていると、すっかり休日気分になったなあ。


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