或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

吉冨寿し

2009-09-20 06:24:01 | 600 グルメ
面接指導過程の研修3日目の夜は、今回の博多グルメツアーで最も期待していた「吉冨寿し」へ。ここは天神から歩いていくと長浜の屋台街の少し手前の舞鶴地区にある。ネットの情報からは“隠れ家”的な店らしく、これまでの経験から場所が分かりにくいのかなと心配していたら、案の定そうだった。表通りに面していると最初から分かっていれば迷わなかったかもしれないけど、あちこち探して結局近所の人に尋ねることに。ところが教えてもらってもダメ。あっさり店の前を素通りしてしまったから。

ようやく見つけたのが上の写真の玄関。表札が古びていて店の名前が読めない。しかし漂ってくる何とも言えない雰囲気はどうだ。この辺りから、ただものではないと感じ始めたかな。店の中に入ると、想像通りの古風なたたずまい。カウンターが8席とボックスがひとつだけ。加えて大将の立ち位置が客とほぼ同じで、間に余分なものが全くない。この空間がまさに“粋”。

ここまでくると、もうどういう料理が出てくるのかおのずと察しがつくというもの。蛸の甘煮等の数品の先付けの後、にぎり寿司が始まって。まずはハモの炙り。口に入れた時の食感。おいおい、なんだこれと、久しぶりに驚きが。これまでに経験したことがない風味。それからは一品が出ては食べ、また一品が出ては食べる。こだわりの味に時を忘れて。あっという間だった。

そうそう、この店にはお品書きがない。おまかせコースのみ。料金は飲み物を除いてひとり6、7千円だったと思う。でもそれだけの価値は絶対にある。江戸前寿司のひとつの極みと言っても過言ではない。勝負用に使えば完璧だと思うけど。実はこの日も昨晩水炊きをつき合ってもらった女性と一緒。昨晩以上に満足してもらったみたい。勿論勝負はしなかったけど。

ウケたのが大将。和服に身を包み自然な笑顔を絶やさず黙々と握ってくれる。こちらの笹の葉の上に盛ってくれる時にだけネタの簡単な説明が。これが何故か女性にだけ。最初だけかと思ったら最後までそうだった。実に単純明快。男は無視。女性へのサービスに徹したその振る舞いが妙に和ませてくれて。それとは対照だったのが艶やかな女将。とにかく全てが完璧だった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿