或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

プーシキン美術館展

2013-06-23 06:20:08 | 300 絵画
甥の結婚式の翌日は名古屋で遊んで帰ることに。親戚が集まる前に出かけたのが愛知県美術館で開催されていたプーシキン美術館展。サブタイトルはフランス絵画300年。美術館は久しぶり。ここは前に一度来たことがあったので、場所を迷うことはなかった。開館すぐの10時過ぎにエレベータでビルの10階に上がってびっくり。チケット売場に百人ぐらいの列ができていて。

プーシキン美術館ってそんなに有名だったっけと思いながら自分も列に並び、ようやくチケットを手に入れて展示室へ入ると、かなり混雑していた。親戚と11時に待ち合わせた関係でゆっくりする訳にもいかず、ロココや古典主義はほとんど飛ばして印象派の部屋へ。マネ、モネ、セザンヌ、ゴッホ等、有名どころの作品が多数展示してあったけど、出来はイマイチだったかな。

そんな中で、さすがと感心したのが、目玉らしいルノアールによる「ジャンヌ・マリーの肖像画」(1877年)。背景のピンクというか肌色と、ドレスのくすんだ深いグリーンのコントラストが素晴らしい。極上の色彩感覚。ルノアールって、こういうのを描かせたら上手い。それと、彼の肖像画の特徴なのだけど、被写体女性の瞳がまっすぐこちらを向いていてドキっとくる。自分が絵画にハマるきっかけがこれだったから。これでモデルが美人だったら最高なんだけど、なんていうのは自分勝手すぎるか。

あっという間に会場を見て周ったけど、どれも大作というより佳作ばかり。情けない話が、プーシキン美術館がモスクワにあって、サンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館と並びロシアの2大美術館だったとは知らなかった。本国から持ってきていないのかもしれないけど、それもこのレベルだと、やはり旧ソ連より米国の方が圧倒的に金持ちだったってことかな。

そんなことを感じながら最後の展示室に入った時にサプライズが。シチューキンのコレクションからピカソの作品が数点飾られていたのだけど、どれも出来がすこぶる良くて。特に印象に残ったのが上の画像の「マジョルカ島の女」(1905年)。青の時代から薔薇色の時代へ変わっていく途中の作品。構図、タッチ、色使い、被写体の表情等々、観ていて鳥肌が立ってしまった。


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