前回の“分析的キュビスム”の延長線上にある、“総合的キュビスム”の時代(1912年~1915年)です。分析的キュビスムの時代は、世間からまったく相手にされず完全に孤立。ところが1912年にキュビスムに対する評価が急変。音楽でも絵画でも、時代が変化する時ってテンポが速い。あっという間に価値観が変わる。まさに革命ですね。
キュビスムについては、あの岡本太郎が著書「青春ピカソ」の中で、“ピカソ芸術の真にピカソ的な展開は立体派に始まる。この芸術革命は既成の絵画理念を根底から破壊し去り、史上驚異的な20世紀アヴァンギャルドを確立する。立体派以後とそれ以前の世界との断絶は、美術史における最大の断層である。”と書いています。
技術的には、ブラックが発明したコラージュが、“総合的キュビスム”の時代の最大の特徴。紙や厚紙をハサミやカミソリで切り取り、そこにデッサンや彩色を施す。これって意外に、我々大衆には親しみ易さを感じさせますね。お洒落な雰囲気も出たりして。素人には、この時代が描くのに一番真似しやすいかもしれません。(笑)
この時代の代表作として、下の写真の、ロンドンのテイト・ギャラリーにある「ギター、新聞、グラス、ビン(Guitare, journal, verre et bouteille)」(1913年)と、ニューヨーク近代美術館にある「緑の静物(Nature morte verte “Compotier, verre, bouteille”)」(1914年)を紹介しておきます。黒や茶を主体としたダークでシンプルな内装のバーとかに似合いそう。
上の写真は私のお気に入りで、スイスのルツェルンという町のローゼンガルト画廊にある「カフェのヴァイオリン“ヴァイオリン、グラス、ビン”(Violon au café ”Violon, verre, bouteille”)」(1913年)。ヴァイオリンの先の渦巻き(スクロール)の部分の青がアクセントでいい感じです。
全絵画写真の引用元:「ON-LINE PICASSO PROJECT」(http://csdll.cs.tamu.edu:8080/picasso/)
文庫 青春ピカソ
キュビスムについては、あの岡本太郎が著書「青春ピカソ」の中で、“ピカソ芸術の真にピカソ的な展開は立体派に始まる。この芸術革命は既成の絵画理念を根底から破壊し去り、史上驚異的な20世紀アヴァンギャルドを確立する。立体派以後とそれ以前の世界との断絶は、美術史における最大の断層である。”と書いています。
技術的には、ブラックが発明したコラージュが、“総合的キュビスム”の時代の最大の特徴。紙や厚紙をハサミやカミソリで切り取り、そこにデッサンや彩色を施す。これって意外に、我々大衆には親しみ易さを感じさせますね。お洒落な雰囲気も出たりして。素人には、この時代が描くのに一番真似しやすいかもしれません。(笑)
この時代の代表作として、下の写真の、ロンドンのテイト・ギャラリーにある「ギター、新聞、グラス、ビン(Guitare, journal, verre et bouteille)」(1913年)と、ニューヨーク近代美術館にある「緑の静物(Nature morte verte “Compotier, verre, bouteille”)」(1914年)を紹介しておきます。黒や茶を主体としたダークでシンプルな内装のバーとかに似合いそう。
上の写真は私のお気に入りで、スイスのルツェルンという町のローゼンガルト画廊にある「カフェのヴァイオリン“ヴァイオリン、グラス、ビン”(Violon au café ”Violon, verre, bouteille”)」(1913年)。ヴァイオリンの先の渦巻き(スクロール)の部分の青がアクセントでいい感じです。
全絵画写真の引用元:「ON-LINE PICASSO PROJECT」(http://csdll.cs.tamu.edu:8080/picasso/)
ギター、新聞、グラス、ビン | 緑の静物 |
文庫 青春ピカソ
「え?これがピカソ?」って思ったの
覚えています。
なんか妙にシンプルで拍子抜けした気分だったんだなぁ・・・
何か音楽が聴こえてきそうな感じで。
特にジャズを感じますね。
カンディンスキーに通じるような世界のように思えました。(非常に感覚的な感想ですが。)
そう言われてみると、キュビスムと感じないなあ。
特にこのテイトのやつは、やけにシンプルですね。
確かにピカソの個性という意味では薄いかも。
まあこういう手法そのものが斬新だったわけで。
いろいろなやり方を思考錯誤したんでしょうね。
真似だけならし易そうなんですけどね。(笑)
とどさん
この時代の作品って、技術的には深そうだけど、
図形や色とか感覚的にはすっと入りやすいですよね。
カンディンスキーの作品の中には、確かに似たものが。
彼も作風が幅広い。僕の中ではピカソとシャガールを
足して2で割ったような作品のイメージが強いんです。
音楽で言えば、ジャズじゃなくてロックやポップス。
まあ当時は二人共前衛芸術だったわけで。
カンディンスキーはピカソに相当対抗心があったみたいです。