或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

藤井美那子

2008-11-26 06:15:29 | 300 絵画
秋になって自宅の一室を飾っているのが藤井美那子の描いた油彩画「柿」(1969年)。ヤフオクで画像を見た瞬間に一目惚れ。作品紹介のコピーは、”師・楢原健三の迫力と、ゴッホの大胆さ、そして女流画家ならではの繊細な色彩感覚で捉えた本作は、藤井美那子の傑作です”。確かにゴッホに通じるその厚塗りのマチエールの中に、大胆かつ繊細なセンスが感じられる。

彼女の経歴を調べてみた。1920年(大正9年)長野県に生まれ。日本画家である藤井柏堂を父に持ち、楢原健三、松木重雄に師事し、日展には3回入選を果たし、その後、示現会会員として活躍。4歳の時に父に連れられて榛名山へ移住。18歳まで山での生活を送り、昭和29年に五味雅吉と結婚後、自然良能会を設立。そうすると今は88歳だから、かなりのご高齢ですね。ちなみにこの自然良能会というのは、日本全国にチェーン展開している、骨盤から全身の骨格を調整していく治療院らしい。実は彼女の自叙伝「地の願い」(2008年)を買って読んでみたけど、住む世界が違うのかピンとこなかった。

落札した後に送られてきた実物を見ると、額が予想以上に傷んでいて。それでいつもの画材店に行って代わりの新しいのを物色。いろいろ眺めていると、壁の端に”SALE”という赤い文字が見えた。美術館にあっても不思議ではないような雰囲気。ディスカウントした後でもかなり高価だったけど、だんだんと欲しくなってきて。我慢できなくなって、結局は買って帰ったけど。

いざ入れてみると、F4号という小ぶりなサイズの絵がゴツイ額と見事に調和している。日本画の影響が強い絵と、いかにも洋風な額との組み合わせも不思議と違和感がないし。あまりに素晴らしくて、つい嬉しくなってきちゃって。珍しくカミさんも褒めてくれたりして。シロウトの自分が言うのもなんだけど、有名美術館で著名な作品と並べて飾ってあっても全く遜色ない出来だと思う。

最近保有する絵画の数が増えてきて、季節に応じて絵を選ぶ、なんて贅沢してるかな。

地の願い地の願い

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2 コメント

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Unknown (とど)
2008-11-26 17:43:28
いい絵ですね。落ち着きがありつつも、どこか飄々とした感じもあって。

試験の結果発表以降、ブログの更新ペースが戻っていらして、読者としては嬉しい限りです♪
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でしょ? (ハンコック)
2008-11-27 06:31:49
写真からは分からないけど、厚塗りのタッチが荒っぽいようでまとまりがあって。見れば見るほど魅入ってしまう。不思議な絵なんだよね。

ブログの更新は、よく分からない。記事がたまっていたから、たまたまかも。この絵も試験が終わって9月に買ったものだし。なんかまだ完全に復帰しきれていないんだよね。
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