或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

続・夕凪の街 桜の国

2008-08-08 06:24:09 | 350 映画
一昨日は原爆記念日。朝の黙祷の時間はJR通勤の車中なのでピンとこず、昼休みのラジオのニュースで広島市長のメッセージを聞いてようやく実感が湧いてくる。毎年思うけど、8月6日というのはその暑さが象徴的。最も暑い7月の後半に猛暑が続きバテてきて、体力的につらい頃にやってくるのがこの日。

今年は春からけっこう気になっていた。というのも春先に観たかった映画「夕凪の街 桜の国」(2007年)[YouTube]のDVDが発売になったから。原作はこうの史代のベストセラー漫画で広島の原爆がテーマ。すぐにTSUTAYAでレンタルして家族がいない休日の昼間にこっそりと。だって中年のオッサンが家族の眼の前で涙を流しでもしたらカッコつかないから。

でもそれは取り越し苦労。全体として思ったよりサラっとしていた。隠れヒット作となった理由が分かったような気がする。原爆モノによくあるドロドロ系だとつらいから。そうは言っても、戦後を描いた前半は主人公が原爆症で死ぬというストーリーだけに...。それに比べて現在を描いた後半は未来に向けてほのぼのとした気持ちに。佐々部清監督の造りが上手くて二つの時代の対比が素晴らしかった。ただし被爆二世が持つ意識が十分には伝わっていない気がするけど。

なかなか良かったのが俳優陣と音楽。前半の麻生久美子はこの作品でアカデミー主演女優賞を獲得。「時効警察」とのギャップが良かったのかな。感心したのが後半の田中麗奈と堺正章。二人とも控えめで自然な感じ。特にラストでの会話と表情、それに続くエンドロールと若手の村松崇継(むらまつ たかつぐ)が担当した音楽はジンときた。弦とハープという組み合わせが馴染んでいる。教育とあまり大上段に構えず、こういう映画を学校でさりげなく上映すればいいのに。

そうそう、この日の夜はつきあいで不謹慎にも飲みに出かけたけど、店で隣りに座った女の子が早朝の記念式典に参列したと聞いてビックリ。友人に誘われたらしいけど、今時のキャピキャピギャルがねえ。まあそれだけ身近なのかなと納得したけど。

DVD 夕凪の街 桜の国夕凪の街 桜の国